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リーダーのための!コーチングスキル

コーチングの本は多分10冊近く読んでいる気がしますが、Amazon Prime Readingで無料の本を探している中でこの本を見つけ、久しぶりにコーチングの本でも読んでみるか―という軽い気持ちで読んだら割とヒットでした。やっぱり基本的な知識も結構忘れてました。改めてここでアウトプットして、行動につなげていきます。

リーダーになるまで

タイトルに「リーダーのための!」とありますが、小学生の頃から集団のリーダーでいることが多くありました。小学校の学級委員長、児童会長、中高でのサッカー部キャプテン、委員会の委員長、などなど。小4まではそんなに目立たない少年でしたが、小5の時に「変わらなきゃ!」と思ったようで、学級委員に立候補しました。ただ、Nくんという優しくてイケメンな同級生に選挙で負けて、副委員長にしかなれなかったのですが、そこで自分の中のリーダーシップが完全に開花し、そこからは集団の中心にいることが当たり前になっていきました。

リーダーシップとは

では、自分はどんなタイプのリーダーだったかというと、最前列に立って集団を引っ張る、割と典型的なタイプのリーダーだったと思います。周りとコミュニケーションを取りながら、時に鼓舞し、ぐいぐい引っ張っていくのが自分のスタイルでした。しかしながら、このやり方でうまくいかないことも多々ありました。時に独りよがりになり、周りを思いやることができず、一人、また一人と自分のもとから離れていってしまうこともありました。そんな苦い経験もして、リーダーシップとは何かを考えた時に出会ったのが「コーチング」でした。

コーチングの対象

20代で教師になってから、カウンセリングについて独学で学びました。心理学の本を読み漁り、外部のカウンセラーを養成する講座にも通い、生徒の心の支えになれるようにと思って勉強をしました。そして、心の支えになるだけではなく、子供たちが自分たちで自立・自走できるように導いていくためにコーチングを学びました。当時は子供たちのためにコーチングのスキルを使っていましたが、今ではそれを部下のために使う立場になりました。部下を成長させることで集団を強化する、ひいては魅力的で強い組織が出来上がる。生徒も同僚も成長して、みんなWin-Winでいられる。それが理想です。

コーチングとは

前置きが長くなりましたが、ここからが本題になります。この本ではコーチングを下記のように定義しています。

コーチングとは、一言でいうと「引き出す」コミュニケーションです。「引き出す」とは、働きかけて、隠れているものを表に出すこと。相手から、気づきや行動を引き出し、変化と成長を促すために、しっかりと「聞く」姿勢が、コーチングの基本です。

「聞く」「質問する」「伝える」。この3つのスキルを使い、相手から引き出し、成長させる対話能力をまとめて「コーチングスキル」と呼びます。なので、この3つのスキルを高めていけば、周りの人を成長させ、自立・自走させることが可能になるというわけです。本書ではそのためのスキルを丁寧に説明してくれます。

KGIとKPI

その一つの例として、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)があります。なんか小難しいので、簡単に言うと前者が最終目標で後者がその過程でのマイルストーン(中間目標地点)です。例えば、「将来何になりたいかわからない」という生徒に対して、上記の3つのスキルを使いながらKGIを一緒に設定していきます。その目標が「〇〇大学にで〇〇を学びたい!」となったら、その大学に合格するためのロードマップを自分で考えていかせる、それがKPIになります。ポイントはこちらがロードマップを示すのではなく、自分で作らせ、実行をサポートしていくこと。ロードマップを作成する際には適宜アドバイスをしていきます。

例えば、

英語の偏差値を今から10上げたい→そのためには何をするべき?

まず単語と文法をつぶすべき→そのために何をする?

単語帳1冊と文法問題集を2周やる→いつまでに?

3か月以内に→じゃぁ1か月後の目標は?1日何ページやるの?

1日単語50個、問題集4ページ→できなかったら?

土日でできなかった分やります。→OK(^^♪

てな感じでKPIを設定させていきます。

その過程で自己分析力、計画性、自己管理能力、忍耐力など非認知能力を自分の力で身につけていくことになります。

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非認知能力は今世界的にも注目されていますが、簡単に言うと、目に見える、またはIQなどで測れる能力が認知能力なのに対して、目に見えない、IQなどで測れない力が非認知能力です。なぜ今注目されているかというと、この非認知能力こそシンギュラリティー(AIが人間の知能を超えること)が起こっていく社会の中で、AI、そしてロボットが持ちえない人間独特な力だからです。

GROW

そしてもう一つコーチングをする上で大事なのが、GROWです。これはG(Goal:目標)R(Reality:現実性)O(Options:行動の選択肢)W(Will:意思)の頭文字で、ビジネスコーチングで広く活用される代表的なフレームワークです。

上の例と同じですが、基本はやはり「ゴールを設定して」「現状とのギャップを明らかにし」「達成のための行動を決めて進めていく」ことなので、何も難しいことはありません。

まとめ

これまでに数百人の生徒・保護者・同僚に対して自分が培ってきたコーチングのスキルを使ってきました。それでうまくいった例もあれば、まったく効果がなかった、意味をなさなかった例もたくさんあります。もちろんスキルを持っていることで自分の身を助けてくれるのは間違いないですが、結局は人と人なので「相手を受け入れる」「本気で力になりたい」と思うハートが大切だとも思います。まだまだ続く教員人生の中で、さらにコーチングのスキルを高め、そして自分を成長させ、多くの人たちを彼らが望む方向へ導くことができればと思います。


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