のら多言語話者は何が分かる?(3) のらねこ、勉強が習慣づかない
こんにちは。
のらねこに何ができる? を読んでくださりありがとうございます!
このコラムでは、日々の努力を “楽ちんに” やっていくには目標管理スキルが大事だとお伝えするため、僕が自分で目標をたてて自分で達成してきたことを、可能な限りオモシロく書いてお送りしております。
そんで僕は、目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っております、TOMCAT HEART の中島と申します。
エンジニアなどという因果な仕事を、かれこれ30年弱ほどやっております。
さてさて。
現在連載中のシリーズ “のら多言語話者は何が分かる?” は、ちゃんと続く外国語学習の進め方。
外国語の勉強ってのは、往々にして行きはよいよい帰りは怖い。
いや、別に怖くはない。なんならいつの間にかいなくなってるまであります。
始めたときは「やるぞー!」って物凄い気合い入れたのに、数ヶ月後どころか数週間後には、もう思い出に変わっていたりするのです。
外国語ってそういうとこありますよね。
そんなことにならないよう、勉強をどうやって軌道に乗せたらいいのか、イタリア語歴4年の僕がノウハウをバッチリ公開しちゃいます。
連載計画は以下のイメージ。
目標設定とセルフバインド
基礎勉強の進め方
当面の目標と勉強スケジュール作成(今回)
語彙を増やすコツ
目指すレベルの確認
スラッシュリーディングのコツ
セクションスタッキングのコツ
ヒアリング練習のコツ
スピーキング練習のコツ
アウトプットの大切さについて
バックナンバーもこちらにございますので、ご興味あればお読みください。
前々回は目標を決め、それから前回はイチッバン最初の勉強としてどんなことをするかの話をしました。
そんで今回は、外国語学習の屋台骨となる話。
“習慣化” の部分についてお話しようと思います。
1. 幼児の学習スピードが早いってホントに?
さてさてその話をする前に、まずは発達心理学の話をしたいと思います。
皆さん、子供は大人の何倍もの速度で学習するって話、聞いたことないでしょうか。
・子供の学習スピードは驚異的
・6才までの学習能力は、それ以降の比じゃない
などなど。
だから子供は母国語をあっという間に覚えるんだ、という理屈。
思ったんだけどこの話、、、現実と矛盾してると思いません?
だってさ? 15才の少年と、20才の青年の平均的な会話力がほぼ同じかってぇと、普通は絶対20才の方が巧くしゃべれるでしょ。
つまり一般人の母国語学習は通常、15才に至ってもなお言語の習得が完了していないということです。
一般的なビジネスマンが英語1つ覚えるのに15年もかけてたら、普通は仕事になりません。
まず幼児の母国語学習は、2才くらいから自然に始まるのが一般的です。
この段階の多くの幼児が発する言葉は、大部分が喃語(なんご)と呼ばれる意味の通らない単語です。
ですが意味が通る単語として「ママ」「ねんね」「にゃーにゃー」ほか、数語程度をしゃべります。
なのでここをスタート地点とすると、僕のイタリア語学習速度は人類としてありえないほど驚異的だったことになってしまいます。
だって僕、イタリア語を初めて1年で5級に合格したんだから。
幼児換算で3才時点ですよww
だから僕は、幼児よりも極めて早く言語学習したことになっちゃうよね?
でも統計的には、一般的な日本の外国語検定は先生がちゃんと教えてくれれば半年くらいで合格できることが知られています。僕が独学者だったゆえ多少人より右往左往したことも考慮に入れれば、学習速度は別に不思議でもなんでもなく平均的だったことになります。
つまり、間違ってるのは “幼児の学習速度は早い” という理屈の方だってこと。
このとき、「いやいや、だって赤ちゃんの脳は未発達でしょ?」と思った方は、ぶっちゃけ語るに落ちてます。
なぜなら僕の話は、“幼児の学習速度” と “大人の学習速度” を客観比較したときの話だから。
脳が未発達であることをもって下駄をはかせていい理由にはならないし、脳が未発達ならなおのこと “幼児の脳は大人より劣ってる” という結論にならなきゃおかしいんです。
つまり、この “幼児の学習速度は早い” という話自体が、外国語の勉強をサボりたい人達の言い訳でしかないわけです。
(ちなみにいうと幼児の脳発達速度のうち、大人より早いのは脳神経それ自体の成長速度です。つまり記憶を入れるハードウェアの部分。その神経の中に入る記憶が増える速度は、大人と比べてかなりゆっくりです)
2. モノを覚えるってそもそもどうやるの?
「で、でもだったら私はどうなるの!? 赤ちゃんより物覚え悪いんだけど!」
と思ったそこのあなた、ご安心を。
その話自体もすでに解決済みです。
「私はモノを覚えるのが苦手、暗記なんか無理」と考えている人は、単にその場でパパッと覚えて一生忘れないことができないと言ってるケースが大多数なんです。
そんなの誰だってできないに決まってますわいww
だったらどうすりゃいいのかってぇと、簡単です。
毎日やること。
1週間に1回だけ1時間の授業を受けるよりも、1日5分でいいから毎日やった方が絶対効率いいです。
なぜなら、毎日やった方が記憶が飛んでしまわないうちに復習する機会が圧倒的に増えるからです。
でも、だったら毎日10時間ガッツリやればもっと効率いいかというと、そうは問屋が卸しません。
記憶の定着率は “勉強時間に対する睡眠回数” の影響を受けることが分かっており、夜の睡眠を挟むことなくやたらめったら長時間勉強しても、定着率はさほどあがりません。
ですので、十分な集中力が身につくまでの最初の1~2ヶ月くらいは、1日5分の学習でも十分なのです。
(集中力がついてくれば、1日30分1時間とできるようになりますので心配はいりません)
たとえば僕の場合、昼休みの食事後を外国語学習の時間にあてています。
お昼ご飯を食べたら外国語の勉強をする。
そういう習慣です。
お昼ご飯を食べないことは絶対ありませんから、なのでお昼ご飯のあとに勉強するように習慣づければ、絶対に忘れずに毎日やることができます。
このような、何らかのすでに習慣づいている物事の後ろに、新しい習慣を付け足す方法をハビットスタッキング法といいます。
また慣れないうちはつい忘れてしまうかもなので、スマホのタイマーなども併用するといいでしょう。
僕の場合、今となってはもはや、お昼のあとに外国語をやらないとちょっとモヤっとします。
この状態になったら、もうタイマーの補助はいりません。
3. 短期目標を作る
それからもう1つ、短期の目標を作るのも有益です。
長期的な目標は前々回に作ったのですが、それとは別に3ヶ月以内に叶う簡単な目標を用意するといいです。
だいたい3ヶ月くらいのスパンで小さな目標を達成し続けることが、長くモチベーションを保つ秘訣です。
短期目標というと、割とパッと思いつくのはやっぱ “検定” でしょうかね。
合格証っていう分かりやすい指標があるし、もらえたら励みになりますからね。
個人的にも、検定はぜひ受けた方がいいと思います。
ですが、検定は必ずしもやってほしいときに都合よくやってくれるわけじゃないし、言語によっては1年に1回しか開催されなかったり、またはマイナー言語とかだとそもそも検定がないこともあるでしょう。
また検定はおすすめの目標ではあるんですが、通常多くの検定は一番下の級でも取得するのに半年から1年くらいかかるのが普通です。
入門し始めたばかりの人が、3ヶ月という短期間でパパッと取っちゃうのは現実的ではありません。
なので検定とは別に、さらに短い期間で達成できる目標を持った方がいいです。
歌の歌詞を1曲訳しきる
マンガ1話や短編小説等を1つ訳しきる
言語交換友達を最低1人作る(友達の作り方は後日の回で)
こんな感じ。
この、スパンとしての “3ヶ月” という数値は意外と重要で、人間は同じ努力を3ヶ月以上は継続できないことが心理学的に分かっているんです。
ですので、達成に4ヶ月以上かかるような目標は、短期目標ではなく中期・長期の目標になります。
短期目標を作るコツは、「多分おそらく3ヶ月あればイケるだろう」くらいの目分量で発車してみて、ダメそうだったらレベルを落とすこと。
一度決めた目標のレベルを落とすのは怖い人は、3ヶ月で無理そうなその目標を中期目標だったことにして、そのために必要なもっと簡単な目標を短期目標に設定すればいいです。
3ヶ月という短い期間で「やったー!」と思える状況が頻繁に訪れたら、けっこう楽しいと思いません?
4. つまり外国語を覚えるには
つまり、外国語の勉強をスケジュールするときのコツは「毎日やる」「3ヶ月以内にかなう目標を作る」の2つです。
この2つのポイントは、他のどんな努力をするときも同じです。
まぁ、ようするにリズムを作るってことですよね。
毎日同じ時間に同じ量だけ勉強をして、そんで3ヶ月ごとに何らかの短期目標を達成する。
そのサイクルを2年以上続けることができれば、外国語学習は必ず誰にでも続けられます。
これ、絶対です。
やってみてください。
それではまた。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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