見出し画像

お弁当を作る人の気持ち。

5時50分。眠たい目を擦りながら冷蔵庫を開ける。中からタッパーと合挽肉、卵、パン粉を取り出す。タッパーの中身は昨日炒めた玉ねぎ。

ボウルの中に材料を入れ、塩コショウ。ひとつため息をついて袖をまくる。
朝から肉をこねて手がベタベタになることに対しての抵抗感が湧き上がってくる。

だけど、この肉をこねないとハンバーグはできない。


今日は正月明け最初の幼稚園。わが家も一足遅れて日常が戻ってくる日だ。
久しぶりの幼稚園。娘のリクエストでお弁当はハンバーグ。昨日一緒に材料を買いに行ったのだ。

まだ日が上りきらない薄暗く、肌寒いキッチンのなか。冷たい肉に手を伸ばす。

ぎゅっ、ぎゅっと手を握ったり開いたりしながらよくこねる。
丸く成形して空気を抜き、フライパンへ。

娘が喜んで食べてくれたらいいなぁ。
たったそれだけの思いのために、早起きして、わざわざ手間のかかるハンバーグをこねたのだ。

お弁当を作る人の気持ち。
それは、自分の見えないところでお弁当を開けたその瞬間、パッとその人に笑顔が浮かぶ。ただそれだけを願っているのだ。

ぼくは、その顔を見ることはない。でも、お昼までにたくさんお腹を空かせて、お弁当箱を開けるその時の顔を想像しながら、作っている。

お弁当を作るって、そういう気持ちですよね。

では、また明日。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!