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私的2024年上半期ベスト演劇作品

2024年上半期が早くも終わろうとしている・・・!ので、上半期に観た演劇作品を振り返ってみようと思います

観劇数 15回
ミュージカル 5回5作品
歌舞伎 7回
その他の演劇 3本3作品

昨年同時期は20本だったので、少し減ってます。ミュージカルは値上げの影響で厳選してしまっている状況です。心苦しい・・・

さて観た作品の中で、私的上半期ベスト作品・演出・俳優を挙げます!

上半期ベスト作品:二月大歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」

開幕時の華やかな花魁道中による掴みから、次郎左衛門・八ッ橋・栄之丞らの見栄と本心の駆け引き、そして美しくも残酷なラストまで、心を奪われたひとときでした。立場が異なるキャラクターたちが”真の愛”を巡り、さまざまな顔を見せていく様が、愛くるしかった。悲劇って「もしここでこれが起きなかったら(手紙が届いていたら、刃物を持ってなかったらetc)」と考えてしまいますが、この作品は考えても考えても、もう次郎左衛門と八ッ橋があの日会わなかったら、しか選択が出てこないのですよね。あの閉鎖空間において、まさに運命的な出逢いが引き起こした悲劇。役者たちの表現力も相まって、終演後も興奮が抑えられませんでした。

次点はミュージカル「カム・フロム・アウェイ」でした。(後述)

上半期ベスト演出:インバル・ピント&ダビッド・マンブッフ(舞台「未来少年コナン」)

インバル・ピントの色鮮やかで独特な身体表現と、近未来を舞台とする「未来少年コナン」の世界がピタリと合って、想像力を大きく刺激されました。生演奏による効果音も素敵でしたね。コナンとジムシーが初めて会ったときに登場する可愛いトカゲが、私は本当に好き。

次点は身体表現と魔法で魅せてくれた「ハリー・ポッターと呪いの子」、そして3つの言語と2つの文化の差を巧みに組合せて楽しませてくれた「オデッサ」になります。

上半期ベスト役者:ミュージカル「カム・フロム・アウェイ」出演者一同

もうこれは一人に決められない!全員が歌・演技の実力があり、いい意味で目も耳もずっと忙しかった。登場人物が多いのに各役の個性が際立ってて、魅力的。現代社会の縮図とも言える作品を、日本の役者が心地よい日本語訳で上演できたのは、日本のミュージカルの質の高さを感じさせました。あとはこの域の国産ミュージカルが生まれることができれば・・・いいのですが・・・まだ何年か、かかるかな

次点は「ナビレラ」で主演を務めた三浦宏規さん。歌の表現力・バレエで魅せた高い身体能力には目を見張りました。レミゼが楽しみ。また「ジョジョの奇妙な冒険」で、ライバル・ディオを魅力たっぷりに演じた宮野真守さんも印象的でした。先日襲名された新・時蔵さんのお三輪(妹背山女庭訓)は、古典歌舞伎の新たな未来を予感させました。

振り返ると上半期に観た作品はレベルが高かったなと思います。その分役者・スタッフにしわ寄せがいくのは、ダメですが・・・改善の糸口がまだあまり見えないのが実状です。

下半期も気になる作品がいっぱい!ミュージカルは「ゴースト&レディ」や、新キャストによる「レミゼ」や「Next to Normal」が気になりますね。歌舞伎は京極夏彦さん書き下ろしの新作や9月歌舞伎座の「吉野川」、そして冬の「朧の森に棲む鬼」と、古典・新作ともにワクワクが止まりません。
その他にも劇団☆新感線の新作や、マクドナーの「ピローマン」など、注目作が目白押し。
下半期も素敵な舞台に出会える日が楽しみです!


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