沖縄のとある離島で七夕に。
私の家族は沖縄が好きだ。よく行く。
最近は本島ではなく離島にもよく行くようになった。これはいまから7~8年前の七夕の日の夜の話だ。
その離島のホテルにはプライベートビーチがあった。プライベートビーチにはウミガメもいるくらい、とてもきれいな海で、わたしたち家族はMyシュノーケルを持って、日中海で遊び倒した。その日は七夕だったので、夜ごはんをいただいたあと、天の川を観察しようということでプライベートビーチに出た。
夜の海は暗くて、ホテルの目の前のビーチはホテル前に1本だけ立っている街灯に照らされていて明るいが、その街灯から少し右にずれてしまうと真っ暗になる。ホテルの目の前は街灯の灯りが邪魔するので、暗い方に行こうということになり、私たちや他のお客様も足元を照らすためスマホの灯りを頼りに暗い方へと歩いていった。
ビーチの右側にはダイビング用の船が止まっていた。ボートは白くて闇夜でもはっきり見ることができた。暗くて人の姿もよくわからないが、船のあたりに人影が見えた。彼らは船に乗り込んで行った。2~3名の人たち。
ナイトダイビングでもやるのかな?
私はそう思って大して気にせずに、天の川を見ていた。母親は老眼だからかよくわからないが、天の川がみえないとブーブー文句を言っていた。
しばらくして、あのナイトダイビングの人たちは出発しないのかな?と思って、家族に
「さっきさ、そっちに何人かの人がいて、その船に乗ったけど、ダイビングに出発しないんだよね」
母親が不思議そうに
「こんなに暗いのに、見えたの?人が?」
そういわれてみて、ふと思い返すと、私がみた人は人というようり影のような感じ。よく子供がお絵かきするときの棒人間のようなシルエットだった。
「え、でもその浜辺からボートに、、、」
ふと見まわしてみると、私たち家族以外にも何人か家族や夫婦などがいたのだが、砂浜はぼこぼこしていて足を取られることもあって、みんなスマホのライトを手にしている。それくらい暗いので、ライトなしで人がぷかぷか浮いている船に乗り込むなんて不可能だ。
「そうだよね。あれ~」
私は何をみていたかよくわからなかった。
東京に帰ってきて、その離島について調べてみたところ、戦争のときには大変悲しいことがあった場所だと知った。そのときに亡くなった人たちが、最新のダイビング用の船で遊んでいたんだろうなと思った。ご冥福をお祈りしたい。怖いと感じなかったので、人だと思っていたって話。
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