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未来派カゾク農園さん

未来派カゾク農園さん

壱岐島でオーガニック農園に挑戦している、松本夫妻。

津ノ上山という、小さな山の裾野に農園と、フィールドがある。

壱岐島をオーガニックの島に。を掲げているおふたり。

壱岐島は、
○耕作放棄地の多いこと(耕作放棄地は、一定期間手を入れられていないことによって、農薬や化学肥料が土壌から浄化されている)
○獣害がないこと。(食害される心配や、糞による土壌の性質の傾きが少ない)
○ミネラルを含んだ有機物が多く廃棄されていることなど。(廃棄物を有益なものとして土に混ぜ、循環させる。sdgsの目線でも期待される部分)
○起伏が少なく、平地が多い。
○ミネラルを含んだ風が野菜をおいしくしてくれる。
事など。

料理人の目線でみて、
地方には、色々な特色や魅力ある土壌があるが、全国的にみて、壱岐島は農業にむいている土地と思える。

おくさんの幸子さんは、ちゃきちゃきしたいきっ娘。
たべものが自分を(ひいてはひとを)つくっていくことを、真摯に考えている方だ。
太陽が作り出しているキセキをよくわかっている人だと思う。
(和文さんを怒っているときはちょっぴりこわい笑笑)

ご主人の和文さんも壱岐の出身で、美容師の腕は一流。
(ただめっちゃ抜けててバカと偉大な人は紙一重だなあ笑といつもおもいます笑)
美容師と、農業??と、思われるかたも少なくない。角ゆうわたしもなぜ?
いけるのか、、?だった。

未来派カゾク農園さんにかよっていて、とにかく和文さんは、美容師の仕事をしている時間以外は、フィールドでずっっとうごいている。
天然っぽいのだが、土のことや野菜の生育について聞くとめっちゃ答えを返してくれる。
わからない時は、わからん!て笑 言ってくれます。
なんで、オーガニックの島に。ておもったんですか?
と聞いた時は、『あ~、、だって使ってない有機物めっちゃあるやん。島に。もったいないけんね~」

といわれた。このあ~、、が、なんとも和文さんらしかった。
和文さんはもったいない精神のかたまりで、奥さんに言わせればケチ笑)

未来派さんは、種もオーガニックにこだわっている。
植物の種は通常、親から子へ孫へと代々つながれていく力がある。いま、主流になって販売されている種は、F1種といって、たね一粒につき、一代だけ安定した収穫に特化している、いのちがつながれていく仕組みを持たない、種の保存目的を持たされていない種。
(収穫量安定優先の裏には色々な想いが夢があること、単純に否定したいわけではないです)

未来派さんでおいしい野菜に出会うとなんでこんなに美味しくなったのか雑談していく中で、「種がいいからかな?」といわれる。
できた野菜の種を土に蒔けば、つぎにつながる力を蓄えている種。
実際、種を繋ぎ続けるのはかなり根気や知恵や技術を要するらしい。
けれど、風土に根ざした野菜にロマンを感じる人は少なくない気がする。

オーガニックの種にこだわり、無肥料、無農薬栽培で栽培。
とにかく土の中の菌を増やすこと、土の中で有機物を発酵させ、ゆたかな土壌をつくりだすということに力を入れている。(菌ちゃんファームさんをリスペクトされています。)

草刈りした多種多様な雑草や、壱岐産牡蠣の牡蠣殻、雲丹殻、真珠貝の殻、壱岐島のクラフトビールのブリュワリーから出される絞った後の麦芽や、ピザ窯や焚き火から出た木灰、壱岐島に多い竹の粉末。Em菌発酵させた米糠などの多様な有機物を畑にまいている。
壱岐島に使われずに廃棄されている有機物。
それを循環させてつくる壱岐島ならではの風味がいきた野菜。


風土に在るもの、根付いていく可能性を秘めたものが今、もっとも今、地方に地域に大切なのではないだろうか、、

あらゆる農業のあり方、技術、時には正義が語られ、難しく感じることがあるけれど。
一代だけで、次にいのちをつなげない種。
虫や菌がいなくなった土で育った野菜より。
かたちがそろっていなくても。 見た目が綺麗でなくてもいいんじゃないか。
という思いは捨てきれずに、どちらかだけ。というのはずっと選べずにいた。
これからも考えつづけていく。
自分自身、現在主流の慣行農業(化学肥料や農薬に頼った農業)から生み出される野菜の恩恵に預かっている。(壱岐島の野菜は全体美味しい)
自分の中ではどちらが善いとか悪いとかでもない。
けれど、未来派カゾク農園で育った野菜を食べた実感として、ただ、今まで食べてきた野菜の中でも美味しいという素直な感動があった。
まな板にのせて切り出す時に、圧倒的な生き物感にひと呼吸つく。
色々な場所で野菜を食べてきたけれど、わたしの美味しかった野菜体験に常に上位に入ってくる。香りや、ぐっと強く焼いたときに出てくる風味や味わいの力強さにに驚かされる。

未来派さんの野菜は美味しいという確かな確信を経たのは、食に通じている人に食べてもらったときに確かにつうじるものがあった。
「壱岐島は野菜が美味しいんですね」
その時使った野菜の9割は、未来派さんの野菜だ。
わたしは心から確信した。

ふたりの夢を応援しようと。

料理人としては、食材が土にうわっている状態や、香りや、色や、手触り、花が咲いて、種ができることや、摘みたての葉や花を綺麗だなという感動のままに、届けられることは、ただ喜びだ。

農園には、料理することへの喜びがある。
未来派カゾク農園さんが在ることで、表現できるものや伝えられるものが広く広がっていく。
土の匂いを嗅ぎながら、野菜のはしっこをパクっといただく。インスピレーション、クリエイションを刺激してくれる豊かな場所。

命の湧き上がる場所、そんな場所から届けられる野菜を食べて自分を、未来をつくっていきたい。
とわたしも夢見ている。

#オーガニック野菜
#土 #農業#壱岐島
photo by
中村由布

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