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採用・教育・リーダーシップついて、ホスト業界から学ぶ


先日公開されたばかりの『THE ROLAND SHOW』の動画がきっかけで、この記事を書くことにしました。

「もしかして…上司って楽だと思ってる?」というメッセージから、動画が始まります。今回はこの動画を元に、採用・教育・リーダーシップについて、シェアします。



動画の概要

この動画では、ローランドが経営する「THE CLUB」の幹部ミーティングの様子を公開しています。その中で、「THE CLUB」が直面する様々な問題を通じて、リーダーがどのように部下やチームの問題に対処し、組織の目標達成に向けてチームを導くか、さらには自己成長に繋がる仕事の価値などが語られています。


ローランドが考えるマネジメント論

背景として、ローランドが経営する店舗数が4店舗に増加し、彼が細部にわたってマネジメントを行うことが難しくなってきている状況です。このため、ローランドは各店舗の課題などに対して、それぞれの店舗を率いる幹部ホストたちに主体性を持って取り組んで問題解決を行うことを望んでいました。

そこで今回の幹部ミーティングでは、ローランドが幹部ホストに会議のファシリテーションを委ねました。しかし、実際には会議が目的を失い、生産的な議論に至らない状況となりました。このため、ローランドは自らのマネジメント論に基づいて、具体的な指導と方針を提示することになります。

動画の中で語っていた彼のマネジメント論は、以下のとおりです。

  • 幹部は不満だけでなく改善案を出すこと
    ※ローランドグループにおける幹部とは、店舗の運営に責任を持ち、役職手当をもらえる立場を指します。

  • 先輩は、新人に対して模範になる行動を取ること

  • 採用者は、責任を持って採用した人を教育すること

  • 部下に指示を出すだけでなく、その背景にある理由や目的を言語化して具体的に伝えること

上記について、動画の流れに沿って説明していきます。

会議の冒頭、幹部が酔っ払って店の備品を壊してしまった、という問題が共有されました(このホストは降格になっています)。

上記の問題を皮切りに、ファシリテーションを委ねられた幹部ホストAは以下の意見を述べました。

  • ざっくりいうと幹部がまとまっていない

  • 幹部としての意識(方向性)が定まっていない

  • 今回はそこを定めてしっかりやっていきたい

  • (ミーティングに遅刻した幹部に対して)遅刻しすぎなので幹部として責任を持ってしっかりお願いします

※内容は端折っていません。

続けて、幹部ホストBが以下の意見を述べました。

  • チームを解散させたい
    ※チームとは、幹部がチームリーダーになり、各チーム単位で育成や相談役を担う制度

  • (幹部への)昇格ラインを厳しくしたい

チームを解散させたい理由として、チームリーダーである幹部たちが店で揉めてしまったことを挙げており、そこに対して、自分もリーダーとして強く言えていればよかったが、そういった状態のためチームを解散してゼロからやり直したい、とだけ述べています。

その話の途中で、このミーティングに大遅刻した幹部ホストCが部屋に入ってきたことで場は凍り付きます。

以下、ローランドと各幹部ホストとの会話です。

ローランド「ミーティングの予定、メモ帳とかに入れてないの?」
幹部ホストC「入れてなかったです」
ローランド「なんで入れてないの?大事な予定だったら入れるだろ。お前大事な女の子とのデートの予定はスケジュール帳に書くよな。幹部ミーティングは書かないってことはどうでもいいってことなんだな。そういうこと?」
幹部ホストC「違います」
ローランド「違ったら行動と言ってることの辻褄が合わないくないか?」
幹部ホストC「はい」
幹部ホストB「会長待たせてるからな。普通にやばいからなそれ。しっかりしろよ」
ローランド「解散してもいいけど、全員を皆で見るのが良いってこと?」
幹部ホストB「別に今各チームリーダーがマネジメントできているわけではないので。普通にやる意味があるのかなってところですね」

このBの返答に対して、ローランドのマネジメント論が語られていきます。

不満を単にぶつけるのは部下の仕事
不満を見つけ出し、そこに自身の意見や解決策を加えるのが上司の仕事

Bが提案した「チームの解散」について、上述のとおり、現状を踏まえた具体的な代替案や、代替案に対する課題はBからは提示されていません。そのため、ローランドはそれを求めました。

幹部ホストAにいたっては、会議の冒頭で「しっかりと取り組んでいないから、これからはしっかりと取り組む。みんなも幹部らしくしっかり取り組んでほしい」とだけ発言し、具体的に取り組んでいく内容については何一つ語りませんでした。

ローランドが考える採用論

チームを解散し、組織全体(グループ)でメンバー教育を行う場合に、ローランドが懸念していることがありました。

  • 自分のグループではないメンバーを可愛がれない状況が生まれる

  • 自分に刺さる後輩や自分に懐く後輩は可愛がるが、絡みにくかったり、気難しい後輩がいた場合に、チームではなく組織全体でマネジメントしようとすると誰にも面倒を見てもらえない人が発生する

特に彼が懸念していたのは2点目でした。グループ制よりもチーム制の方が、このような人を救うことができる可能性が高い、という考え方です。

また、こんなことも語っていました。

  • 幹部達が採用面接を行い、彼らの判断で採用/不採用を判断してもよいが、いざ雇うとなったら、誰か一人でもいいからその人に目を掛けるルールでやること

  • 変な人を雇ってしまったとして、それを理由にその人を放置していたら許さない

2点目の理由としては、その人に対して最低でも日給(20万円程)を支払う必要があるからで、どうでもいいこと、ここでは「変な人」に対してお金を払う状態を許したくない、ということです。

つまり、雇うと決めたら誰かが責任を持って面倒を見るべき、というのが彼の採用論です。これは、ただ単に人材を採用すること以上の意味を持ちます。それは、採用された人材が組織にとって価値ある貢献をするためには、適切なサポートと育成が不可欠であることを認識していることを示しています。


また、幹部ホストA、Bの「幹部としてしっかりやってね」という発言に対してローランドは、「なぜ」それをやらなければいけないのかを具体的に伝えた方が良いと幹部達にフィードバックしました。

その「なぜ」として、以下を挙げています。

  • 右も左もわからない新人は、先輩の一挙手一投足を見て学ぶ

  • しかしそんな新人たちも、勤続年数が増えていくにつれて日々の業務に慣れて惰性で働くようになる

  • 惰性で働く先輩を見ることで、新人のモチベーションが下がる

  • そんな先輩が働く会社に対して、新人が不信感を抱くようになる

また、教育についても、

  • 最初に適当に教育をすると適当な後輩が育る

  • さらにその後輩を見て新人が適当に育つ

  • 悪循環に陥る

  • 気付くと店が三流になっていく

とも語っています。

これらの悪循環を断ち切るために、幹部としての自覚と責任が不可欠である、ということです。

彼は、幹部ホスト達に対して、リーダーとしての役割を果たす上で、ただ指示を出すだけでなく、その背景にある理由や目的も同時に伝えるべきだという教訓を示しています。このアプローチにより、メンバーは単に命令を実行するのではなく、その行動が組織やチームにとってなぜ重要なのかを理解し、より自発的に行動するようになります。


動画の最後にローランドは、店のために頑張ってもすぐには結果が出ないが、巡り巡って自分に返ってくる、という話をしていました。

  • 良い接客をすると店が良くなる

  • 店が良くなるとライバルが増える

  • ライバルは増えるが、流行っている店に良いお客様が来る

  • 良いお客様が来ると、結果的に自分のアベレージが上がる

というのが理由です。
これはどの仕事に対しても言えることだと思いました。


さいごに

ホスト業界が舞台の動画ではありましたが、採用・教育・リーダーシップついて学ぶことがたくさんありましたので記事にしました。具体的には以下のことについて書きました。

  • 幹部は不満だけでなく改善案を出すこと

  • 先輩は、新人に対して模範になる行動を取ること

  • 採用者は、責任を持って採用した人を教育すること

  • 部下に指示を出すだけでなく、その背景にある理由や目的を言語化して具体的に伝えること


何かの気付きになれば幸いです。

それではまた。

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