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のら多言語話者は何が分かる?(2) のらねこ、外国語の糸口がつかめない

どもども!
いつも読んでくださってる方、あるいは初めて気づいてくださった方、どちらの方々もありがとうございます。
僕は目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っている、TOMCAT HEART の中島といいます。
かれこれ30年弱ほど、IT業界の目標管理・開発管理などやっております。

当コラムは、目標管理スキルを覚えると毎日がどれだけ楽しくなるかを知ってもらうため、僕が自分で計画して自分で実践してきた色々をなるだけ面白くストーリー化して、皆さんを楽しませるっちゅー志向となっております。

さてさて、現在連載中のシリーズ “のら多言語話者は何が分かる?” は、ちゃんと続く外国語学習の進め方。
外国語ってのは、気軽に始めやすい反面、そこそこのレベルに達するだけでも長い時間がかかるゆえに、続かないこと自体が原因で途中脱落してしまう人が大変多い趣味です。
行きはよいよい帰りは恐い、ってヤツでございますな。

そこで当シリーズでは、僕が現時点で知っているベストな外国語学習ステップをお送りしております。
全体の執筆計画はこんな感じ。

  1. 目標設定とセルフバインド

  2. 基礎勉強の進め方(今回)

  3. 当面の目標と勉強スケジュール作成

  4. 語彙を増やすコツ

  5. 目指すレベルの確認

  6. スラッシュリーディングのコツ

  7. セクションスタッキングのコツ

  8. ヒアリング練習のコツ

  9. スピーキング練習のコツ

  10. アウトプットの大切さについて

なおバックナンバーはこちらです。

前回 の内容は、

  • 言語を学ぶ前に、まずその国を好きになろう

  • そんで学んだ結果どうしたいのかをちゃんと決めよう

ってことでした。
読んでくださった方、自分が学ぶ国に対して、少しでもステキなイメージを持っていただけましたでしょうか。
考えてはみたけどまだ漠然としてるんだよねって方もいるとは思いますが、その方々も問題はありません。
頭の中のイメージくらい、これからどんどん固まっていきますので。

んで、そのために必要な第1歩がこちらとなります。

1. 教則本を選ぶ

はい。まず外国語を学習する以上、最初にやんなきゃいけないのが当然ながらこの教則本選びです。
教則本ではなく学校やネット教育を使う人もいるかもですが、つまるところは教則本を含めた先生となる何かですね。

この本(≒先生)選びがね、メチャクチャ大事なんですよ。
「そんなもんこっちゃ素人なんだから適当に選ぶしかないやん」って思ってると、すぐ脱落します。

中には、「いやいや! だからこそ前書きに “初めての方向け” って書いてあるの選ぶんじゃん!」って思う人もいるかもですが、それに100億回騙され続けた僕が断言します。
その “初めての方向け” って言葉は99.9999、、、%ウソです。

教則本選びで失敗した場合、3日でも3ヶ月でもなく、だいたい2週間で脱落します。
なんでそんなにピンポイントで言いきれるかってぇと、世の中の外国語教則本というものには、どれも想定する読者像があるからです。
なので前書きにある初めての方向けは、正しくは “初めての方のうち、私の読者像に合う方向け” でしかないんです。

読者像に合わない本を無理に読むと、内容の意味不明さがじわじわとボディブローのように徐々に頭を侵食していき、プッツンするのがだいたい2週間くらいというわけです。

当然ですが、外国語の教則本を書いている著者ご自身は、ただ外国語ができるだけの普通の人であって、別に完璧超人でもなんでもありません。
なので世の中の全ての素人に分かりやすく書くことはできず、必然的に自分がイメージする素人像に合っている人向けにしか執筆できません。
想定読者像に合わない人が読むこと自体、そもそも想定されていません
されてませんっちゅーか、そんな器用なこと誰にもできませんし、真に万人向けの本なんてものが書けた人は人類史上1人もいません。

なおかつ、プロの外国語の先生達がイメージする初心者が、我々素人がイメージする初心者とは違う点にも要注意です。

我々は自分のことを指して初心者といいますが、プロの先生たちがイメージする初心者とは単に何も知らない人達のことではなく、

  • 基礎もしっかりあって

  • 十分な素質も持ってるけど

  • ただ勉強がまだなだけで

  • ホントだったら放っておいても勝手に伸びていく人

のことです。

あなたのことではありません。

じゃあ、本当の意味で知識ゼロで、外国語を学ぶ下地すらない、右も左も分からない人のことを何というのか。

はい。
そんな人を指す言葉は存在しない” んです。
そんな人が外国語なんかやるはずがない、とするのが現代社会の一般的な通念です。

ですので完全ゼロスタートの人はプロの眼中にすらないし、通常多くの外国語の先生はそういう人に外国語を教える価値なんてないと思っています。
かくいう僕自身、そういう人達のことは “入門者” と呼んでいて、“初心者” とは明確に区別しています。

だって入門者と初心者って、持ってる知識量が全然違いますからね。
一般に初心者とは、勉強を開始できる基礎知識をすでに持ってる人のことです。
けど、入門者の知識量は文字通りの意味で物理的にゼロだから。

ですので、あなたが本当に知識ゼロの状態から外国語をやりたいと思うなら、自分と気の合う本(とか先生とか)を見つけることがすごく大事なのです。
それゆえに、最初の教則本はとにかく数を探すことが大事。

最初の数ページを立ち読みして「説明の書き方」「項目の順番の出し方」「本のレイアウト」なんかをチェックし(教室やネット学習の場合は時間をケチらずちゃんと体験入学して)、「この本の筆者さん(or先生)の言葉は分かりやすい」と感じるまでじっくり探すことがすごく大事。
「レイアウトや授業内容に雑多感を感じる」「回りくどい説明が多いように感じる」「疑問に答えてもらえない」などの引っかかりを感じるなら、それはあなたの考え方が本の読者像と合ってない証拠。

あるいは、最初はよかったけど読み進めるうちに途中から「なんか分かりづらい」と感じるようになった場合、そのときは別の本を買ってきて交互に読むのも大事です。
複数の教則本を交互に読むというのは、違う視点を取り入れながら読むってことですからね。

ただし、本当に自分にピッタリとフィットする「これだ!!!!」みたいな本に出会うことは通常ありえません。
「う~ん、ちょっとよく分かんないけど、この本はいい気がする」くらいがせいぜいでしょう。
でもだからこそ、選んだものが自分に合ってる本かどうか(または勉強法かどうか)に徹底的にこだわることが重要なのです。

2. 基礎勉強って何をどこまでやればいいの?

で、自分に合う本をなんとか見つけてきて勉強を始めたとします。
その際の素人あるあるで、最初に買った本の内容を完全マスターしようとしてそれができなくて脱落するというパターンもあります。

以前 YouTube で聞いたところによりますと、とりわけ日本人は1ページ1ページ丁寧に覚えようとしすぎる傾向があり、完全に把握するまで先に進まない人が多いんだそうです。(ホントかどうか知らないけど、らしいよ?)

とはいえ、そうなってしまうのも無理もない話で、なんせ素人は素人ゆえに何をどこまでやったらいいかの知識もありませんからね。
あまりにも過度に知らなすぎて、基本的すぎることをどこまでも無限に突き詰めてしまいがちです。

ですが、当たり前だけど、そんなことしてたらキリがありません。
言葉というのは人類が1万年以上かけて発展させてきた文化ですので、たとえ基礎レベルの教養知識であっても一生かけたって絶対全部は覚えきれません
日本人が日本語を学ぶのに一生かかるのと同じでね。

ですので必然的に、知識ゼロの素人の最初の目標は、買った教則本を完璧に覚えることではありません。

勉強する習慣を軌道に乗せることです。
つまり最初にやるのは、“日々の勉強に使う知識” をまず暗記ってわけ。

なので当然、最初は文字。
学ぶ言語に英語を選んだ人はいいとして、それ以外の言語の場合、ヨーロッパ諸語であっても最低1つか2つは覚えないといけない文字があります。

特にドイツ語や北欧系言語はウムラウトがメンドい。
(ウムラウトってのは、母音の上に付いてるオメメ ä ö ü のことね。あ、でもエスツェット ß は最近徐々に使われなくなってきているそーです。よかったね)

ましてやアルファベットじゃない文字の言語の場合、教則本ではたった1ページなのに覚えるには数週間以上かかる、ってことも当然あります。

韓国語は文字数が多い反面、理論だった法則が一応あるだけマシな方。
本当の意味で暗記するしかないという意味では、タイ語なんかの文字の少ない言語の方が逆に厄介かと思います。
とりわけロシア語は、文字の形状が英語同じなのに読みも使いどころも違うとかあるから混乱必至。
(ロシア語文字の "Р" は、これで「エル」と読んで英語のRに対応します。や、もうマジなんなん???)

んで文字を覚えたら、次のページにいきなり出てくる数詞とか月の表現(january, february...等)なんてのは、まとめてスキップしてください。
好きな人はいいとして、それ以外の人は最初に覚えても意味ありません。
やりたいと思った順にやるの重要です。

あと発音とか発音記号を最初に覚えるのも意味ないね。うん。ない。
言葉の響きが好きで始めた人は別だけど、そうじゃない人はヒアリングに入るまで発音記号なんて使うわけありません。使わないモン覚えてどうすんのよ。

通常多くの入門者は、最初に短文解析(短い文章のリーディング)から始めるのがセオリーです。
なのでそのためには、まず「短い文章によく出てくる単語の暗記」から始めます。

  • 基本的な動詞をいくつか

  • 動詞の活用ルール(ある場合のみ)

  • 人称代名詞・指示代名詞

  • 冠詞・前置詞・助詞

  • よく使う名詞

まぁ、これくらいかな?
言語によるけど、単語数は全部で30個か40個くらいでしょうかね。
卓上旅行を楽しむ感覚で基本の挨拶でも暗記しながら、それと同時並行で覚えていくのが効率的かと思います。

また、たった数十個の単語だけを覚えるのに、2~3週間の時間を使っても構いません。
もし仮に、時間をかけすぎて3週間とか1ヶ月とかかかっちゃって「出遅れた」と感じたとしても、下手したら一生をかけてやっていくのにその程度の遅れは正直誤差です。
またこれらの単語は初期段階の短文解析で使うだけなので別に完璧に書ける必要すら特になく、「読めば分かる」くらいに覚えていれば先へは進めます。

勉強時間も、集中力だってまだそんなにないでしょうから、1日10分もやれれば十分です。
とりわけ最初の1日目にテンション頼みで2時間3時間と集中できた人であっても、その集中力が何日も続くわけありません。
なのでスマホのリマインダーをセットして、決まった時間に10分だけ集中してみてください。
10分が無理なら5分でも3分でも、なんなら30秒でも構わないんです。

なぜなら、習慣を軌道に乗せるために重要なのは1日あたりの勉強時間を増やすことではなく、毎日やることだからです。

30秒なら簡単でしょ?
逆にそれくらい簡単じゃなきゃ、何年も続けらんねぇっすよ。
マジ。

それと1つ1つの単語について辞書で調べつつ、辞書を引く行為そのものに慣れるという練習をすることも重要です。
辞書はこれから数万回・数十万回とお世話になるものです。引くのが面倒くさいと感じるようだと、外国語の学習は絶対無理です。
なので最初のうちから仲良くしておきましょう。
(あと、素人さん方がよく「紙の辞書、電子辞書、Web辞書のどれがいいか」なんてくだらない論争してますが、そんなもん自分が使いやすいと思うヤツが一番いいに決まってます。その選択の差で語学力に差が生じたり絶対ありませんので、どれでも使いやすいものを選んでください)

3. ようするに

まぁ、最初は「できることからやる」って感じですね。
できないこと無理したって、できないものはできませんから。

言うまでもなく、僕が上記に書いたことを馬鹿正直に守る必要だってないし、できそうだと思う単元があったらチャレンジしてもいいのです。

ポイントはとかく「目標に向かって進む」こと。
前回のコラムで決めてもらいましたよね。
その目標に向かって進むことが大事なんです。

そしてそれは、楽しそうと思った順にやるのと全く同じです。
まぁ、重要なのはそれだけです。

そこまで終わったら、次はいよいよ “勉強の習慣化” を本格的に意識していきます。

入門者の最初の目標は勉強する習慣を軌道に乗せることですが、そのためには短期決戦で成果の出る目標みたいなものがあった方がいいでしょう。
また、具体的にどんなことをするかというスケジューリングも重要です。

てなわけで次回は、そのあたりの方法論とか、モチベーションを維持するための中間目標の決め方なんて話をしようかなと思います。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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