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シンガポールで朝から酔っ払うと、僕はドラえもんに再会した Singapore Travel 2022 #4

マリーナ・ベイ・サンズで迎える朝。早いものでもう最終日。

朝の散歩をしたあとで、朝食のバイキングへ。青いお米をみつけたので勇気をもって食べてみたら、普通のお米と変わらなかった。ここまでは良かった。

最終日、夜22時発のフライトまでにどう過ごそうか胸を躍らせながら、トマトジュースをぐびぐび飲んだ。

何かがおかしい。。だんだん顔が赤くなって酔っ払ってきた。。

トマトジュースと思って飲んだものをよくみると「BLOODY MARY」と書いてある。お酒が飲めない僕にはこの名前を見てもお酒の名前とはわからず、「血行に良さそうなジュース」くらいにしか思わなかった。さらに黒い名札をみたら小さく「CONTAINS ALCHOL」(アルコールを含む)と書いてある。にんじんジュースとオレンジジュースの隣にさりげなく置かれたサーバーのせいで、ひっかけ問題に見事にひっかかった気分だ。

意識がだんだん朦朧としてきて、そのままホテルの部屋へと戻り熟睡。11時チェックアウト直前にもう一度、インフィニティプールに行って目を覚ました。相変わらずハプニングの多い人生である。

気を取り直して出発。ちなみに今回の旅で予想外に活躍したのがAppleWatchのWalletだ。

VISAとMaster Cardが地下鉄でもバスでも使えるのだが、AppleWatchのウォレットに入れておいたおかげで電車もバスもこれ1つでサクサク乗りつぎができて、とても役に立った。決して彼らの回し者ではないがシンガポール行く人にはおすすめしたい。

そして向かった先はシンガポール国立博物館。シンガポールの歴史を見るつもりが、まさかのドラえもん展をやっていて、気がつけばドラえもん展の方のチケットを買っていた。

たくさんの原画が見れて、泣きそうになるくらい感動した。小さい頃からずっと好きだった漫画。まさかシンガポールで再会できるんて。ありがとう、ドラえもん。ところどころ原画に混じって、藤子・F・不二雄先生の言葉が紹介されていて、それがまたグッときた。

「私がいつも目指してたものは、描くこと自体を楽しみながら、読者も楽しめる漫画をつくることだった」
「私がいつも大事にしていたのはやることすべて"楽しいかどうか"を第一優先にしていたことだ」

写真の下に訳のキャプションをつけてみたが、高校時代英検2級留まりの宇都宮訳なのでより詳しい訳を知りたい人はGoogle先生に聞いてほしい。だが大事なのは大意だ。だいたいでいいのだ。

また2枚目の写真の下に「小さい頃の夢や希望、好奇心に素直であり続けるということ、そういう気持ちで収集した写真などはすべて漫画を描くのに役立った」と書いてある。たしかに僕も今回撮った写真の多くは、自分の楽しみのために撮っていたし、その一部が結果的にnoteを書く上で役立った。トマトジュースとBLOODY MARYを間違えたこともネタの1つと思えばよしとしよう。

それからリトルインディアに行ったり、馴染みとなったオーチャード通りに行ったりした後、僕は「直感バス」に乗った。「直感バス」とは「直感でバスを選んでそれに乗り込み、そのまま行く先をバス任せにする」という高度な旅の楽しみ方である。(あるいは無謀かつ無計画な選択肢ともいう)

直感バスが導いてくれた場所は、国立のボタニカルガーデンだった。あまりに広すぎて、帰国フライトのことまで考えると、すべてを回ることができない。「洋蘭」に絞って僕はそこを回ることにした。なぜ、「洋蘭」だったのかと問われても答えられれない。

しかし、やはり直感は間違っていなかった。ものすごく自然のエネルギーに溢れたこの場所は、最後に訪れる場所としては最高に気持ちのいい場所だった。

母親が花好きであることを思い出し、改めて、ちゃんとしっかり花を撮って写真を送ってあげようと思った。

わけもわからず夢中で撮ったが、とても楽しかった。まるで制限時間のなかで玉入れ競争をするみたいに、残された時間をしばしば確認しながら、花の写真を1枚でも多く撮ることに没頭した。それでも全部は回れない。

もしかしたらもっと素敵な花があったかもしれないし、もっと素敵な場所があったかもしれない。でも、悔いはなかった。それが旅というものの本質だと思った。人生と同じで限られた時間のなかではすべてを巡ることはできないのだ。

だとしたら、たとえ偶然だとしても、心躍るままに巡り会えたものを楽しんだほうがいいし、巡り会えたものに感謝をしたい。

「旅というものは縁の糸によって導かれて行われる」

日本画家・東山魁夷

喫茶店での友人との何気ない会話ではじまった今回の旅。意味や目的なんてなく、完全にノリだった。ノリで旅をするというのは大人になるにつれ、意外なほど難しくなっていくし、とても贅沢なことのように思えた。

今回、一緒に旅をした友人には心から感謝したいし、またいろんな人と旅をしたいと思った。帰りのフライト時には、もう次に行く国をどこにしようと思いを馳せていた。ありがとう、シンガポール。

追伸
今回の一連の旅記事が、初めてnote編集部に「今日の注目記事」に選ばれたり、スマートニュースに取り上げていただいたり、嬉しい体験を味わうことができました。ありがとうございました。

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