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いつも旅のなか②

前回の続きになります。旅について語りだすと止まらなくなることに改めて気づきました(笑)

前回「国境越え」について書きましたが、まだ他にもエピソードがあります。

The Border

フィンランド⇒スウェーデン

20代の時に働いていた学校で中学3年生の担任をしていた時がありました。その時の学園祭のテーマが「World」だったのですが、私のクラスの子たちはフィンランドをテーマにした展示や出し物を企画していました。

当時は独身で自由気ままに生きていたので、フットワークがタンポポの綿毛のように軽かった私は、「オッケー、それなら夏休みにフィンランドに行って、サンタクロースに会ってくるわ。ついでに、北欧回ってくるわ」と生徒に宣言し、有言実行したのでした。

ちなみに当時の私の旅のポリシーとして、「ホテルは現地で探す」というものがあります。現地に着いてから自分の足でよさげなホテル(といっても大概ユースホステルなどの安宿)を探します。非効率的かも知れませんが、そこにロマンを感じていたのです。

なので、この時もヘルシンキについてから自分の足でホテルをいくつか当たってみたのですが、安宿のみならずちょっと高そうなホテルもすべて満室になっていました。5軒目のホテルくらいで、これはおかしいなと思い、ホテルマンに事情を聞いたところ、その週に有名なお祭りがヘルシンキであるらしく、ヨーロッパ中から観光客が来ているとのことでした。

ちなみに、旅をするときは毎回格安航空券で行くので、到着時間が夜遅くだったり、早朝だったりすることが多かったのですが、この時も夜9時くらいに空港についてからの部屋探しでした。11時くらいになっても今夜泊まる宿が見つからないので、もうそこであきらめて野宿をすることにしました。どこか適当な野宿場所はないかと探していたら、素敵な教会があり、その敷地内の芝生の上で寝ることにしました。そうして眠りについて間もなくして、近くで物音がして起きたのですが、同じ敷地内になにやら人影が。こちらの存在に気が付いたらしく、こちらをじっと見ています。そこで悟りました。「ここはあの方(ホームレス)のテリトリーで、私は勝手にそのテリトリーに入ってしまった」と。トラブルになる前に、軽く謝って、そそくさとそこを辞去し、結局朝まで港で時間をつぶしたのは今となってはいい思い出です。

さて、そろそろ国境のお話を。

初日から想定外のことが起こりましたが、そんなのも「旅の醍醐味」くらいにしか考えておらず、その後もマイペースに旅をしました。(こうやって他人を気にせずに旅できるのが、一人旅の一番のアドバンテージだと思います)

ヘルシンキからフェリーでエストニアの首都タリンに日帰りで行き、その後フィンランドに戻ってタンペレというムーミンの町に北上し、さらに北上を続け、今回の目的地であるサンタクロースの村と呼ばれるロヴァニエミに到着しました。

無事に「本物」のサンタさんとも会えて、一緒に写真も撮って、生徒にお土産も買って、この旅の目標を達成しました。

その後、フィンランドからスウェーデンへ陸路で国境を越えることにしました。しかも徒歩で。

それまでも陸路で国境を越えたことは何度もあったのですが、徒歩で越えるのは初めての経験でした。町の名前を憶えていないのですが、おそらくフィンランドのトルニオという町から歩いてスウェーデンのハパランダという町へ行きました。

当然ヨーロッパなので、国境を越える際のパスポートチェックなどありません。というか、幹線道路が一本あって、そこに普通に車が往来しているのですが、国境のところに目立たない標識が一つあって、それがなければ国境だということさえわかりません。(こんな感じ↓)

http://yama.world.coocan.jp/b03sweden.html

ちなみにフィンランドの通貨はユーロ、スウェーデンはクローネです。なので、このボーダーを越えると今まで使っていたユーロはただの紙切れになります。そして時差も1時間あるんで、時計も直さなくてはいけません。実際に歩いて国境を越えた後に、両替するまで何も買えないことに気づき、フィンランドに戻って飲み物を買ったりしました。それが面白くなって、一人でフィンランドとスウェーデンを行ったり来たりして楽しみました(^^)

アメリカ⇒メキシコ

世界がコロナ禍になる前の2020年2月にアメリカからメキシコに徒歩で行きました。これ以来海外に行っていません・・・。

非リゾート

リゾートという言葉から連想するもの。透き通った海と高い空。ゴージャスなホテル。ゴージャスな休暇。地酒ではないアルコール。
私の旅はいつも、おもに経済的理由から、リゾートという言葉とはかけ離れている。リゾートに出向いても、それはなんというか、リゾート的休養ではなく、単なる海沿いの旅なのである。

「いつも旅のなか」より

私が初めていった海外旅行は、大学生時代に当時付き合っていた彼女と行ったグアムでした。まさに「ザ・リゾート旅」。英語もほぼ必要なく、ビーチに行ったり、プールで遊んだり、おいしいもの食べたり、クルーズツアーに参加したり、まさにリゾート感100%で楽しかったです。

それ以来、世界中いろいろな国を訪れる中でリゾート地と呼ばれる場所にもたくさん行きましたが、バックパッカーとしての貧乏旅行者にとってはそのいずれもが「単なる海沿いの旅」でしかありませんでした。

例えば、タイのプーケット。20代のころタイ⇒マレーシア⇒シンガポールを陸路で縦断したことがありました。その行程の中でなんとなくプーケットに訪れてみました。

バンコクからプーケットに行くバスでカリフォルニア出身の陽気な女子三人と仲良くなり、リゾート地での楽しいバカンスを期待したものの、プーケットに着いてからその子たちと会う機会もなく、結局一人で過ごすことになりました。

しかも、バスを降りたらなぜか旅行代理店の前で、「ホテルの予約がまだの人はここで予約できますー」とのことだったので、じゃぁよろしくと頼んだら、着いてみてびっくり。小汚い格好のバックパッカーにはおよそ似合わない、オーシャンビューのリゾートホテル(しかもキングベッドが二つあるツインルーム)でした。価格はそこまで高くなかったので、ラッキー!と最初は思ったのですが、一人リゾート地で素敵なホテルに泊まっても全然楽しくないことをこの後思い知りました・・・。

ビーチに行っても、一人なので海に入ることもできず(荷物を見ててくれる人がいないので)、買い物を楽しむわけにもいかず(荷物が増えては困る)、結局一人でムエタイを見に行くくらいしか娯楽がありませんでした。

タイ料理は大好きなので、レストランでおいしいものを食べようと思っても、リゾート地だから高いし、一人客もあまりいないんですよね。(そりゃそうだ)バンコクではカオサン通りで30円のパッタイを毎日食べてたのに、プーケットでは1000円くらいするトムヤムクンを食べたりしましたが、量が多くて、一人で食べきれず・・・。

「もう一人でリゾート地に絶対行かねー」とその時心に決めましたが、実際はその後も何度も一人でリゾート地を訪れました。なぜかというと、海をぼーっと眺めるのが好きだからです。

世界中いろいろなところに行きましたが、旅を通して得た一つの結論としては、「世界中どこに行っても都市は都市。ニューヨークもロンドンもパリも素晴らしいけれど、自分が一番癒されるのは自然の中にいるとき」ということでした。

これは別に海外に限ったことではありません。私は今でも連休があるたびに家族でキャンプに出掛けますし、平日休みを使って一人で登山やトレッキングに行ってます。あくせくした日常から離れ、自然の中に身を置くことで「心の洗濯」をするためです。

ですので、リゾート地や海に面した町は大好きですね。太平洋、大西洋、インド洋、アドリア海、エーゲ海、いろいろな海をぼーっと数時間眺めて、サンセットを見届けるっていうのが自分の中では至福のひと時でしたね。

なので岬も好きです。世界中いろいろな岬に行きましたが、やはり印象に残っているのはロカ岬(Cabo da Roca・ポルトガル)とランズ・エンド(Land's End・イギリス)ですね。前者はユーラシア大陸最西端、後者はイギリスの最西端です。「最果て感」がたまんないんですよね。(トップの写真はロカ岬です)ちなみに日本なら、神威岬、地球岬、宗谷岬(いずれも北海道)や辺戸岬や真栄田岬(いずれも沖縄)、犬吠埼(千葉)、足摺岬(高知)なども好きですね。

まとめ

旅について思いのままに書かせていただきました。まだ書き足りないですが、それでもこんなに自分の「旅感」について書く/話すことはめったにないので、楽しかったです。

仕事ではありますが、来月オーストラリアとアメリカに、再来月にはイギリスに行く予定です。多少なりとも自由な時間はある予定なので、久しぶりの海外を堪能してきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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