魔のカーブ

私は夜更けの山道を走っていました

前後に車のライトは見えず

私は一人でハンドルを握っていました

そして突然

私の車の後部座席に

あの女が現れたのです

私は驚きと恐怖で

心臓が止まるかと思いました

車を止め、逃げ出そうとしましたが

金縛りにでもあったように

私の体は動きません

ただ、右足だけが

アクセルを

強く踏み続けていた事を覚えています

女は私の耳元で

何かをしゃべり続けていました

でも私は女が何をしゃべっていたのか

何も覚えていません

そして女は

ゆっくりと前方を指差しました

私は女の指差す方を見ました

そこはこの辺りに住む人たちから

魔のカーブと呼ばれている

とてもきついカーブでした

私はそこで事故を起こしました

それから私は

この場所を通りかかる車の

運転者の耳元で

この話をするのです

そして魔のカーブを指差して

危険を知らせるのです

あなたも

この道を走る時は

私の言葉に耳を傾けて下さいね

そう

あなたの街の近くの

あの道です

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