見出し画像

介護/医療のセクシャルハラスメント対策研修

こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。

今回は【介護/医療のセクシャルハラスメント対策研修】という内容ですすめていきます。

☑ 筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

最近は時代の流れと共に『その発言、セクハラですよ』とばかりに世間のセクハラへの認識が強くなってきています。

何がセクハラかをしっかり知っておかないと知らない間にセクハラをしている可能性があります。

また、医療・介護業界では、患者さんや利用者さんからのセクハラも多いです。

セクハラの研修を定期的に行うだけでも職員は安心すると思います。

この記事ではセクハラについて例をあげながら詳しく記載していきます。

職場研修の参考資料として、使っていただいても結構です。

内容は、次のようになっています。


文字数は5400文字程度です。

そのままコピーをして、御社のマニュアルにすることもできます。

ぜひ、ご活用ください!

セクシャルハラスメントとは

最初はセクハラの定義をしっかり認識しておく必要があります。

セクハラとは、

【「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいう。】

「職場」、「労働者」、「性的な言動」というワードが出てきましたが、それぞれを分解してお伝えします。

まず「職場」とは、

労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。

次に「労働者」とは、

正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、いわゆる非正規労働者を含む、事業主が雇用するすべての労働者です。

また、派遣労働者については、派遣元の事業主のみならず、派遣先事業主も自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。

そして「性的な言動」とは、

性的な内容の発言や性的な行動のことをいいます。

では、性的な言動の例をあげます。

【性的な内容の発言の例】

  • 性的な事実関係を尋ねること

  • 性的な内容の情報(うわさ)を流すこと

  • 性的な冗談やからかい

  • 食事やデートへの執拗な誘い

  • 個人的な性的体験談を話すこと

【性的な行動の例】

  • 性的な関係を強要すること

  • 必要なく身体に触れること

  • わいせつ図画を配布・掲示すること

  • 強制わいせつ行為、強姦など

以上です。まずはここはおさえておきましょう。

セクシャルハラスメントの種類

セクハラには種類があることをご存じでしたか?

職場のセクハラには、「対価型」と「環境型」があります。

【対価型セクシャルハラスメント】

労働者の意に反する性的な言動に対して拒否や抵抗をしたことにより、その労働者が解雇、降格、減給される、労働契約の更新が拒否される、昇進・昇格の対象から除外される、客観的に見て不利益な配置転換をされるなどの不利益を受けることをいう。

例えば:

経営者から性的な関係を要求されたが、拒否したら解雇された。

出張中の車中で上司から腰、胸などを触れられたが、拒否したため、通勤に2時間もかかる事業所に配置転換された。

などがあります。

【環境型セクシャルハラスメント】

労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなり、労働者の能力発揮に重大な悪影響が生じるなど、その労働者が就業するうえで見過ごせない程度の支障が生じることをいう。

例えば:

事務所内で上司が腰や胸などを度々触るので、また触られるかもしれないと思うと仕事が手に付かず就業意欲が低下している。

同僚や上司が労働者に関する性的な内容の情報を、意図的かつ継続的に発したため、その労働者が苦痛に感じて、仕事が手につかない。

極端な例えではありますが、環境型セクシャルハラスメントなどは、行為者が「これぐらいセクハラにならないだろう」と思っていても、相手の感じ方次第で該当してしまいます。

セクシャルハラスメントの行為者とは

事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、病院などにおける患者、学校における先生や生徒など全ての人が行為者になりえます。

また男性も女性も、行為者にも被害者にもなりえます。

異性に対するものだけでなく、同性に対する性的な言動もセクハラになります。

被害者の性的指向(人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象とするか)や性自認(性別に関する自己認識)に関わらず、性的な言動はすべてセクハラに該当します。

セクシャルハラスメント行為者等に問われる責任

もし自分がセクシャルハラスメントの行為者になってしまったら、自分自身だけではなく、組織(会社)にも、多大な影響が生じるおそれがあります。

行為者:

強制わいせつ罪、傷害・暴行罪、損害賠償、懲戒免職、信用の低下、家庭への影響

会社:

使用者責任、債務不履行責任、適切な措置を怠ったことに対しての損害賠償、社会的信用の失墜、従業員のモチベーションの低下

よって会社は定期的に研修をする必要があり、セクハラ相談の窓口設定、対応の記録、マニュアル管理など対策を徹底しておかないと大変なことになってしまします。

では次に、実際に行為者や会社の責任が問われた裁判例をあげます。

【裁判例その1 環境型セクシャルハラスメント】
研修旅行の懇親会の2次会の際、上司のAから、肩に手を回す等の身体的接触やキスをされるなどのセクハラ行為を受けたとして、労働者のBがAと事業主などに対して損害賠償の支払いを求めた。

判決ではAの行為は、仕事上の地位を利用して行ったBの意に反する性的意味を有する身体的接触行為で、社会通念上許容される限度を超えることは明らかであり、いわゆるセクハラ行為として、Bの性的自由や人格権を侵害する不法行為であるとし、Aと事業主に対し慰謝料30万円を連帯して支払うよう命じた。(鹿児島地裁 H13年11月27日)

【裁判例その2 環境型セクシャルハラスメント】
編集長Aが、部下Bの異性関係が乱れているとのうわさを約2年間にわたり、社内外の関係者に流したため、Bは退職を余儀なくさせられたとして、Aと会社に対して慰謝料等を請求した。

判決では、Aの行為が不法行為に当たると判断し、Aと会社に対し慰謝料150万円等を連帯して支払うよう命じた。(福岡地裁 H4年4月16日)

セクシャルハラスメント対策への取り組み

実際にセクハラが起こり職場内で対応に追われるのはかなり大変です。

まずは、セクハラが起こらないよう職員各々に普段からセクハラの意識持つよう指導することが先決です。

ここから先は

2,858字 / 1画像

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?