東京から築50年の田舎の一軒家にお引越し。移住後の暮らしについて語ります。
こんにちは。tommy(トミー)です。普段は起業家ママtommyと名乗っておりますが、本名は松坂智美と申します。
現在は夫の仕事の都合で移住した限界集落・人口4900人の徳島県神山町に在住。大自然の中にある一軒家で3歳と6歳の女の子を育てながら「ママ起業家」として活動をしています。
前回のnoteでは移住後の家族の変化についてお話しましたが、今回は「築50年の一軒家に移住後の住まいの変化」についてお話したいと思います。
私が今住んでいるのは築50年のお家。皆さん田舎に住んでいると言うと古民家のイメージをされる方が多くいらっしゃるんですが……実はお洒落な古民家ではなくシンプルに“古い家”なんです(オシャレとは程遠い感じ!)
「築50年の古い一軒家」との出会い
この家には家主のおじいちゃんとおばあちゃんが長い間住んでいました。
彼らの息子さんは今でも家の敷地内にある畑で農作業をしていらっしゃいますが、独立され普段は市内の別の場所に住んでいるため、お二人がお亡くなりになってからは空き家になっていたんです。
そんな息子さんから大切な思い出が残るおじいちゃんおばあちゃんのお家をご紹介いただきました。それがこの家との出会いです。
不動産業が存在しない町
神山町には不動産業が存在しないんです。不動産業は需要と供給があってこそ成り立ちますが、そもそも神山町では需要も供給も少ないため不動産事業が生まれようがありません。
では、どうやって探したらいいの?
もしあなたが神山町で家を探したいと思ったらNPOや役場で物件の紹介を受けて、地元の方のアドバイスを参考にして決めるのが一番の方法です。
NPOや役場の担当者が移住者に個別で家探しのお手伝いをしてくれます。とても親切に対応をしてくれるのですが、都心のように一緒に間取りを見て見学に行くことはないんですよ。
「物件を見ずに決めるのか」と思いましたが、とはいえ、神山町ではそこまで選択肢があるわけではないので、ある程度の良い物件があったらほぼそこで決まりという感じです。
こういった内情は外からは見えづらいので、実際に移住を決意したからこそわかる新しい発見でしたね。
「築50年の古い一軒家」って実際のところどうなの?
築50年の古い一軒家と聞いてどんなイメージをされますか?
なんとなく想像はできても、実際に住むとなると細かなところまで確認しなければならないので難しい。私も最初はどんな状態なのか全くわかりませんでした。
お家を紹介してくれた方からは神山町の他の空き家に比べたら状態は良い方だと聞いていましたが、実際はかなり古くなっていました。
床が落ちるような危険性はありませんが、かなりくたびれている印象だったのは覚えています。
もちろん水回りは昔ながらの仕様なのでコンロは古く追い焚きなどの機能もありません。そこでキッチンやお風呂、トイレといった水回りとリビングのリフォームをすることにしました。
町の助成金に加えて自分たちの持ち出しとして、だいたい400万円くらいの費用をかけてリフォームをお願いしました。
リフォームの全容をご紹介!
大家さんからリフォームの許可をいただいたので3つの部屋を打ち抜きリビングを広くとり、家族でくつろげるゆったりとした空間を確保。
さらに、水回りや窓、畳といった生活の質と衛生面に直結する部分をリニューアルし、築50年でも住める快適さを整えました。
それでもこだわったのは変えすぎないこと。リビングの床には神山町の杉板を使ってもらい、天井の梁や昔ながらの家具などの古いお家ならではの魅力は残しました。
これにより、古い家の良さが引き立ち、温かみが感じられる家になったと思います。
この家にもともとあった家具も有り難く使わせていただいています。例えば、靴箱や和室に置くタイプのテーブルなど東京の家では持っていなかったテイストの家具をいただき、新しい暮らしに活かしています。
それでも気になることがありまして・・・
間取りや機能はリニューアルして完璧と思ったのですが、1点だけどうしても気になる点があります。
それは“気密性”です。やはり古い家なのでどうしても気密性は下がってしまうんですよね。なので冬は寒い。
夏はこれから移住後初めての夏を迎えるので、まだどうなるかわかりません。ただ、夏は風通しが良くわりと涼しいのかなと予想はしています。
……が、冬は寒い。とにかく寒いです。そして、気密性が低いということは至る所に隙間があるので虫も入ってきます!!
ものすごい肉厚のムカデが台所でパタパタしているんですよ。それにゴキブリも出ます。もちろん。なのでゴキブリ退治のスプレーを1階2階両方に常備し日々戦っています。
東京にいた頃はクモと蚊ぐらいしか家では遭遇しなかったので、やっぱり田舎は規模が違うと実感しています。田舎暮らしは精神面も鍛えてくれますね。
そしてなんといっても、今の時期の主役はカエル!
家の庭を歩くとカエルがぴょんと飛ぶんです。これには毎回驚いてしまいます。思いもよらない所から出てくるので蹴ってしまいそうになるし、子どもを車から乗り降りさせる時にもドアからカエルが入ってしまうのでちょっと困ってしまいますね。
ここでは夜に雨が降るとカエルの大合唱が辺り一帯に響くんですよ。「かえるのうた」ってありますけど的を得ていると思いますね。神山町での生活を始めてからカエルって本当に歌を歌っているんだと気づきました。
田舎暮らしの素晴らしさ
東京で仕事をしながら夫と子どもと暮らす生活は嫌いではありませんでした。正直に言うと、ここでの生活は東京と比べると不便ではあります。
それでもいまの生活はとても気に入っています。
現時点では
・虫と戦う
・神山町にはスーパーがないので片道30分の道を車で飛ばし隣町に行かないと買い物ができない
といった田舎暮らしならではの不便さはありますが、それ以上に素晴らしい点もたくさんあります。
先日もお隣さんから畑の恵みをいただいたんです。じゃがいもや玉ねぎをどっさりいただきましたし旬のズッキーニもいただきました。こういった、いただきもの野菜をどのように調理しようかと逆算して献立を考えるのも楽しいですね。
草刈りのような田舎暮らし活動も新鮮ですし、昨日もイチゴ狩りに行ってきたのでおばあちゃんに野菜のお礼を込めてお裾分けに行きました。
そこで立ち話に花が咲くときもあります。ご近所さんも私たちを温かく迎えてくださったので、いま私は30代半ばですがここで子ども達と主人と一緒にのんびり暮らせるのがとても楽しいと感じています。
400万円のリフォーム費用は高い?
移住にあたって一番かかった費用はもちろんリフォーム代です。むしろリフォーム以外の出費はほぼ必要なかったので、400万円くらいの費用なら許容範囲だと考えました。
初期費用として多く必要にはなるけれど、毎月の家賃として考えればオッケーだよねという感じです。
この家の家賃は毎月3万円となりますが、東京の物価と比べるとかなり安く感じます。田舎では家賃はかなり下がりますし、保育料がかからないケースもあります。
万が一、東京で働くよりも稼ぎが下がる可能性があっても全体的な生活コストが下がることで家計への負担も抑えられるのではないでしょうか。
田舎町へ移住したいと思ったら・・・
色んな田舎町に住む選択肢があると思いますが、子どもの保育所の料金が0歳から無料になる自治体もあります。いま地方自治体は移住者を呼び込もうと頑張っており、移住者に魅力的なオファーもあります。
ただ、これは自治体によってかなり違うので事前に移住先の自治体に確認するのをおすすめします。
「田舎と都会」どちらにもメリットデメリットがありますが、田舎に住むからこそ得られるメリットは本当にたくさんあります。都心で長く生活していた私でも気に入る朗らかな田舎暮らし。
のんびりと心温まる暮らしを田舎で手に入れてみませんか?
「あなたはあなたのままで素晴らしい」
tommy
このnoteはstand. fmでの音声をもとに書きました。同じ内容を音声でもお聴きいただけます。
Tommy's News!
いま、徳島県にて「ママ夢ラジオ」というラジオ放送をスタートさせるプロジェクトに参加しています。
様々な活動を通して社会に良い影響を与えられる人材になりたいと思っていますので応援よろしくお願いいたします。
こういった活動に「いいね」と思ってくださる方はぜひnoteをフォローしていただけたら大変嬉しく思います。
また、
・限界集落でのママ起業家生活
・ママの活躍支援
・自分史
などについての取材もお受けしております。
ご質問等がございましたらお問い合わせをお願いいたします。
<取材のお問い合わせはこちらから>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?