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アメリカ海軍からチーム作りを学んでみた。

こんにちは、かわぐちです。

今日は面白すぎて1日で読んでしまったこちら、

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチームの作り方」
著:マイケル・アラブショフ
訳:吉越 浩一郎
出版:三笠書房

をご紹介します。

あ、帯がつけっぱなしなのは特に理由はありません。
そーゆーこだわりは一切なく、単に捨てるほどのものでもないから付けてるし、読む時に邪魔やと思ったら外す、そのレベルです。笑

超長い前振り(忙しい人は読まなくていい笑)

私はこう見えて(どう見えて?)本好きでございまして。
小中学生の頃は3度の飯より本が好きなレベルで、休み時間中もずっと本(陰キャともいう)読んでいて、授業が始まった事にも気づかないレベル。
高校時代はスマホの持ち込みが禁止されていたので代わりに電車の暇つぶしに本を読んでいました。
毎週図書室に通って、当時は山田悠介さんを漁りまくってました。

で、いっつも物語ばっかり読んでいるんですよ。
ちなみに一番好きな作家さんは重松清さん。
好きな本はちょっと選びきれないので割愛。笑
重松さんも好きですが、ジャンルとしては海外のファンタジー系も好きです。

そんな私が今回、遂に自己啓発本に手を出してみようと思いまして。
というのも、自粛で自分の時間が増えたので、最近忙しくてできなかった読書をして頭を養おうと思ったわけです(就活にも使えるし)。

それで選んだこの一冊、実は購入したのは高校生の時でした。
当時は読んでも一切わからんし面白くなくて。笑
でもなんとなく実家から持ってきていたことを思いだし、手に取ってみたら、、主将になったこともあるのでしょう、これが素晴らしくて!!

前振りが長くなりましたが、特に印象に残った3点ほど、かいつまんでご紹介したいと思います。

この本のざっくりとした概要

この本の作者、マイケル・アラブショフさんはアメリカの軍人で、海軍艦「ベンフォルド」を艦長として引き継ぎます。
その前任艦長の退任式で彼は衝撃を受けます。

その日は、前任の艦長の退任式という式典からスタートする。
(中略)
艦長は家族に伴われて艦を後にした――。
この光景を見ていて、私は愕然とした。
彼が去っていくのを見つめる約300人の乗組員たちに、惜別の情などみじんも感じられなかったのである。それどころか、むしろせいせいした、
というような顔つきにも見えた。
(中略)
私が引き継いだのは、上司への信頼感が持てず、この場所にいることに苛立っている、不機嫌な部下たちだったのである。

彼が引き継いだ艦は組織としてまるで機能していない、最悪の状態でした。
そんな艦を、彼はわずか6か月で全米1と評価される艦に育て上げました。
しかも乗組員の構成はそのままで。

彼がその6か月間で何を考え、何に取り組んだのか。
人の心のつかみ方、チームワークの活かし方についてが書かれています。

感動ポイント①「もっと良いやり方はないか?」

マイケルさんは、部下に仕事をマニュアル通りにミスなくこなさせる、のではなく、常にその仕事を「もっと効率よくこなせる方法を考えよ」と指示をしています。
それは自ら考え、判断して行動する力を養うためです。

この考え方には衝撃を受けました。
私が後輩に指示を出すときは、いつもとにかくミスがないように、という指示を与えていたからです。

私は後輩に何かしら後輩に仕事を引き継ぐとき、いつも先輩から教わった通りにそのまま教えます。
それは伝達漏れや作業でのミスが出ないようにするためです。
「この通りにやってね」
いつもそう言ってきました。
それが昔から部で引き継いできたやり方だからです。
しかし、それには私が気が付かなかった不毛な作業が含まれている可能性があります。
かつて後輩に、「このやり方の方が楽なのでこれでもいいですか?」
と聞かれた時、「まあ、、うん、、ミスがないならいいけど、、」
という返事をしたことがあります。
これでは後輩は、この人は新しいものを受け入れてくれない、自分の意見を聞いてくれない、と思ってしまいますよね。

自分で考えて行動する、というのは、ミスが出ないように最善を尽くせることではなく、物事の改善のために考えて行動できる人、であるという事であり、私は考えて行動できるという意味をはき違えていたなあと思い知らされました。
そして、私に必要な事は後輩の意見を柔軟に受け止め、実行させるときには責任を背負う覚悟をしっかり持つことだという事。
そうしなければ、もう2度と後輩はいい案を思いついても提案してくれなくなるでしょう。

感動ポイント②部下がミスをした時は?

さて、次はいざ後輩にやらせた結果、ミスが生じた場合です。
これは今すぐ私が実行しなければならないと感じた事です。
マイケルさんは、部下がミスをしたとき、自分に以下の3つの質問をするそうです。

①目標を明確に示したか?
②その任務を達成するために、十分な時間と資金や材料を部下に与えたか?
③部下に十分な訓練を与えたか?

そしてこの質問をすると、原因の90パーセントくらいが、当人と同じくらい自分にも責任があることに気づけたのだと。
それ以来、彼は目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しないかぎり、もう2度と命令を口にすることはしない、と心に誓ったそうです。

これを読んで、私は昨シーズンの自分を反省しました。

昨シーズン(大学3年)の大会中、とにかく後輩の仕事面でのミスが目立ちました。
私たちのチームは少数精鋭なので、後輩は試合に出場しながらも仕事をこなしていました。
レギュラーでなかった私は、会場での仕事に関しては全力でサポートに入っていましたが、宿舎や練習中の仕事に関しては後輩に任せてありました。

そしたら宿舎内での仕事でミスが多発。

毎大会ごとに起こるのでさすがに4年生から私たち3年に後輩どうにかしろ、と指導が。
そこで私たちは同期で話し合い、そもそも何が原因でこんなにもミスが多発するのか、という事から話し合いました。
その時原因として挙がったことは、後輩が勝手に判断をする、という事。

例えば、団体戦の日は、ジャグにスポーツドリンクを作る、という部則があります。
しかし、ある団体戦の日、中身がお茶だったので後輩に聞くと、
「気温が低かったからお茶にした、スポーツドリンクだとべたつくので、洗う手間がお茶の方が省ける」
と言われました。
その時は同期そろって確認もしないで勝手な行動をするな、と指摘しました。
今これを読んだだけでは同じように感じる人がほとんどだと思います。

しかし、ここでさっきの3つの内省をしてみます。
かなり会社向けの文なので、部活ふうに書き換えると、

**①目標を明確に示したか?
→なぜそうするかの説明をきちんと行ったか?

②その任務を達成するために、十分な時間と資金や材料を部下に与えたか?
→私のサポートは果たして後輩の仕事の支えになっていたのか?

③部下に十分な訓練を与えたか?
→普段から仕事ついて報告をするように指示していたか?**

となります。
今こうして振り返ってみると、私たちは確かに試合の日はスポーツドリンクを作るように指示をしましたが、なぜそうするのかなど、具体的な理由を説明したことはありません。
同じ下級生だった時にそう言われていたからそうしたまでです。

私はサポートを試合中は必死にやっていました。
後輩が試合に出る以上、彼女たちが少しでも心地よく試合ができるようにするのは当然のことですし、その姿は先輩にも評価されていました。
しかし、それにおごっていたのでは?
彼女たちはスポーツドリンクでべたついたジャグを洗うことが億劫なほど、仕事の時間に追われていたのかもしれません。
そう考えれば私ができる事は他にもっとあったはずです。
それだけでなく、宿舎で少しでも気にかけてあげることができれば見抜けたことかもしれません。

その大会は、1年生が入ってきて初めての大きな大会でした。
それゆえに、ここまでミスが起こるとも想像していなかったのです。
それに、今まで(大学2年まで)は私たちも仕事をする側でしたから、何かしらの報告などはいつも自分たちが行っていて、後輩にやらせたことがありませんでした。
自分達がやった方が早い、それは事実ではありましたが、それでは後輩が報告できる人間に育っているはずもありません。

以上を踏まえると、昨シーズンさんざん後輩に仕事ができないポンコツだと言ってきましたが、本当にできていないのは私たちだったなと、猛省しました。
あー恥ずかしっっ。

感動ポイント③部下に権限を与えるときに必要な事は?

これはこれからの取り組みで必要だと感じた事です。

私もマイケルさんのように後輩には考えて行動できる人間に育ってほしいと思い、各々にある程度の仕事を任せています。

そこまでは良いのですが、いつも何かを任せる時、何をどう具体的に取り組んでもらってチームに貢献してほしいのか、という事の説明に戸惑います。
とりあえず任せて、あとは考えてくれ、みたいなスタンスになってしまうことがしょっちゅうです。

そんな、部下に仕事の権限を与える時必要な事、それが、
「部下に任せる際に、指針を与え、その範囲内で自由に動き回ることを許可する事」
なのです。

私は実際に何かを任せるor他の先輩から引き継いだ仕事をしている後輩に対して、思っているような成果が見られなかったとき、なぜそのくらいのこともできないのか、と感じてしまうことがあります。

例えば、部の結果速報に使っているTwitterでの確認不足による誤字脱字。
これが立て続けに起こってしまう事がありました。
その時、何度もちゃんと確認するとか、第三者の目を通すなり対策をしろ、と言い続けました。

しかし、ただ注意をするだけでなく、後輩に何が必要で、最低限どういう事は守ってほしいのか、という事を伝えてあげることが必要なのではないかと感じました。
ただただ注意をされ続ければ、次は怒られないようにといろんなことに注意を向けてしまい、怯えながら仕事をすることになりかねません。

単純なことに聞こえるかもしれませんが、仕事ができるできないは、人によるのです。決してこれくらいのことがなぜできないのか、と攻めてはいけないのです。

私に必要な事は、それを伸ばしてあげる事。
一人一人が持つ良さを引き出すためにどんな言葉をかけるかを、考える必要があるのだと、改めて考えさせられました。

まとめ

いかがだったでしょうか。
この本の何が一番いいって、伝えたいことがとても簡潔に書かれていて、一つのメッセージに対して書かれている文章が非常に短いのです。
だからとても読みやすい。

さらに、一つ一つ具体的に事例が書かれていて、情景もイメージしやすく、自分だったらどのときに当てはまるだろうか、と考えながら読むことができます。

今まで何冊か冒頭だけ読んでみた自己啓発系の本がとっつきにくかった理由は、これだと思いました。
ただただ文章で説明されるだけではあまりイメージが付きにくいのです。

想像しながら読み進められるので、今すぐにでも実践したくなる方法が盛りだくさんでした。


今は自粛期間で、部活ができません。
それに、夏の全国大会の中止が発表されました。
今、どうしたらいいのかが正直見えません。

でもこの本を読んで、一つ目標が新たにできました。
今のチームで戦う団体戦は、多くて2つです。
それがなくなったとしても、部活として一番の喜びである勝負ができなくても、このチームでよかったと思ってもらえるために、私にできることをしてチームの輪を深めることが必要だと。

夏の全国大会が引退だった他大学の同期はたくさんいます。
私たちは秋のリーグ戦まで元々残る予定だったのですが、それでも最後の全国大会の中止はこたえるものがありました。

でも私は、ここで止まったら勝ち負けで言うところの負けや、と思っています。
今必要な事は、大会がなくなったやってられん、なんて言ってる暇はないのです。
試合がなくなっても、これからの人生は続くし、腐ってる間にも人生の貴重な時間というのは失われていくのです。
私たちにとっては競技人生最後だったかもしれない試合でも、後輩たちには先があります。
来年は彼女たちが全力で試合ができるような土台作りを、私たちは今からする必要があると思います。



いつかこの時のことを笑いながら、同期とおいしいお酒が飲めたらいいな~。笑

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