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【書籍】武器としての図で考える習慣: 「抽象化思考」のレッスン

タイトル:武器としての図で考える習慣: 「抽象化思考」のレッスン
著者:平井 孝志
発売日:2020/7/7
▼概略(Amazonより)
なぜ頭のいい人は図を描いて考えるのか<? br>MBA/Ph.D×外資系コンサル×大学教授として
ビジネスの最前線で30年考え続けてきた著者が
誰でもできる「深く考える」メソッドを体系化!

https://www.amazon.co.jp/武器としての図で考える習慣-「抽象化思考」のレッスン-平井-孝志/dp/4492046682

評価:4.0 ※5点満点

感想

図=「情報の抽象化」と「思考の見える化」

だと自分は思っています。
日々働いていて触れる情報の量は物凄く多い。
全部理解して記憶している人は稀有だと思います。
(たまにそういうことができる天才的な人もいますが…)
そういった状況の中でシンプルに大事なものを捉えることはとても重要。
「図は情報量が限られる」=「大事なことや本質が現れる」
と本書にも言及されていますが、まさにその通りだと思いました。

それに加えて、膨大な情報を捌く思考も、表出しにくいものだと感じます。
頭の中で色々考えて、こねくり回した情報を最終的には誰かに伝えなくてはいけない。
そんな時の伝達力を補強してくれるのも図なんだと思います。

企画者の必須スキル

(僕の言う企画はかなり幅が広いですが)
企画をする人にとって図を起こすことは必須スキルだと思います。
なぜなら企画=考えることだから。
世の中たくさんの企画がありますが、ウケているもの、人気のあるもの、いずれも「すごくよく考えられているな〜」と感じます
前回記事にした
非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術
でも似たようなことが書かれていましたね。
で、僕ら企画はその考えたことを誰かに伝えて形にして初めて価値を生み出せる。
そういう意味で情報や思考を伝わりやすく加工した図を作る能力は必須だよなと思います。

図の4つの型

というわけで本書では実践的なテクニックとして図の4つの型が紹介されています。
①ピラミッド
②田の字
③矢バネ
④ループ
の4つです。
本書にも記載がありますが、このうち④つめのループについて書いてみようと思います。
ループ型は全体的、俯瞰的、動的な発想の図です。
もう少しわかりやすく言うと構造と因果を表すための図ですね。
ゲームやらエンタメやらの企画をやっているとこういう図に触れたり、作ったりすることがとても多いと思います。
俗に言うモチベーションサイクル図ってやつですね。
この場合
構造=どんな機能や画面があるか
因果=機能や画面に触れた結果、どんなモチベーションの変化が起きるか
を図に書き出していきます。
個人的にこのモチベサイクルを開発初期に定義できるかでプロジェクトの成否が大きく変わると思っています。
なぜなら本書にある通りループ型の図は全体を表すものであるから。
最終的にはかなり具体的なことが書かれた図にはなりますが、
一番大事なループも見つかります。
一番大事なループを見つけて、定義して、ちゃんと機能させる
それができないとユーザーは離れていきますし、サービスも続いていかない。
とても重要な図であり、アプローチだと思います。

最後に

長ったらしい文章書いてないで、感想を簡潔に図をまとめろよって思いますね笑
どうしても文章になってしまいがちですがチャレンジしていこうと思います

本書は
・図を書くことの意義
・実際にどう書けばいいか
・書いた図をどう使えばいいか
が綺麗にまとまっており、とても読みやすかったです。
「プレゼン資料にもっと図を入れなさい」と言われている方には
かなりオススメの一冊ですよ〜。

以下、メモを兼ねた要約です。ネタバレ含むので注意















▼はじめに
・図で考えると抽象化できる



▼序章 図で考えると仕事も人生もうまくいく
・図は情報量が限られるから大事なものや本質が現れる
・ヒューリスティック=経験から暗黙裡正解に近い答えに飛ぶ能力
 ┗AIにはできないからこれからの時代に必要
・パワポより紙の方が良い
 ┗コマンドボタンと図の往復で思考が途切れる
  ┗考えることと作業することの逆転

▼第1章 なぜ図を使うと考えが深まるのか
・概念図、構成図、分析図
・情報の渦に溺れることがなくなる
 ┗情報量と思考量はある時点から反比例する
  ┗知識が常識になり、柔軟な発想を失う
・地図>航空写真
 ┗大事なことだけ書かれている
・思考の見える化と記録
 ┗思ったよりも論理が緩いことがある
・関係性の見える化
 ┗箇条書きでは見えない
・ビッグピクチャー=全体像が見えてくる
 ┗視野を広く持たないと、思わぬところから影響が及ぶ
  ┗抜け漏れを無くす
・ビジネスモデルキャンパス
・組み合わせからアイデアを生み出す
 ┗マトリックス図

▼第2章 「概念図」を描いてみよう
・図形は四角と丸だけでOK
 └分類に意識がいくと思考が分断される
・時間の流れは矢バネで表現
・文字は少なめ、短め。重要なキーワードのみ
・線で分けたり、囲んだりするとさらに抽象化できる
・線でつなぐと関係性がわかる
・強調して思考にメリハリをつける
・用紙の端から書き始めない
 └余白が発想を広げることを支援する

▼第3章 使える型①ピラミッド
・複雑なものを具体的な要素に分解するアプローチ
・まずは箱を書いてみる
 └上に一個、その下に3〜5の四角い箱
  └上に今考えなければいけないテーマ
  └下にテーマに関する要素
   └最初に箱を書くことで埋めなきゃいけなくなり思考が多面的になる
・フレームワークを思考の切り口にする
・視野狭窄に陥らないように捻くれた目で見る
・なぜを5回繰り返す
 └5つの異なる切り口を持ち込める
  └原因と結果は時間的空間的に隣接しているとは限らない
・「なぜそうなのか」「だからなんなのか」「本当か」の3つの問いかけ=ピラミッドを見る目
・細分化だけでなく問題を広げることもできる
 └具体的であれば大小は問わない

▼第4章 使える型②田の字
・本質を切り取り思考の整理をするのに役立つ
・軸を何で定義するかが難しい
 └対立する2つの要素=掛け算で表せるもの
 └2つの属性=幅と深さ等
 └原因と結果=比例するもの
・3*3にすればグルーピングやセグメンテーションできるようになる
・多段階田の字で軸を分解することができる

▼第5章 使える型③矢バネ
・動的な図(ピラミッドや田の字は静的寄り)
・バリューチェーン図が代表
・縦軸を足すとどの矢バネに問題があるかわかる
・2つのバリューチェーンを交差させると新規事業領域が見えてくる

▼第6章 使える型④ループ
・①〜③は分析、分けて明晰にする図
・ループは全体的、俯瞰的、動的な発想
 ┗構造と因果を理解するための型
・並べずに散らして要素を書き出す
 ┗因果を矢印でつなぐ
  ┗最後に自己強化型のループを見つける

▼第7章 図で考える達人になる
・複数の図(型)を行き来して思考を深める
・フレームワークは答えを生み出してくれる魔法のツールではない
 ┗あくまで考えるためのヒント



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