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清澄白河、陰影がきれいな川辺のホテル|マイクロトラベルアーカイブス#01

気がつくとiPhoneのOSが更新されている。アップデートはいつの間にかやってきて、いつの間にかどこかが変わっている。

同じように、今の暮らしも働き方も、いつの間にか「新しい生活様式」とか「アフターコロナ」という変な名前に上書きされているらしい。でも、そんな状況にも、もう慣れてきてしまっている人もたくさんいると思う。

このマイクロトラベルアーカイブスは、そんな新しい暮らしをより新鮮にするため、東京を中心とした小さな旅を記録する、メモのようなものです。

アーカイブ (archive) とは、重要記録を保存・活用し、未来に伝達することをいう。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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GoToトラベルキャンペーンはいい制度だと思う。出不精な僕が、安さに釣られて急遽ホテルの予約をしてしまうくらいだから。

その日、たまたまネットで見ていた清澄白河のホテル「LYURO 東京清澄」は、GoToトラベルを使えば1室1泊 ¥2000くらいで宿泊できるイカれた価格設定のホテルだった。

友達に声をかけて、翌週くらいにはもう清澄白河にいた。その日は金曜日、本来だったら仕事をしている日。でも幸い、リモートワークのおかげでWi-Fiさえ飛び交っててくれれば、どこでも仕事ができる2人だった。

15時40分、清澄白河の駅を降りて、隅田川の方へ歩く。
知らない街を歩くのは、不思議と楽しい。
それにこの日は、一生歩きたいほどいい天気。
こうなるともはや、金曜の午後なんて限りなく土曜日になる。
金曜が将棋の駒だったら、絶対に裏面に「土」って書いてあると思う。

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ホテルに着いて、チェックインを済ます。
諸々の説明を受けたあとにスタッフの方が「こっちの部屋は一面、川を見渡せますけど、どうします?」と声をかけてくれた。

一瞬悩んだあと「朝起きた時にテンション上がりそうなので、それで」と1人¥1,000ずつ追加で支払うのと引き換えに、僕たちはリバーサイドビューを手に入れた。

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ホテルは1980年頃の古い建物をリノベーションしたものらしい。宿泊する3Fの最大4人が泊まれるドミトリータイプの部屋は、今流行りのミニマルな装い。だけど随所に見られる丁寧なデザインや端正な配置、素材感、造作のすべてが無性に素敵に見えた。

¥1,000のアップグレードの恩恵として得た、リバーサイドビューは「トーマス・マックナイトが宿泊していたら確実に絵にしていただろうな」と思える美しさで、大きな窓から眺めていると、決して広いとは言えないこの部屋と川との境界線がなくなっていくような気がした。

現代人の酸素ことフリーWi-Fiも入るので十分、部屋でも仕事ができる。ただ、せっかくだからということで2Fにあるカフェ『PITMANS』で仕事をすることに。

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1人じゃ絶対にできない「カフェでMacを開いて作業」も2人だったら意外と気恥ずかしくない。

しかも、宿泊者にはウェルカムドリンクがつくから美味しいコーヒーもサービスでいただけた。美味しいコーヒーを飲むことも、こういう小さな旅の醍醐味のひとつ。

仕事を片付けて、すっかり暗くなった清澄を歩く。
夜ご飯は近くで見つけた博多ラーメン。
帰り道。食べすぎているのは重々承知の上で、コンビニでアイスを買う。
寒くもなく、暑くもない完璧なバランスの夜の清澄白河。

清洲橋を散歩していて気がついたのは、街の人が誰も急いでいないこと。
帰路に着く会社員も、トラックもタクシーも、ウーバーイーツの配達員も。
みんななぜだか、焦らず余裕を持って向かっているように見えた。
でもウーバーイーツの配達員は急いだほうがいいと思う。

次の日、カメラを片手に早朝の清澄を歩いてみた。

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ホテルに戻ると、川をイメージした青いロビーに気持ちいい光が射していた。

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1980年代の建物をリノベーションしてあるこのホテル。建物だけじゃなく空気感も現代のセンスで80年代を再構築したような雰囲気が漂っているのはなんでだろう。

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多分それは、掛けられたホックニーの絵だったり、配置されているインテリアがつくり出している当時の空気なんだと思う。

日が昇り切る前に、ホテルから歩いて10分くらいの清澄庭園へ。入園料150円を握りしめていたけど、交通系ICで決済できるのにはちょっと驚いた。

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庭園を出た後は、ブルーボトルコーヒーの旗艦店へ。
写真は撮り忘れちゃったけど、もう一回行きたい良いお店だった。
ブルーボトルでゆっくりしすぎたから、ギリギリくらいの時間にホテルに戻ってチェックアウト。

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川の反射や射し込む光、夜の清洲橋のライトアップ。
LYURO 東京清澄は光によっていろんな表情を見せる、次の日にでもまた行きたいホテルでした。

泊まったところ|LYURO 東京清澄




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