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カンボジアのゴミ問題について


〇ゴミ問題について


 カンボジアでは、ここ数年近代化が急激に進んでおり、都市部での人口増加に伴った廃棄物問題は深刻な状況である。 道路に捨てられたゴミは、大量のハエや蚊が発生しているだけでなく、大雨が降るとこれらのゴミは道路に流れ出て、排水溝を詰らせ町は水浸しになる。

〇現状
  

 都市の中心部は、ごみ収集や清掃が行き届き、整然としています。
しかし急激な経済成長と人口増加で、プラスチックを含めたごみの量は近年急激に増加、大きな社会問題になっています。
 カンボジアで、プラスチックが使用され始めたのはおよそ25年前。今では、日常生活に欠かせないものになっています。首都のプノンペンでは毎日、ビニール袋がおよそ1,000万枚消費されていると言います。市街地のごみの量も急激に増加。2004年に比べ、2017年には、5倍以上の年間150万トン以上に達しています。

〇プノンペンのゴミ組性

分類 埋め立てられる非分別の廃棄物
有機性廃棄物(生ごみ) 72.8%
剪定枝・芝刈り屑 0%
木質系廃棄物 0.4%
プラスチック 12.2%
紙類 4.1%
ガラス類 1.8%
鉄類 0.1%
アルミニューム 0%
布類 1.9%
有害物(バッテリー等) 0%
その他 6.8%

 有機性廃棄物が多く占めていることが分かります。生ごみは、日本では肥料化施設に運ばれ肥料に変えられます。それをカンボジアで行うとゴミ問題は少し変わるのではないかと思います。


〇ゴミ山


 プノンペンの市街地では、毎日2500トン以上のごみが排出され、その内の8割がごみ収集業者によって運搬され、処理されないままごみ埋立地に処分されています。プノンペンなどの主要都市のごみ埋立地は、ごみが山積みになっていて、数年中に、埋立地の許容量を超えると懸念されています。

 ゴミ山には住んでいる人たちがいます。なぜ住んでいるかというと、ゴミ山で働くか、街に出稼ぎに行くかの2択しかなく、ゴミ山の方がお金を稼げるからです。しかし有害物質などの危険なことがたくさんあります。ゴミ山をなくしてしまうと、働くことが無くなってしまいます。

 埋め立て地の環境汚染が進んでいます。ゴミの飛散、ハエ、カの繁殖、悪臭等の発生が一般的にみられます。また、埋立地 から発生した浸出水によって地下水や表流水が汚染することもあります。乾期と雨期がはっきりしている地域で は乾期には必ずといって良いほどごみ山で火災が起こり周辺大気を汚染します。また、締め堅めが不十分なごみ 山が崩壊し、スキャベンジャーや埋立地作業員が死亡した例も報告されています。
・医療廃棄物と一般のごみが一緒に収集されて埋め立てられることが多い ので、排出から処分までの様々な段階で、それらを扱う作業員や一般市民の間に医療廃棄物が原因で感染症が発症するリスクが非常に高くなります。

〇焼却炉


 ・焼却施設が充実していないことが課題にあげられます。

・原因
 様々な原因があるとされていてその一つとして、ゴミの分別が徹底されていないことです。カンボジア人はゴミを捨てるときに分別を行うという習慣が無い。一般的な家庭ではペットボトル、家庭ゴミ、燃えないゴミ及び燃えるゴミなどを全てまとめて廃棄する。そして廃棄時もゴミ袋を適切に結ばないため、散らばってしまいます。

 別の原因として、マナーの問題がある。ゴミをゴミ箱に捨てず、たとえ道にゴミ箱が 設置されていたとしても、適当にゴミを廃棄する人が多い。また多くのカンボジア人はゴミ問題に対して興味を持っていないため、政府の忠告があっても改善が見られない。そしてゴミのリサイクル活動が十分でないことから、廃棄されるゴミの量を減らすことが出来ないのである。

 ゴミ収集サービスが十分ではないとされています。都会では、ゴミ収集車が活動しているが、不定期で回収しています。不定期なので、雨が降ると流され、散乱してしまうという問題があります。また、サービスが行き届かない場所もあることが考えられます。

〇解決策


 カンボジア政府はこれまで様々な対策を取ってきたが、現状ではその成果は見られない。ゴミ問題は、自然減ではなく、 ごみの発生を抑制するための積極的な施策や対策が導入されなければ何も変わらないと考えます。しかし経験や技術、人材や資金等が乏しく、かつ一般住民の環境問題に対する意識もそれほど高くはない開発途上国ではなおさらで、独自に解決できる問題には限度があります。したがって、国際機関や援助国からの協力や支援を得てごみ問題の解決に向けた取り組みを行う必要があります。
そのため、専門家の派遣、廃棄物行政担当者を対象とした日本での研修や現地でのセミナーやワークショップの開催、国や自治体の中長期の廃棄 物処理計画の策定・支援等、主に人材育成や組織の能力向上を目指した制作が大事だと考えます。

〇まとめ


 ごみ問題は大量生産・消費・廃棄社会が生み出した社会問題の典型的な例だといわれています。経済発展を優先的に目指す途上国が多い中で、先進国が経験したのと同じ轍を踏むことのないように、あるいは問題が少しでも軽微に済むように、アドバイスや協力事業等を通じて途上国を導く必要があります。SDGsでは2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。というターゲットがあるように世界中が、ゴミ問題に対して積極的に改善していく必要があると思います。

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