見出し画像

人生を変える海外旅行術

Travel is the only thing you buy that makes you richer. 

「旅はあなたが買えるものの中で唯一あなたをさらに豊かにしてくれるものである」

つまり、旅はあなたにとって最強の自己投資である、ということです。これは旅好きの間では有名なフレーズです。この本の副題は「週末2日間・費用5万円で行ける海外旅行は最強の自己投資だ!」であり、旅を通して人生を豊かにし、仕事を成功に導くように指南してくれます。

旅が好きです。初めて海外旅行に行ったのは21歳の時(グアム)と遅かったのですが、24歳でオーストラリアで暮らし始めてから一人旅にはまり、今にいたるまで35か国に行きました。35か国中33か国は一人旅で、バックパッカーとしてユースホステルなどの安宿に泊まりながら世界中を回りました。ヨーロッパ一周やアメリカ横断、東南アジア縦断などをしていく中でいろいろな国の人たちと知り合い、異文化について学んだり、一緒に旅をしたりしました。旅を通して様々なことを学び、人間的にも成長することができました。

結婚して子供が出来てからはなかなか海外旅行に行くことができずにうずうずしていましたが、7年前に転機が。今勤めている学校の国際教育の責任者になり、仕事で海外に行く機会が増えていきました。留学や修学旅行のプログラム構築をしていくためにNZ、アメリカ、カナダの多くの高校・大学を訪れて、日本の教育に足りないものを学び、現地の教育者たちと交流をしていく中で、教師としても人間としてもまた一回り成長できました。おかげさまで2019年は仕事で5回、プライベートで2回海外に行くことができ、非常に有意義な一年でした。(海外出張の時もオフの日を使っていろいろな場所へ旅をしています)

さて、本の感想に戻りますが、この本では旅を読書や人脈と並び、人を成長させてくれる「最強の自己投資」と定義づけています。上記の通り、自分も旅を通して成長してきた部分が大きいので、著者の意見に全面的に同意します。変化が不変であるVUCAの世界において、国や社会は自分を守ってくれません。世の中の価値観が急激に変化する中、自分自身の変化に基づく、時代の変化に左右されない本物の知恵や情報を身に着ける手段の一つとして旅があると思います。

旅をするということは自分の慣れ親しんだ快適な空間から飛び出す(step out of a comfort zone)ことであり、未知の体験をすることができるだけでなく、新しい自分とも出会うことができます。それが旅の醍醐味といっても過言ではありません。

著者は自己成長できる旅の条件として以下の3つを挙げています。

1.必ず海外に行くこと

2.すべて自分で手配すること

3.一人旅

もちろん海外もいいですけど、旅をするなら日本も最高にいい国ですよね。私も海外旅行にはまってから、日本を全然回ってないことが情けなくなり、バイクを買って北海道を1周したり、家族を連れて全国津々浦々行った結果47都道県制覇しました。ただ、自己成長という点においてはやはり海外旅行の方が圧倒的に向いているのは間違いないと思います。

自分で手配するのも当然ですね。ツアー旅行とか参加したことがありません。若いころはホテルも予約せずに現地で探すことを自分のポリシーにしていました。そこでいろいろなドラマがあるからです。時にはホテルが見つからなくて野宿をすることもありましたが、すべてがいい経験です。

一人旅はさみしくなる時もありましたが、逆に一人であることで自由でいられるし、そして多くの仲間ができました。海外で出会って、今でも付き合っている友達もおり、そんな人脈も自分の財産だと思います。

ちなみに自分の旅のスタイルとしては、観光名所などにも一通り行ってみたりしますが、本当に心躍るのは観光地から外れた町の何気ない路地裏だったり、地元の人しか行かないようなレストランや公園だったりします。また、非日常を楽しむことに重点を置いており、パリの名も知らぬ植物園でぼーっと空を眺めたり、ギリシアで何時間もエーゲ海を眺めていたり、スイスに行ってアルプスの山の中で瞑想してみたり、そんな風に贅沢に時間を使うのが好きです。

また、作者は旅をすることで、決断力・行動力・マネジメント能力・情報収集力・情報整理力・問題解決力・危機対応力などを身に着けることができるとも言っています。そう言われれば、これらの力は仕事や日常生活だけでなく、旅を通して身についたものなのかなという気もします。

というわけで、『人生を変える海外旅行術』の内容をまとめるとともに、自分の中での「旅」の意義を考えてみました。家族もいるのでなかなか一人旅はできませんが、これからも死ぬまで旅を続けて、そして死ぬまで成長し続けたいと思いました。