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都民ファの代表質問解説①ー安心安全編・ダイバーシティ&インクルージョン編

東京都議会で、第3回定例本会議の代表質問があり、各会派が質問しました。都民ファーストの会からは、森村隆行団長が質疑に立ち、厳選した40問を小池百合子都知事と東京都に対して行いました。内容をご報告します!



2023.9.26 都民ファーストの会 東京都議団 団長 森村 隆行

 平成の30年間、わが国の政治、経済、社会は停滞してきました。この間、世界では様々なイノベーションが生まれ、かつて途上国と言われた国々が、人口と内需を拡大させながら、競争力を高めてきました。このような中、わが国最大の資源である「ヒト」が集積し、国際競争に日々向き合う東京が、日本を牽引しなければなりません。 都民ファーストの会は、東京の活力をいかし、伸ばし、ポテンシャルを開花させるために必要な仕事をします。新たな価値を創造する起業家、学識経験者や各分野の専門家、様々な現場で課題に直面する都民の声に耳を澄ませながら、多様な「ヒト」が活躍する社会の実現に向け、課題解決策と未来への投資を提言します。 動き始めたポストコロナの社会において、改めて東京の本質的な課題に向き合うことをお誓いし、質問に入ります。

☘️都民の安全安心を守る取り組み☘️

🟢【東京グリーンビズ】 グリーンインフラによるまちづくりについて🌳 

小池百合子知事は、「未来の東京戦略」で「水と緑溢れる東京戦略」を掲げ、水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京の実現に取り組まれてきました。都心3区における緑被率が増加するなど着実な進展が見られます。加えて、私たちが提案してきた、緑や自然のもつ機能を街づくりに活かす「グリーンインフラ」の導入が「東京グリーンビズ」に掲げられ、来年度予算の重点方針として盛り込まれたことを高く評価します。

グリーンインフラとは
自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方で、昨今、海外を中心に取組が進められ、我が国でもその概念が導入されつつあるほか、国際的にも関係する様々な議論が見られるところです。

環境省
東京グリーンビズ内で示された「グリーンインフラ」の導入について

 「グリーンインフラの導入」には、都有施設における率先的な導入や、複数の(東京都の)局が連携して取り組めるよう、高台や低地、区部、多摩、島しょなど、エリアごとのモデル事業も効果的と考えます。また、ひろく都民への啓発や、造園や土木建築などの分野における人材育成も重要です。さらには、民間の大規模開発においてグリーンインフラが適切に導入されるよう、海外の事例を参考に、(グリーンインフラの)ガイドライン策定や認証制度などの枠組みを設けることも重要です。

(問1)「
東京グリーンビズ」のもと、グリーンインフラについて議論を進め、今後、 都市づくりにおいて積極的に導入していくべきですが、知事の見解を伺います。

<小池百合子都知事答弁>
気候危機による自然災害の激甚化が進む中、都市において緑が果たす役割は重要。 憩いや潤いを与えるだけでなく、保水能力など自然が有する力を都市の安全安心へつなげていくことが必要。このため、新たなプロジェクト「東京グリーンビズ」を立ち上げた。
緑を「まもる」 「増やし、つなぐ」「活かす」ことで、緑と生きるまちづくりを進めていく。 その柱の一つである「グリーンインフラ」は、自然環境が有する多様な機能を活用するものであり、都市緑化、雨水の貯留浸透、生物の生息環境の創出等にもつながることから、 都として積極的に導入していく。 さらに、「区市町村」や「民間事業者」による(グリーンインフラの)導入も促進するなど、取組の輪を拡大し、緑あふれる持続可能な東京を創り上げていく。

🟢弾道ミサイル等から避難するシェルターの確保

 北朝鮮による弾道ミサイル発射の報が相次いでいます。都が、民間事業者の協力を得ながら、急ピッチで避難場所(※)の指定に取り組んでいることを評価します。

(※)緊急一時避難施設
ミサイル攻撃等の爆風などから直接の被害を軽減するための一時的(1~2時間程度)な避難施設であり、既存のコンクリート造り等の堅ろうな建築物や地下施設(地下街、地下駅舎、地下道等)を想定しています。
緊急一時避難施設リスト
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/382/list.pdf

 先般、知事はロシアと国境を接するフィンランドの避難施設を視察されましたが、こうした先行事例が今後の都の取り組みに反映されることを期待します。有事において関係機関がスムーズに連携できるよう、今後は訓練の実施など、ソフト面での取り組みも必要です。
(問2) 避難施設の確保というハード面、そして関係機関との連携というソフト面の両面 から、ミサイル攻撃への備えを進めるべきですが、見解を伺います。

<総務局長答弁>
都民の生命や身体を守るためには、避難施設の確保に加え、関係機関等と連携し、避難者の安全を確保することが重要。 都は「緊急一時避難施設」の指定とともに施設の安全性を高めるための技術的調査を実施 。 また、本年七月に図上訓練を実施し、関係機関等との手順を確認。 今年度中に緊急一時避難施設を初めて活用した住民避難の実動訓練を実施し関係機関等と避難誘導の連携要領などを検証
今後、調査結果やヘルシンキ市の事例も参考に東京の特性に合ったハード・ソフト両面 の取組を推進し、都民の安全・安心を確保。

東京は「100年に一度」と言われる大規模な再開発の只中にあります。この機会をとらえて避難施設の確保を行うなど更なる取り組みを求めます。

🟢災害時のペット同伴避難🐕🐈

 災害発生時には、ペットを同伴して避難するための環境整備も重要です。ペット同伴避難のためには、キャリーバックやケージに慣れさせるなど、基本的なしつけを行うことに加え、動物が苦手な方やアレルギーのある避難者への配慮など、避難所毎の環境を踏まえた受入れ体制が求められます。

 東京都獣医師会では、「ペット防災Book」を発行し、啓発を行っており、受入れのためのスターターキットなども提言しています。すべての避難者に関わる課題として、都の取組強化を求めます。

(問3)都の総合防災訓練や区市町村の防災訓練などに、ペット防災の観点からの取組を進めるべきと考えます。その際、東京都獣医師会との連携をすすめ、地域の市民団体の活動も支援するなど、総合的な取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

<保健医療局長答弁>
都は、災害時に飼い主と動物の安全を確保するため、避難所を設置する区市町村に対し 地域防災計画に動物救護対策を位置付けるよう働きかけ、現在 60 の区市町村が計画に記載している。また、避難所の管理運営体制の整備等を盛り込んだマニュアルを作成し、提供するほか、避難所で必要となるケージや応急処置用品の備蓄等に要する経費を包括補助で支援している。
今後、区市町村の防災と動物行政双方の担当者に、関係団体やボランティア等と連携し た取組の好事例等について情報提供を行うなど、災害時の動物救護対策に一層取り組んで いく。

🟢JR中央線のホームドア設置推進🚃

 鉄道の安全対策について伺います。JR中央線では、人身事故で電車が1時間以上ストップすることが珍しくありません。ホーム上の事故を防ぐには、ホームドア整備が有効であります。都は私たちの提案を受け2018年、利用者10万人未満の駅にも補助を拡大、それまで進んでこなかった多摩地域の駅が整備対象になりました。

先般、(民間の)鉄道各社は、ホームドアなどの整備を目的とし、多くの路線で値上げを実施しましたが、これを機に取り組みを加速せねばなりません。6月に各社から整備に向けた資料が発表されましたが、残念ながら具体的なロードマップが示されているとは言えません。ターミナル駅にも関わらず未だ整備されていない新宿駅、ホーム上に段差のある御茶ノ水駅、盲学校が近くにある西八王子駅など、視覚障害者団体からも早期整備を求める声が届いています

(問4)運賃値上げによる利用者負担と補助継続による公費負担と、財源を都民が負担している中で、多摩地域において特に遅れている中央線などのホームドア整備が加速するよ う、JR などと具体的な工程を定め、早期整備につなげるべきですが、見解を伺います。

< 都市整備局長>
ホームドア整備の促進には、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠。 都は更なる整備の加速を図るため、補助継続とあわせ事業者に整備計画の充実を求めてきた。

JR からは、多摩地域も含めて路線単位で 96 駅を追加した計画が提出された。中央快速線では、 令和 6 年度末のグリーン車導入に必要な駅改良工事を行っており、ホームドアは令和 13 年度末までに整備していくことが示されている。 鉄道事業者に対し、整備計画の前倒しに加え、新たに駅ごとの進捗状況の明示を求める など、ホームドアの早期整備を働きかけていく。

🟢有機フッ素化合物PFASの地下水調査

 有機フッ素化合物・PFASについて、先の定例会(6月の東京都議会第2回定例本会議)の私たちの代表質問に対し、都は、都内全域の地下水の水質調査を前倒しで実施し、暫定指針値を超過した井戸水の飲用を控える取組を徹底するとの方針を示しました。

 その後、横田基地におけるPFOSを含有する泡消火薬剤の漏出について、都や自治体への報告が何年も遅れていたという事実が明らかになりました。基地周辺のみならず、広く多摩地域の住民の方々の心配の声が高まっています。

 泡消火薬剤の漏出による地下水への影響の分析・評価や、健康影響の科学的評価などについて、国に要請・要求していると理解していますが、何より大切なのは、地域住民の方々の不安を払しょくする具体的取組です。加えて、関係自治体が実施する地下水調査との連携や支援も必要と考えます。

(問5) 有機フッ素化合物・PFAS について、まずは、我が会派の要望で実施することと なった地下水の前倒しの調査を活用し、基地周辺自治体をはじめ各地域の状況をできる限り早く把握するとともに、例年の公表時期よりも前倒しし、都民の不安を解消していくべ きと考えますが、見解を伺います。

<環境局長答弁>
横田基地での泡消火薬剤漏出が明らかとなる中、 都民の不安解消に向けては、 基地周辺をはじめとする都内全域の地下水の状況を早急に把握することが重要である。 現在、都は、地下水の PFOS 等の前倒し調査及び多摩地域を始めとする比較的高濃度の PFOS 等が検出された地域における追加調査について、地元自治体の意見・要望を踏まえ調査地点の選定を行っており、今後、順次測定を進め年度内の調査結果の公表を目指す。 こうした取組により、都民の不安解消に努めるとともに、関係局とも連携して、暫定指 針値を超過した地下水を飲用しない取組を徹底していく。

この質問について、朝日新聞に記載されました↓


☘️ダイバーシティ&インクルージョン🍀

🟢2025年世界陸上・デフリンピックあわせた機運醸成

 コロナ禍の厳しい状況にありましたが、東京2020大会は、多くの皆様のご協力により成功させることができました。極めて困難な状況の中で大会を成功させたことにより、都の国際的な信用も高まったと考えています。

東京デフリンピック2025のエンブレム

(問6)大会のレガシーを、東京の未来の発展につなげていく上で、2025年の「世界陸上」と「デフリンピック」の開催は極めて意義があります。2025年に向けて、両大会の一体的な気運醸成を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

<生活文化スポーツ局答弁>
(世界陸上とデフリンピックの)両大会は"スポーツの素晴らしさ"、"共生社会の大切さ"など共通したメッセージがあり、 相乗効果を発揮し盛り上げていくことが重要 。 都は、陸上アスリートやデフアスリートを双方の大会関連イベントで起用するほか、 ホームページをはじめとした様々な広報媒体を通じて両大会の魅力を同時に発信するなど 一体的な取組を展開 。 今後、それぞれの大会について、関係者と連携し、年内に基本計画を取りまとめるとと もに、気運醸成の取組を効果的に推進 。 こうした取組を通じ、都民・国民の期待感を高め、大会の成功に繋げていく。

↑答弁にあった通り、東京都では2025年の世界陸上とデフリンピック開催に向けて一体的な機運醸成を始めています。

🟢世界陸上・デフリンピックあわせたアート振興🎨

 オリンピックは「文化の祭典」ともいわれ、東京2020大会とあわせて開催した文化イベントでは様々なアートが展開されました。新たなビジネス市場の可能性や、観光資源としての魅力、障害者アートなど、様々な面でアートは注目されており、両大会とあわせた振興を図るべきです。

(問7)世界陸上・デフリンピックに向けて、国際的な発信力のあるアートイベントを開催するなど、アート振興もあわせて実施すべきですが、都の見解を伺います。

<生活文化スポーツ局長>
世界の注目を集める国際スポーツ大会の機を捉えた東京の芸術文化の発信は大会の機運を醸成し、国内外の人々との絆を深めることにつながる。 都は、東京2020大会の経験を活かし、アートを身近に感じてもらうための国際的アートフェアと連携したイベントや、デジタルを活用した新たな表現を創造する拠点開設 などを通じて東京の芸術文化を発展させてきた。
世界陸上とデフリンピックの開催に向けても、大会を訪れるあらゆる人々が楽しめる文化 プログラムを展開し両大会のコンセプトである共生社会の実現に向けたメッセージを発信していく。

🟢障がいのある人のデジタルデバイド対策📲

 社会のデジタル化を進める上で、高齢者や障がいのある方などが取り残されることがないよう、対応を求めてきました。都がこうした声を受け、今年度末までに約5万人に対する高齢者向けのデジタルデバイド対策を図り、障がいのある方に対しても、自治体と連携したスマホ教室を実施してきたことを評価します。
(問8)近年、スマホを使った障害者向けのアプリやサービスも増えており、生活の質の改善につながることから、障がいのある方に対するデジタルデバイド対策を、さらにきめ 細かく実施しサポートしていくべきですが、見解を伺います。

<デジタルサービス局長>
視覚・聴覚に障害のある方が、身近なデバイスであるスマートフォンを使いこなせるよう、その目線に立ったサポートを充実させていくことが重要。 (2023年)9月からはこれまでの地域での取組に加え、障害種別に応じた新たな体験会を都内全体 で展開する 。 障害者団体の意見等を踏まえ、経験豊富な講師とスタッフを十分に配置し、複数回で段階的に学べるようにする。さらに聴覚障害者向けには手話や要約筆記を用意し、視覚障害者向けには点字や音声の教材を事前配布する等きめ細かくサポート。 デジタルの力で生活がより豊かになるよう、ニーズに沿った支援を引き続き充実させる。

🟢障がいのある人も自然体験に参加する「インクルーシブツーリズム」🌳

 東京2020大会の開催を前に、都は宿泊施設のバリアフリー対応などを条例に定め、障害者や高齢者など、様々な事情により配慮が必要な方も、観光を楽しめる「アクセシブル ・ ツーリズム」を推進してきました。

 一方、コロナ禍で光があたったのがアウトドア・野外活動であり、アドベンチャーツーリズムとして更なる推進が求められます。
(問9)障害のある人もない人も、自然の中で様々な体験を楽しむことができる、新たな 観光のあり方を、都として推進すべきと考えますが、見解を伺います。

<産業労働局長>
障がいのある方が東京の豊かな自然に触れ観光を楽しむ取組を後押しすることは重要である

これまで都は、障害者が多摩地域の自然の中を観光で巡る場合、車椅子での移動が可能なルートなどの情報について、ウェブサイトを通じ紹介(東京観光バリアフリー情報ガイドしてきた。 また、障害のある方が安全に自然を楽しむツアーを増やすため、観光関連事業者向けにセミナーを開催している。

今年度多摩や島しょの自然の中を観光する際に車椅子で坂道を移動できるようサポートする装置等の導入にも活用できる助成(※)を開始した。 様々な事例等を踏まえ、誰もが自然を楽しめる観光を推進していく。

多摩・島しょアドベンチャーツーリズム助成金
アドベンチャーツーリズムとは、「自然」、「アクティビティ」、「文化体験」の3要素のうち2つ以上で構成される旅行のこと。
ハードソフト両面の助成限度額2,000万円(下限額100万円)


🟢支援を受けながら働けるソーシャルファーム

 (東京都で)ソーシャルファームの創設に関する条例が制定されて約4年が経過しました。すでに、認証・予備認証を合わせて46の事業者がソーシャルファー ムとして活動を行っており、就労困難者について約200名の雇用が生まれました。

ソーシャルファームとは:
ー般的な企業と同様に自律的な経営を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業のことです。
東京都は「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」に基づき、 ソーシャルファ―ムの創設及び活動の促進に向けて取り組んでいます。

https://www.social-firm.metro.tokyo.lg.jp

 欧州では、ホテル産業でソーシャルファームが普及していると聞きますが、東京においても、例えばデジタルや農業など、一定の産業分野との親和性があると思われます。
(問10)全国に先駆けてスタートしたソーシャルファーム事業が今後、さらに普及し拡大していくためには各産業分野との戦略的な連携が有効です。そこで、産業分野ごとの特性を踏まえた普及啓発活動を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。

<産業労働局長答弁>
都は就労に困難を抱える方が働き一般企業と同様の自律的な経営を行うソーシ ャルファームの認証と支援を行っておりこれらを一層効果的に増やす取組は重要。

事業者を増やす上で、難病を抱える方等がリモート勤務で力を発揮できるデジタル産業や、障害者等が地道に作業に取組み成果を発揮できる農業は有望な分野となる。 こうした分野での取組を増やすため、ソーシャルファームと新たな事業の立上げを目指す経営者との交流の場を活用し、様々な知識やノウハウの共有を支援する。 また、経営者からの要望に応じ専門家が相談や助言を行いソーシャルファームの新たな 設立を着実に後押しする。


🟢精神障害者の医療機関における虐待専門相談・通報窓口の開設

 八王子市にある精神科病院「滝山病院」で、暴行事件による逮捕者が出ました。精神障がいのある方やその家族の方は、次は自分や家族が犠牲になるのではないかと、不安を募らせています。今定例会には、都内最大の精神障害者の家族会連合会である「東京つくし会」から、創立50年の同会の歴史の中で初めて陳情が出されるなど、事態の深刻さがうかがわれます。

 精神に障害のある方々が安心して都内のどの医療機関でも利用できるよう、虐待について、速やかに相談し、解決につなげる仕組みを構築しなくてはなりません。

 来年度、改正精神保健福祉法により、(精神科における虐待について)都道府県への通報が義務化されます。(障害者に対しては)「身体的・性的虐待」のみならず、「心理的虐待」や「放棄・放置」なども起こりやすく、(これらが一般には分かりにくい面もなることから)専門的な知識を持つ人材による対応が求められます。
(問11)都において、専門性のある人を配置した精神科病院における虐待通報窓口を設 け、速やかに対応が取れる体制を整備すべきと考えますが、見解を伺います。

<福祉局長答弁>
都はこれまで障害者虐待等に対応してきた東京都障害者権利擁護センターに加え、来年 4 月の改正精神保健福祉法の施行に向け精神科病院で虐待を受けたと思われる患者を発見した方や虐待を受けた患者、その家族からの通報・相談窓口の設置に向けた準備を進めている。

通報・相談窓口において、虐待等に関する通報や様々な相談に対応し、寄せられた情報を的確に判断して速やかな立入検査等につなげていくためには専門的な知識や経験を有する人材の配置が必要である。

今後、虐待等の通報・相談窓口の必要な体制を確保し、安心して精神科病院を利用でき るよう取り組んでいく。

🟢東京パートナーシップ宣誓制度を"事実婚カップル"も利用可能に🌈

「東京都パートナーシップ宣誓制度」が昨年11月にスタートして以来、これまでに約800組のカップルが宣誓を受けてきました。東京は人口が多いとはいえ、全国でも突出した数です。私たちが提案したオンライン申請等、性的マイノリティの方々が利用しやすく、困りごとを解消するための工夫により、多くの利用に繋がっています。

 一方、制度創設以来、「事実婚」カップルもこの制度を利用したいとの声が挙がっています。名前が変わることでキャリアや仕事上の不都合があることから、事実婚を選ばざるを得ない一方で、住宅ローンや金融機関等での公的な証明がないなど様々な困りごとを抱えています。これらの課題解決には、パートナーシップ宣誓制度の対象を事実婚の方まで拡大することに加えて、より本質的には選択的夫婦別姓の導入などの法改正が欠かせません。法務省の調査によれば、法律で夫婦同姓を義務付けているのは日本のみです。
(問12)都として、積極的に事実婚カップルの方々が抱える課題の解決に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。

<小池百合子都知事>
多様性が尊重され温かく優しさに溢れるダイバーシティを目指すためには、一人一人が活躍できる社会を実現することが重要。
事実婚を選択する理由のひとつとして、自身の性を変えることにより、不利益が結婚の 障壁になどが指摘されております。 都は「選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すこと」の旨の国への提案要求を実施したものの、国での議論は遅々として進まない状況である。 また税控除の問題など他の法制度から生じる不利益も存在しております。
今後、都は、事実婚につきましては、まずは専門家から立法政策上の課題につきまして ヒアリング等を実施致しまして国へ要望をしていくと共に、選択制夫婦別姓制度についても研究を進めます。こうした取組みによりまして、事実婚の方々が抱えている課題の解決に向けて積極的に取り組んで参ります。