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娘のための、小さなお弁当箱

娘のために、小さなお弁当箱を買った。
これまで使っていたものと比べると、容量は2/3くらい。

ピンク色の小さなタッパーみたいなこのお弁当箱は、ぼくにとって一生忘れられない思い出のお弁当箱です。

食べるのが遅いから

わたし、食べるの遅いから。
そんなに早く食べれへんねん。
早く食べ終わって遊びたいなー。

毎日、幼稚園の帰り道に「お弁当おいしかった?」と聞いている。すると、食べるの早くなりたい、という言葉が返ってくる。

娘はわりと少食。だけどお弁当はいつもしっかり完食していました。疲れて晩ごはんを食べずに寝ちゃうこともあるし、ゆいいつちゃんと食べてくれるお弁当は親として貴重だと考えていたのです。

今日もピッカピカに食べたで!
見て! ほらピッカピカやろ!

嬉しそうに報告してくれることが、ぼくも本当に嬉しくて、食べられるんだったらいいかな、と思ってもいました。

娘がお友達とご飯を食べる姿を見て

先日、幼稚園のお友達たちとご飯を食べる機会がありました。

子どもたちも、思い思いにご飯をよそい、みんなで輪になって食べ始めました。

最初はみんなと楽しそうに食べていた娘。
だけど、ひとり食べ終わり、ふたり食べ終わり。終わった子どもたちが外で遊んでいるのを眺めながら、ひとりお皿に半分以上残ったパスタをゆっくりゆっくりと口に運ぶ。
誰もいなくなったキッズスペースで、それでも黙々とパスタを食べている姿を見て胸がつまりました。

幼稚園でもいつもこんな感じなのかもしれない。
幼稚園ではお昼休み、お弁当を食べ終わった子から遊んでいい決まり。
いつも、食べ終わるのが一番最後だと、食べるのが遅いから全然遊べないんだ、と言っていたその姿が目の前にあったのです。

まだ半分くらい残ってるお皿を見つめながら、「そんなに早く食べれへんけど、いいねん。早く遊びたいけどちゃんと食べんねん」
と、ボソリと呟き、ため息をつきながらお皿を置いて、娘は外に目を向けました。

食べることは楽しみであって欲しい

昔太っていたぼくは。食べることがコンプレックスでした。
食べたい、だけど食べることが恥ずかしい。
そんなにたくさん食べるから太るんだよ、と言われるたびに自分が卑しい存在に思えて苦しかった。

いまは、食べることが大好きだし、それで自分を卑しく思ったりはしません。
だけど、食べることへのコンプレックスはそう簡単には消えませんでした。

娘がうつむきながら黙々と食べる姿を見て、ふと思い出した自分の過去。

娘には、食べることを楽しいって思ってもらいたい。

許容じゃなくて、協力

娘がお弁当を早く食べ終わらなくて、遊べないと文句を言っていたのはわかっていた。

だから「早くなくてもいいんだよ」「最後でもいいんだよ」「残したっていいよ」と言い続けていました。
家ではよほどでなければ、早く食べて、と急かすこともしません。

遅くてもいいじゃん。
ピカピカに食べてくれることが、嬉しいよ。

こうした許容で、娘が少しでも励まされたらと思っていました。
でも、娘が悔しそうにうつむきながらご飯を食べる姿を見て、はっとしました。

早く食べ終わるように、協力してあげなきゃダメじゃん。

眼が覚めるような気持ちでした。

これまで、ぼくは何をしていたんだろう。
お弁当をたくさん食べてもらいたい、という自分の希望を押し付けるんじゃなくて。
娘が早く食べ終わって、みんなと遊べるように、なんで協力してあげなかったんだろう。

その帰り道。
お店に寄って、娘とお弁当箱を吟味。
今のものより、ひとまわり小さなお弁当箱選びました。
娘が大好きな、ピンクの丸いお弁当箱。

はじめてこのお弁当箱に詰めたのは、大好きなそぼろと鮭の2色ごはん。
うずらの卵の、スコッチエッグ。
カニカマのサラダ。
全部、娘が大好きでリクエストしてくるものばかり。


帰り道。
「今日な、わたしイッチバン最初に食べ終わったんやで!」
嬉しそうにはしゃぐ娘に、ぼくも笑顔がとまりませんでした。

***

今日も、見に来てくれてありがとうございます。
毎日のお弁当作りは、大変で、でもとても楽しくて大切な思い出だったりします。娘のお弁当への思い出も同じくらい楽しくて大切な思い出になってくれたらいいなと思います。
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。


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