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場面緘黙 <パート4> 実際に緘黙を克服した娘のケース

こんにちは!ともです。
当ページにご訪問ありがとうございます。
 
今回は「場面緘黙」についてです。
場面緘黙歴11年半に及んだ
うちの娘(16歳、高1、ASD)の実例を
ご案内します。


場面緘黙になる子は500人に一人位
家では普通に喋れるのに、
特定の場では喋れなくなり、
表情や動きもロボットのように
ぎこちなくなる症状。

そんな場面緘黙を、
娘が完全に克服しました!!

今回はそんな娘の
場面緘黙克服までのストーリーです。

成功事例としてご案内します。


これまで、

●場面緘黙とはどんな症状?
<理解編>

●場面緘黙の子との接し方は?
<パート2・接し方編>

●場面緘黙に打ち勝つ極意
<パート3・克服編>

をご案内しました。


読んでいただいた方は
理解が深まったかと思います。

未読の方はぜひこちらからどうぞ☟

パート1
https://note.com/tomo_asd_papa/n/nb59ad5f29a83

パート1


パート2
https://note.com/tomo_asd_papa/n/naa220eae7347

パート2


パート3
https://note.com/tomo_asd_papa/n/n38f649feb5b6

パート3


そして今回、
●娘が実際どうやって克服したのか
<パート4・実例編>

を時系列に説明したいと思います。


本記事を読むことで、

✅娘が緘黙になってこれを克服した過程
✅克服してどうなったか
✅克服できた3つの要素

が分かります。

ご参考にしていただけると幸いです。



1.場面緘黙になって11年半!娘の葛藤の日々



相手との意思疎通は大事です。
「場面緘黙」の子はこれがやや困難です。
意思が伝わらないと、
→相手は見極める必要がある
→疲れる
→去る
→最終的にいつも独り


まさに娘がこれでした。
 
保育園の年少で突然喋れなくなり、
転居して幼稚園に転園してからも喋れず。
小学校入学。

入学式で娘が名前を呼ばれ、
勇気を振り絞って「はい」と返事した声は、
今も忘れていません。
脳裏にしっかり刻まれています。

少し期待したんですが、
その後、
クラスで喋ることは叶いませんでした。


休日はクラスメイトがいる可能性の高い所に
極力行きたくないとも言ってました。

クラスで発表の場などは、
筆談だったり、
代弁してもらったり、
クラスメイトにサポートしてもらいました。

幸い、優しい子達に恵まれ、
いじめを受けずにやってこれました。


そして、
中3の中盤まで喋れずに至りました。


高校選びは喋れることが第一優先で、
本命校は知った子が誰もいない遠い所。

携帯は持ってなくて
LINEに繋がる友達0、
もちろんリアル友達も0。


意思疎通が困難だから
こうなるのは必然ですよね。
 
でも本人は、
意思疎通できないもどかしさを
常に痛感している状況
でした。


そんな葛藤を、
中3時のクラス担任の先生は見逃さず、
娘が今から喋れるよう
働きかけてくれました。

中3の後半から、
働きかけの効果が徐々に出てきました。
次章で時系列に説明します。


2.スモールステップで喋り始める



①2023年9月



(小声ですが)ついに喋りました!!
しかも全員の前で!


喋ったのは委員決め連絡事項。

クラスの皆、声聞いて喜んだらしいです。

その日、先生より電話報告ありました。

そう仕向けてくれた先生、
協力してくれたクラスメイトに感謝!!


②2023年12月



娘の担任の先生、
今まで11年喋れなかった娘が
高校では喋るという決意を知って以来、
本人その気なら高校まで待てないと、
色々働きかけしてくれる。

研究発表みたいな場があり、
いつも代役任せなのに、
今回ちゃんと本人が発表。
先生と皆に感謝!


当時の娘曰く 、
「高校では喋る」
「喋らないとやりづらい」
「何とかやってけると思ってたけど甘かった」
「喋らなければ、
先生がこれだけ手厚いサポート
してくれたのに申し訳ないわ!」
先生の熱意、娘に届いていました!


③2024年2月



娘がまたクラス全員の前で喋りました。

しかも今度は小声じゃなく、
一番後ろに座ってみえた先生のところに
ちゃんと届く声
で。

先生から嬉しい電話報告をいただきました。
またある時は、
娘が下級生に“普通に”喋ってる姿も、
動画に収めていただきました。


④2024年3月



娘が本命の高校を受験。

試験開始前。

何と!

前の席の子に「頑張ろうね」と
“自分から”声掛けし、
仲良くなったらしい!


「私、コミュ力あるかも?」とのこと。
驚きのエピソード。


3.完全に克服



①中学校卒業式リハーサルにて



このように、
先生の上手な後押しと
クラスの皆のサポートに助けられ、
徐々に喋れるようになって、
2月には、
教室の後ろに座る先生まで
しっかり聞き取れる声を
出すこともできました。

先生もクラスメイトも
すごく喜んでくれました。


そして、
中学校卒業式のリハーサルで。

卒業証書授与の際に、
娘が名前を呼ばれ「はい」
しっかり返事したのを聞いた、
かつて中1〜2時分のクラスメイト達
はざわついたらしいです。


ある子は
「先生、私、この嬉しい気持ちを
どう伝えていいか分からない」
と言ってくれました。

先生から直でこの話を聞いた妻も
泣いてしまったとのことでした。

私もこの話を、
先生→妻を通して聞いて、
泣いてしまいました。


②中学校卒業式にて



そして娘の中学校卒業式です。

喋れなかった娘が
自力で喋れる後押しをしてくれた
先生にお会いでき、
感謝の気持ちを伝えました。

卒業証書授与では娘が
「はい」とはっきり返事しました!!


最後のクラス懇談会も、
すごく素敵でした。

先生の生徒達への愛が
垣間見えました。


親は教室の後ろ並んだんですが、
妻と私は廊下でこそっと見ようと潜んでたら、
先生に促され
教室の正面横のベストポジションに
並びました。

娘は見に来て欲しくないと
言ってましたが。

生徒達が皆に贈る言葉を
順に話す場がありました。

娘のスピーチ、
妻と私には聞かれたくないと思い
退出しようとしましたが、
先生に小声で「大丈夫だから」
引き留められ、
娘のスピーチも近くで
しっかり聞きました。

ハラハラしました。
娘の順番が来ました。

黒板の前に立ち、
クラス全員と保護者達のいる前で、
ちょっと緊張しながらも
(ほぼ全員、緊張してました)、
代弁者なしで“しっかりと”
スピーチしました!!


喋れない娘が、
自力でスピーチしました!!

ちゃんと聞きました!

妻も私も、
頭が真っ白になり娘が何喋ったのか、
全く憶えてませんが。


色々、胸に込み上げるものがある
卒業式でした。

私は初めて先生にお会いして、
感謝の気持ちを伝えられたんですが、
場が場なだけに慌ただしく、
改めてお礼に伺いたいと思いましたが、
4月にすごい偶然ですが
3歳下の息子の中1クラスの
担任の先生
になり、
すぐその願いは叶いました。


無事全て終わって、
そこからサクッと帰りましたが、
帰宅後は緊張気味の娘のテンションは
いつも通りでした。

こちらは👇
帰宅後に娘が披露したダンスです。


③高校合格発表にて



娘の受験した本命校は、
お陰様で合格でした。

自信なさげな娘の、
一つ自信に繋がったと思います。

そして何と!
掲示板からパッと走り出し、
どうしたと思えば、
受験日に声かけした子を速攻見つけ、
その子も合格で、
その場でLINE交換してました!!


この娘が!?

すごい!!


前述の通り、
娘は中学まで身内以外LINE登録0。

受験時“自分から”声かけした子が
LINE登録第1号!!


その時は名前も聞いてないけど、
友達になったらいいなと思ってて、
夢みたいでした。

ダブルでめでたかったです。

前月買った携帯が間に合って幸いでした。


④高校入学式にて



娘の高校入学式には、
私も時間を作って参加しました。

その日は雨でしたが、
入学式が始まる午後には
カラッと晴れました。


担任の先生等交えた
個別面談もしました
(娘の場面緘黙と克服の経緯は、
中学校の担任の先生が
わざわざ自ら高校に出向いて
説明済み)。

場面緘黙はもう大丈夫。

娘は一からスタートする意識満々!


そして、びっくり!!

娘が受験で声掛けして、
合格発表時に速攻LINE交換した子、
同じクラスでした!!!

娘の科は5クラスあったので、
同じクラスになれたのは
相当な幸運です。

その子は娘が自発的に関わりたいと思った、
初めての子。

高校の生活は中学と違い、
ある程度の自立を求められ大変ですが、
心強い友達と切磋琢磨して
着実に前進して欲しいです。


⑤現在


最初の1週間程は、
初LINE登録の子は
中学の子達と一緒にいることが多く、
娘、結構落ち込んでいました。

内輪ウケに近い
クラスの雰囲気に気後れも。


でも、
一人でいたら別のクラスメイトに
声掛けされた
らしいです。

その子が、
LINE登録第2号になりました!


その後は、
LINE登録第1号の子とも
徐々にLINEのやり取りも始まり、
第2号の子ともお喋りしたり、
順調に2人との交流を
深めているみたいです。


先日、
娘の誕生日には、
2人から祝ってもらって、
お菓子も貰ったらしく、
娘、すご〜く嬉しかったみたい!


中学まで、
誰からも祝ってもらったことないので
尚更でした。

しばらくの間続いた、
娘のはしゃぎぶりが
微笑ましかったです。


4.まとめ~場面緘黙克服、そして今後について


11年半苦しんだ場面緘黙を
わずか半年程で完全に克服した娘。

最終的に場面緘黙に勝つには
何が必要なのか?


<パート3>でお伝えしたことと
重複しますが、
うちの娘の場合は、

●環境
(先生と協力的なクラスメイトの存在)
●タイミング
(中学→高校に進学)
●本人の克服したいという強い気持ち
(喋れないこと
意思疎通できないことのジレンマ)

 

この3つの要素が
うまく作用した結果だったと
思っています。

結局、<パート3・克服編>でお伝えしたこと
そのまんまです!!


ようやく
LINE交換したクラスメイト2人と
会話ができるようになった段階なので、
3人以上の子との会話のラリーは、
まだ苦手です。

相手の話についてけない部分が
あるみたいです。

一応、筆談でも代弁でもなく
ちゃんと自分の口で発言は
できてるみたいです。


これからも焦らずスモールステップで
前進していって欲しいです。


娘は中学を卒業して
まだ1ヶ月程度ですが、
飛躍的な成長を遂げたことで、
今までより自分に自信を
つけつつあります。


以上となります。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。



何か気になる点、
ご不明点がございましたら、
お気軽にメッセージを送ってください。

読んでいただいた感想も大歓迎です。

引き続き、よろしくお願いいたします。


とも

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