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習慣が10割

最近「○○が△割」っていうタイトルの本多いですね。(「人は見た目が9割」とか)この「○○が△割」ってフレーズはそんなにキャッチ―なんですかね・・・。

ただ、この「習慣が10割」というタイトルは、私にはとてもキャッチ―に響きました。なぜなら、私も毎年授業で学習や進路の話をするときに『習慣化最強論』を唱え、高校生たちにレクチャーをしているからです。

なので、自分の理論をさらに強固なものにするために本書を読みました。なので今回は本書の内容と合わせて、私が授業で生徒に話をしていることをこちらで書かせていただきたいと思います。tomandfriedaの実践授業シリーズ第4弾となります(笑)

ちなみに第1弾は多様性について。

第2弾は貧困について書いたこちら。

そして第3弾はSDGsをテーマにした授業について書きました。

もしご興味がありましたらご一読いただければ幸いです。

さて、習慣です。

みなさんが身についている習慣は何でしょうか。

生徒に聞くと、「毎晩YouTubeを見ること」「スマホでゲームをすること」などなどが挙がり、「勉強!」っていう子はやはり少ないですね。(実際はいるんでしょうけど、声高らかには言えないですよね)

まず前提として、生徒の誰もが勉強をできるようになりたいし、自分の思い描く進路を実現したいと思っています。ただ、勉強はつまらないし、進路をかなえるには相当の努力が必要だし、一筋縄ではいきません。そこで、以下の3つの話をします。

①モチベーションの管理

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目標達成のために最も必要なのはモチベーションだと考えています。人は目標達成後の世界を夢見て、そのモチベーションを原動力に努力をします。

例えば、「○○大学に入って、将来△△になりたい」。美しいですね。または、「××大学に入って、女子にモテたい」。一見すると不純な動機ですが、それが彼にとって勉強を頑張る動機になるなら全く問題ありません。実際に昔の教え子で、高3の4月で偏差値50くらいの男子で、「K大学に入って、大手広告代理店に就職し、モテモテになりたい」という夢を描いている子がいたのですが(笑)、その子は朝誰よりも早く学校に来て勉強をし、毎日10時間以上勉強した結果、第一志望のK大学に合格し、その後Dという広告代理店に就職して、夢をかなえた生徒がいます。志望動機なんてなんでもいいのです。

そして、自信が最高の武器になります。これは脳科学とも関係しますが、人間の脳は私たちが思っているよりも騙されやすいものです。「できない」と思えばできないし、「できる」と思い続ければ大抵のことはできるようになります。だから思い込み最高なのです。

実は今まさに娘たちにその話をしたばかりです。うちの娘たちは算数に苦手意識があり、今まさに「算数イヤー」と言っていたので、「苦手、嫌い、って言い続けたら、本当に嫌いになって、いいことないよ!」と話し、「嘘でもいいから『算数得意!好き!』って言い続けよう!」と話したところです。実際はそれなりにできるのに、嫌い苦手!と言い続けているので、これはアカンと思いました。

ポジティブな言葉を使い、夢を実現した未来の自分をイメージして、脳にプラスに問いかけをしながら、「自分はできる!」と良い錯覚を植え付けることが重要、というのは本書にも書かれています。

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そしてモチベーションを考える上で、「マズローの欲求5段階説」を説明します。『欲求』というと何かネガティブなイメージが付きまとうかもしれませんが、言ってみれば社会は人々の欲で回っています。自己実現を果たすためには高次の5段階目の欲求を持ち、そこに向かって行動する必要があることを理解してもらいます。

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そしてディスカッションタイム。「やる気スイッチ」を見つけるのは大変ですよね・・・。

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よく「全然やる気が湧かねー」という言葉を聞きますが、やる気は勝手に湧いてくるものではありません。(そういう場合もありますが、そのやる気は長続きしません)

やる気は行動の先にあります。みなさんも経験があるかと思いますが、最初は本当にやりたくない宿題や仕事も、いやいやながら始めてみたら、いつの間にか全集中で取り組んでいて、時間が過ぎるのも気づかないほどだった、なんてことありますよね。

ここから習慣の話につながっていきます。

②学習習慣の確立

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ここで自分たちの習慣について考えさせます。上述の通り、今どきの子はYouTube、SNS、ゲームなどが習慣になっている場合が多いのですが、私は例として「歯磨き」を挙げます。

生徒たちは覚えていませんが、大体みな小さい頃は歯磨きを嫌います。しかし、親のしつけの中で「歯磨きをしないと虫歯になる」と恐怖心を植え付けられ、いつしか習慣化されます。一度習慣化されてしまえば、どんなに疲れていようが、眠たかろうが、歯磨きをしてから寝るようになります。習慣は感情や意思さえもコントロールできるのです。

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イケてる習慣は無理やりにでも作る必要があります。

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辛いことや面倒なことは皆できれば避けたいところです。しかし、初期の大変なステージを越えてしまえば、その習慣を崩すことが逆に恐ろしくなります。習慣化は最初が大変ですが、そこを乗り越えればあとは苦にならなくなります。

そして、本書には、この最初のステージの目標設定として、「小さな習慣」から始めることを指南しています。

当然と言えば当然ですが、最初から壮大な目標を立ててしまうと挫折する可能性は圧倒的に高まります。例えば、全然筋トレをしたことがない人が、「毎日腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回」と目標を立てた場合かなり高い確率で三日坊主で終わるでしょう。一方で、「毎日それぞれ10回」だったらなんとか続けることができるのではないでしょうか。(10回がきつければ5回でもいいと思います)

大切なのは習慣化すること、つまり続けることです。そのための阻害要因は一切排除すべきだと教えます。理想よりも実績が肝要です。

③コツをとらえた学習法

そして、習慣から少しだけ離れますが、話の流れとして効率的な学習法を生徒と一緒に考えていきます。

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日本人の多くが「勉強=テスト(定期試験や入試など)の準備」と捉えていると思います。これ自体が問題なのですが、それはひとまず置いておきます。このようなテストで高得点を取るための勉強というのはどうしても短期記憶になりがちです。皆さんも経験あると思いますが、テストのために一夜漬けで一生懸命覚えた知識がテストが終わったとたんに一瞬で消えてしまう、なんていうのはアルアルですよね。

これでは、せっかく頑張って覚えたのにもったいなすぎます。ですので、短期記憶を長期記憶に変える必要があります。

長期記憶にするためには、脳に「この情報は大切だ!」と勘違いさせる必要があります。そのためには、上記のようなテクニックを使うことも重要です。詳細は長くなるので、ご興味がある場合は下記のサイトをご覧ください。

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人は忘れる生き物です。それをエビングハウスの忘却曲線を使って、説明します。これを自覚しないと、効率の良い勉強もできません。

覚えることに注力するのではなく、忘れないことに集中すべきです。そのために、何度も同じことを繰り返しインプットし、脳に記憶を刻み、長期記憶にしていく必要があるのです。

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最後に自分の娘の話をさせていただければと思います。

私は教員なので、一般の人よりも朝が早いです。(毎朝8:00前には学校に着いています)ですので、毎日5:30に起床しているのですが、子供たち3人も一緒に起きて、5:30から6:30まで朝学習をしています。

長女(11歳)は5歳からこの朝学習を始めたのですが、最初は嫌で嫌で仕方なく、公文の宿題などを泣きながらやっていました。しかし、1年か2年くらい続けた後、自分で5:30に起きるようになり、今は国語、算数、英語を自分のペースで進めるようになっています。まさに習慣化の最たる例だと思います。お姉ちゃんの姿を見てきたので、下の子たち(7歳の双子)もそれが当然だと思い、それほど苦労せずに朝学習の習慣がついています。

自分も読書の習慣の他に、週1のランニング(8~10キロ)や筋トレをなんとか続けています。理想の自分に少しでも近づくために、しっかりと習慣化していきたいと思います。

習慣は、人生を通して役立つ最強のスキルなのです

筆者は本書の冒頭でそう述べています。私も同じことを信じていますし、それゆえに毎年高校生に上記のような授業をしています。習慣化は大変ですが、コツをつかめばだれでも可能です。良い習慣を身につければ人生が変わります。そのことを一人でも多くの方に知ってもらえれば幸いです。


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