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アフリカで最強の中国。だけど「私は日本人だ!」と言いたいワケ

マンボ!

タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。

タンザニアでは、あちこちで「中国人!」「ニーハオ!」と声をかけられ、中国人に間違われます。

こんなにほぼ毎日「おい中国人!」とぶしつけに言われることはなかったので、今もなかなか慣れずあまり良い気はしません。スワヒリ語で私が最初に習った言葉も「私は中国人じゃない!(シ・ムチナ!)」

どうして、タンザニアで私は「中国人!」と、普段は礼儀正しいタンザニアの人たちに言われてしまうのか、それはアフリカやタンザニアでの中国の大きな大きな存在感が関係しているのではないかと感じます。

今日は、そんな「アフリカで最強の中国」だけど、その中国人には間違われたくないと思ってしまう理由をこっそりご紹介。


中国の存在感

タンザニアに来る前から「アフリカでは、中国人が大量の労働者を中国から引き連れてビジネスをしている」と聞いていたので、そこまで驚きはしませんでした。それでも、日々、中国の大きな存在感をビシバシと感じます。

例えば、数年前に地元にできた新しい橋、これは韓国企業が投資していますが、地元の人は「チャイナブリッジ」と呼びます。「大きなインフラ投資といえば中国」というイメージが強いようです。

後ろに見える立派なのが「チャイナブリッジ」

タンザニアにはインドからの移民が多く、インドの文化も深く根づいています。例えば、レストランに行きメニューを開くと、だいたいインド料理のページがあります。そしてその横には中華料理のメニューも。アジア飯が食べたくなる私にはありがたいことですが、中国ってすごい…と思わざるおえません。

町を歩いていると、あちこちで、中国語が目に付きます。中国の企業とアフリカの企業の合弁会社の工場がたっていて中国の国旗がなびいていたり、中国人がたくさん住んでいるアパート前は中国語の文字とともにちょうちんが飾られています。そのアパートの前にある、フレンチスクールには、もちろん中国人の生徒が多いそうです。

町の人のうわさで聞いた話によれば、アフリカで初の中国の軍事施設がタンザニアの港町にできるらしい、なんていうひそひそ話も。これがどこまで事実かわかりませんが、(実際にその町に偵察に行ったけれど、みつからなかった)数年後に、中国の軍事施設ができていた!となっても、おかしくない気はします。

町の風景

先日、アフリカの別の国、ナミビアに行った時には、借りたレンタカーが中国ブランドでした。見たこともないロゴにびっくりし、車の不都合はいろいろとありましたが、初の中国車でのアフリカ旅は貴重な体験でした。

ナミビア旅行で乗った中国車

こんな風に、アフリカでの生活は中国がとても身近。だから、タンザニアの人がアジア人の私を見て「中国人!」と言いたくなるのもわからなくもありません。

タンザニア人は中国人をどう見ているか

こんなにあちこちで中国人と言われるから、じゃあ、タンザニアの人は中国人をどう見ているのか、聞いてみました。

まずは、やはり「お金持ち」のイメージ。ビジネスをして、安い中国製品をアフリカで売りまくって大儲けしている、お金があるに違いない、というわかりやすいイメージですね。

あとは、何世代も前からタンザニアに住んでいる中国人も多いのに、スワヒリ語をしゃべってタンザニア人と同化しているインド移民たちとは異なり、「中国語だけしゃべり、中国人だけで集まって生活している孤立した人達、交わらない人達」と見えて、距離があると感じるそうです。

タンザニアの中華スーパー

タンザニアの砂浜ではよく海苔をかき集めている人を見かけます。この海苔は誰が買うのか聞くと「中国人に決まってる」と友達。海苔を1キロ集めても、500シル(30円ほど)にしかならないけれど、これを中国人が高く販売してうまくビジネスにしている、中国人が我々を搾取しているという構図ができあがっています。

「日本人」の私が聞いたから、「日本人と違って、中国人はね…」と答えるのかもしれませんが、タンザニア人が感じる中国人への嫌悪感というかライバル意識のようなものを感じてしまいます。そしてこういう中国人のイメージを聞くとますます「私は中国人じゃない!」と言いたくなってしまうのです。

日本人の私から見ても最強の中国人

先日、タンザニアに住む中国人一家のおうちに遊びに行かせてもらいました。その奥さんは、子供のアメリカの市民権を得るために、去年までアメリカに滞在して出産を済ませて新生児とタンザニアに戻ってきたというツワモノ。

中国人の旦那さんは、中国企業のタンザニア支部で働いていますが、ランチの様子に私はびっくり。会社で雇っている中国人シェフが、ランチを帯同の中国人家族のおうちに毎日配達してくれるので、朝から晩まで中華料理を食べて快適に過ごしているそうです。

これを聞いて、私がアメリカで仕事をしていた時に仲良くしていた中国人記者のことを思い出しました。彼女は中国の国営メディアで働いていましたが、その社員全員が、アメリカでアパートを貸し切って一緒に住み、中国人シェフが作るご飯を朝と夜は食堂で食べていました。学生寮のよう…。

世界中にいる中国人は、こうやって食事に不便しないシステムを整えているのですね。

まとめ

いまだに「中国人」と言われると「ちがう!」と自然反応してしまう私ですが、4歳の息子は一枚うわて。「おい、中国から来たのか」と道で言われると「僕はタンザニア人だい!」ときり返し、タンザニア人の人たちに一目おかれかわいがられてています。そうか、こういう切り返しがいいのだな、と母は学びました。

中国人と間違われたくないと思ってしまう私ですが、アフリカでの中国の存在感や、彼らの生き方には、日本人も学ぶところがたくさんあるとも感じます。

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