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NES(夜食症候群)の長期的な影響と類似症状

夜食症候群(Night Eating Syndrome:NES)は、床に就いても頻繁に目が覚めてしまい、"何かを食べてからでないと眠ることができない"という心の状態を言います。

NESは多くの場合、睡眠と食べ物への依存感、羞恥心、うつ症状などを経験しますが、現在は様々な治療法や対処法が存在しており、症状の改善をすることが可能となっています。

前回の記事では、NESの特徴、有病率、症状、原因についてお伝えしました。

今回もNES(夜食症候群)について、長期的な健康への影響など、より詳しい内容をお伝えしていきます。

NESの長期的な健康への影響

NESの症状は、それぞれのライフスタイルや将来的な健康に影響を与える可能性があります。

NESの人は、夜間に一日の食事量の大半をとるパターンを持っているため、会食などの社交的な集まりや、友人や恋人との食事、家族付き合いなどの人間関係に苦労することがあります。

また、体重の増加、心臓、胃腸、甲状腺の疾患などを引き起こす可能性もあります。

それ以外のNESによる長期的な健康への影響は以下の通りです。

・糖尿病
・肥満
・動脈疾患
・高血圧
・睡眠障害
・うつ症状
・不安障害
・過食症
・拒食症

過食性障害(BED)と夜食症候群(NES)

過食性障害(Binge Eating Disorder:BED)は、食べ過ぎの繰り返しによって強い苦痛を感じる症状を言います。

夜食症候群(NES)と過食性障害(Binge Eating Disorder:BED)は、不規則な食習慣と強いストレス症状が共通していますが、NESは夜間に発症するのに対して、BEDは時を選ばずに発症する可能性があります。

また、NESは"夜間に発症する"という特徴によって睡眠に影響を与え、BEDは"いつでも発症する"可能性があるため、自己コントロール感の喪失を伴います。

したがって、夜だけ食べたくなるのがNESで、いつ(朝昼晩)食べたくなるかわからないのがBEDとなります。

睡眠関連摂食障害(SRED)と夜食症候群(NES)

睡眠関連摂食障害(Sleep Related Eating Disorder:SRED)は、睡眠中もしくは半覚醒状態で、無意識に飲食を繰り返す症状を言います。

夜食症候群(NES)と睡眠関連摂食障害(Sleep Related Eating Disorder:SRED)は、どちらも睡眠に関連するという点では似ているかもしれません。

しかし、NESは起きてから意識的に食事をとり、SREDは睡眠状態で無意識のまま飲食をおこないます。

したがって、睡眠から目覚めて意識的に食事をとるのがNESで、睡眠中に無意識的に食事をとってしまい翌日食べたことをおぼえていないのがSREDとなるのです。

次回は「夜の過食をやめる方法」をお伝えします。

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