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「収納が小さいから、収納がもっとたっぷり欲しい」は解決しない。〜課題の解像度を高める〜

「模様替えのレシピ」。
今日は、家具を選ぶ前に自分はどんな家具を選べば後悔しないのか、を掘り下げるコツについてです。
どんな家具を選べばいいのかは、部屋や好みなどによってまったく違います。ですがなにを考えておいたら失敗しないかはあります。それは課題と理想の解像度を高めておくことです。家具選びで失敗する人たちの共通点はこの解像度の圧倒的な低さ。どういうことか、お話していきます。

模様替えのレシピでは、いまのお部屋を120%居心地よくするための模様替えの方法をお伝えしています。
レシピのように組み合わせながら、家具の買い替えや配置換えの際に役立ててもらえたらと思います。ぜひ、マガジンフォローもお願いします。


「収納が小さいから」「収納がもっと欲しい」はダメ

よくあるのが「収納が少ないから、収納がもっとたっぷり欲しい」みたいな悩み。こうした悩みは、残念ながら解決できません。
なぜなら、収納が小さいことが本当の課題ではなく、収納がもっと欲しいが本当に目指す理想の暮らしではないからです。

もしあなたが収納マニアで、サイズが大きな収納家具に囲まれた生活がしたい、というなら別ですが、そうではないですよね。

収納が小さくて悩んでいる方の課題と理想は、たとえば。

課題は収納が小さいことではなくて、
・洋服が収まりきらずに、部屋に出しっぱなしになっている
・テーブルの上にチラシや書類が出しっぱなしになっている
・替えの布団などしまう場所がなくていつも置きっぱなし
理想はもっとたっぷりの収納があることではなくて
・洋服が所定の場所にキレイに収まっている
・テーブルの上がスッキリきれいな状態を保てている
・替え布団が邪魔にならないところにしまわれている

です。

こうして少し掘り下げると、解決するべき課題と、実現したい理想が具体的になってきます。つまり収納を増やすのはあくまでも手段であって、それが目的ではないというのがわかってきます。

これでもまだ「収納が欲しい」よりはマシですがまだ解像度が甘い。もう少し掘り下げていくことができます。

課題:洋服が収まりきらずに、部屋に出しっぱなしになっているのはなにが問題なのか。
・見栄えがよくない
・欲しい洋服がすぐに取り出せない
・服のコーディネートがやりづらい
・たたんでもしまう場所がないから、服がシワだらけになりやすい
・アイロンをかける場所もないからシワだらけの服を着る羽目になる
理想:洋服が所定の場所にキレイに収まっている暮らしとはどんな暮らしなのか
・ワードローブをあけたときにすぐに洋服選びに頭が切り替えられる
・洋服のコーディネートをあれこれと楽しめる
・洋服をキレイな状態でしまえるから、シワシワで悲しい気持ちにならない
・ファッションが楽しくなるし、服選びがもっと好きになる

こうやって課題と希望を細かくしていくと、はじめて何が解決するべき課題なのか、どういう状態を目指したいのかがわかります。

こうした解決したい課題と、課題を解決した後にどんな暮らしをしているのかをイメージしないまま、なんとなくタンスやクロゼットを買いに行ってしまうと何を買えば失敗しないかわからなくなってしまうのです。

課題と理想の解像度ってつまりどういうこと?

解像度ってつまりは「画像の粗さ」です。ここでは課題や理想がより具体的であることを解像度が高いと表現しています。


ぼくも、よくお客様から言われるんです。「ソファがほしいんですけど、おすすめのソファってありますか?」って。
でもそれって「ケーキ食べたいからなんか買ってきて」とだけ言われるのと同じでめちゃくちゃ困る。

「どんなのがいいの?ショートケーキ?チョコ?モンブラン?タルト?」自分が好きなケーキはあるけど、それが相手にとって食べたいケーキかどうかはわからない。

「収納がたっぷり欲しい」はまさに「ケーキ食べたい」と同じ。
そんな状態で家具屋さんに行って、たくさんある素敵な家具を眺めながら勢いとセンスと価格を頼りに決めてしまう。
ケーキなら、それでもいいでしょう。失敗したって数百円だし、美味しく食べればそれも新しい出会いです。
だけど、家具はそうは行きません。「失敗した」ってなったら取り返しがつきません。

だからこそ
「すっきりと洋服を選びやすいワードローブがいいな」
「コーディネートを楽しむなら同じ部屋に鏡もあるといいな」
「いまの収納に全部は入らないけど、その部屋に衣装スペースとか作れたら楽しいかも」
と完成をイメージして、家具選びをはじめます。要はそこではじめて家具を選ぶための自分の基準が芽生えるのです。


解像度ってどうやって高めるの?

自分で自分に「それで?」と問いただしてみましょう。

「収納が小さくて困ってる」
「それで?」
「だから、洋服がいつも出しっぱなしで見た目も悪いし、服も選びづらいし」
「それで?」
「服がちゃんと選べたら、もっとコーディネートとかも楽しめるし、洋服をもっと大切に扱えるようになると思う」

自分の納得がいく理想が出るまで、繰り返してみましょう。だいたい、1〜2回くらい繰り返せば充分だと思います。

本当は家具屋さんなどが、こうした課題と理想を導き出してくれたらいいのですが、お客さんの中にそれはすでにありという前提になってしまって、商品説明ばかりになってしまうこともあります。
そうすると、判断の基準が価格や見た目、素材の違いなどに偏ってしまって、使っていくうちに「なんか違う」となってしまうことも。


家具選びってすごく楽しい

課題と理想の解像度を高めた状態での家具選びは、めちゃくちゃ楽しいです。でも、ふわふわっと買いに行くとこのように迷ってしまって楽しくない。

「どんな収納がいいかな。これじゃちょっと大きすぎるかな? なんか部屋が狭くなりそう。色は白っぽいほうがいいよね。」
「あ、これも良さそうだけど。とにかくたっぷり入れられるほうがいいよね。大は小を兼ねるって言うし」

それよりも、ある程度具体的なイメージを持った状態で。

「プランAでイメージしたみたいに、部屋全体を衣装スペースにしちゃうなら、この家具なんかよさそうだな」
「でも、こっちの家具だったらプランBでいけるかも。部屋全部じゃなくて一角だけ衣装スペースにして、空いたほうでアイロンとかできるようになるかな」
「この大きな鏡があったら、コーディネート楽しいだろうな」

とイメージした暮らしや理想に当てはめながら家具を選ぶほうが同じ家具選びでもずっと心が踊りませんか。


今日は、家具を選びに行く前に、課題の解像度をしっかり高めてから行こう、という話でした。
家具って一度買うとそんなに買い替えるものでもありません。
購入に失敗しないために、サイズとか好みとか色柄とか考えるポイントは色々とありますが、その前にまず大切なのがこの課題と理想についてだと思っています。

ぜひ、家具を購入する前に少しだけ参考にしてもらえたら嬉しいです。

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