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障害児の「お箸を使う」を発達や力の関係性で読み解く

何となく始まった<読み解く>シリーズ( ´艸`)
第二回目は「お箸を使う」にフィーチャーしたいと思います。

食事の時の道具としては、お箸が最上位の道具になりますので、保護者の方から「いつになったらお箸を使えるようになりますか?」
って相談を受けることも少なくありません。

では、お箸を使うってことについて、発達の力など分析をしていきたいと思います。


はじめに

そもそも、お箸を早く使えるようになってほしいという願いはどこから生まれるのでしょうか?

ごはんはお箸で食べれるようになるのが、最終目標でありスプーンはその過程ということでしょうか?
皆お箸を使っているんだから、当たり前になって欲しいからでしょうか?

では、何故私たちが当たり前にお箸を使っているのかというと、日本という食文化だからお箸を使うのです。

文化継承ってやつですね。

手で食べる国もありますし、複数の道具で食べる国もあります。マナー面でもそうですよね。
文化です。

もともとの根源は、その土地に合った食事をどうやったら美味しく便利に食べることが出来るのか。
そして、より豊かに美味しく食べることが出来るのか。
という発展と共に食文化が、その土地に合った道具と民族性で出来上がったのが、食事で使う道具とマナーだと私は考えます。

ということはですよ、一番何が大切なのかというと

美味しく食事を食べる

ということです。

意外に多いのです。
野菜も食べてほしい。
スプーンをきちんと持ってほしい。
よく噛んでほしい。
等などなどなど・・・・・

食事の本当の大切なことを忘れて、形にとらわれてる保護者や職員。

楽しいってとても抽象的で、食事時間に課題のある子どもが楽しく食べているならば次の課題を進めて・・・っていうのもありますが本当にそうなのでしょうか?

前置きが長くなりましたが先に進めていきます。

お箸を使うための技術

微細運動

そもそも、お箸を使うことが出来るようになるためにはどんな準備が必要なのか。

それは、微細運動ができる身体が出ているのかです。

赤ちゃんが運動発達をして、歩けるようになるように指の発達もあります。

どんな順番かとうというと。

①肩
②肘
③手首
④指

の順番です。

体の発達は身体の内から外へ広がっていきます。

イメージがつきにくいと思いますので、本当に理解したい方は近くにあるペンなどを子どもが握るように上から握ってみてください。(スプーンのイメージです)

それを、動かして食べるふりをしてみてください。

どこの部分が動いていますか?

きっと、肩と肘が動いていて手首と指は動いていないはず。

この食べ方をしている子どもにエジソン箸を使わている方もいますが、きっとイライラして食事が美味しくなくなってしまうかもしれません。

お箸をそろそろ使っていいかなぁ~ってさいんはね

人差し指と親指で小さいものをつかみ出したり、ハサミを使えるようなったり絵を描くときにクレヨンを三指でもって手首を動かして描きだした時は身体的には移行サインですね!

何事にも順番があるのです。

詳しく書きませんが、それにプラスして指に感じる微細な「圧」も感じる必要があります。
要は、優しくとかゆっくりとか、力加減をコントロールする力も必要ということです。

気持ち

お箸は文化という説明をしました。

お箸の操作は本当に複雑な技術が必要となります。

そんな難しい技術をどうして子どもたちは獲得をしようとするのか?健常児であれば何も言わずともお箸へ移行し使えるようになってしまうのか?

それは、ズバリ「憧れの気持ち」です。

子どもは大きいものに憧れます。
お母さんのように、お父さんのように、お友達のように・・・ってね

この気持ちは、出来ないものをできるように押し上げます。

本来子どもが出来ないものが出来るようになる過程は、発達欲求です。

どういう意味かというと、自分で出来るようになりたいから出来るようになるのです。
だから、大人が何をやっても子どもにその、発達欲求がなければ吸収しないのです。

食事が大嫌いな子どもがお箸を使うわけがないってことです。

発達するのは子どもです。

では、どうすれば良いのか?

要求を太らせるのです。

してみたい!やってみたい!
お母さんのしていることしてみたい!
やってみると嬉しかった!
ってね

要求というは、自ら能動的に生きるということです。

でも、残念なことに障害児は療育という名の元に「させられる」生活が多くなり自らの発信が弱くなり、要求が弱くなってしまうこともあります。

もう一度いいます。

発達は子どもの中から起きる発達要求がないとダメです。

この発達要求をどう引き出せるのか?
発達要求へつなぐことが出来るのか?

ここを伸ばす環境や支援こそが発達支援なのです!

子どもの伸びる力を馬鹿にしてはいけません。
子どもは本当にすごい力持っています。
何度も何度も、目の当たりしてきましたので間違いありません。

あれ?
お箸の話だった(*ノωノ)

まとめ

お箸を使るようになるには・・・

①お箸を操作できる身体を獲得していること
②感覚部分でも微細な圧を感じることが出来ること
③食事が好きということ
④お箸を使っている人へ憧れの気持ちを抱けるということ

以上だと思います。

おまけ

指の使い方がまだお箸レベルではないけれども、指導上お箸を使わせることがあります。

それは、強い憧れを持てる子どもにです。

にぎり箸でも、掻き込みになってもOKです。
そういう子どもは、お箸を使いながら指の動かし方を発達させようとします。
出来なくたって、出来るようになりたいという気持ちがあればそれを大人が否定する必要はありません。

子どものことを理解して、幅広く見ることが出来ないと子どもと大人の思いずれが生じてどちらかが辛い思いをしちゃいますので、参考にして頂ければと思います。

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