びっくり❗❗❗❗🧔GAFAのCEO🧔が、ぼくのおうち(🏢港区タワマン🏢)にやってきた❗❗❗❗
まるで春のようにあたたかな日だった。
お昼ごろに起きると妻はこの前買ったフェラーリでドライブに出かけたみたいだった。
バウハウスのビンテージのテーブルの上にはスタバのスコーンが置かれていた。ぼくはブルーボトルコーヒーで買った豆で丁寧にコーヒーをたてて下北沢の輸入雑貨屋で買ったファイヤーキングのマグカップで飲んだ。ブルーボトルコーヒーはシアトルで飲んだのと同じ味がするので好きだ。
べランダの外には麻布十番の町並みと東京タワーが見えた。ぼくは今の生活に満足している。なんだか今日もいい一日になりそうな予感がした。
おもむろにインターフォンがなった。出てみるとそこには黒地に白い文字でGAFAと書かれたトレーナーを着た男がいた。男はテレビでよく見るGAFAのCEOだった。ぼくはこの男からこの前メールで連絡をもらったばかりだった。
「突然失礼します。東京ちんこ倶楽部さん。GAFAのCEOです。今日は近くを回っておりましたのでご挨拶だけでもできればと思いお伺いしました。いまお忙しいでしょうか。少しだけお時間をいただくことは可能でしょうか。」
ぼくはインターフォンを切ってタワーマンションのエントランスのドアーを開けてあげた。それからもう一度インターフォンがなった。エレベーターホールに入るときにインターフォンがあるからだ。また開けてあげた。それから少ししてからまたインターフォンがなった。エレベーターで上がったあとにエレベーターホールを出るときにもインターフォンがあるからだ。また開げてあげた。
それから急いでコム・デ・ギャルソン・オム・プリュスの黒いセットアップに着替えた。ちょうど着替え終えたころにまたインターフォンがなった。ぼくの部屋のドアの前にもインターフォンがあるからだ。
ドアを開けるとGAFAのトレーナーを着たGAFAのCEOが、GAFAのトレーナーを着た若い男と立っていた。二人ともスティーブ・ジョブスのようにリーバイスのブルージーンズとニューバランスのグレーのスニーカーをはいていた。ぼくは彼らを部屋に招き入れた。
彼らがベランダの前に立って港区の町並みと東京タワーを眺めている間、ぼくはもう一度ブルーボトルコーヒーで買った豆でコーヒーをたててファイヤーキングのマグカップに注いで、ビンテージのバウハウスのテーブルに置いた。ことり、という音がした。それは普段よりも大きく響いたような気がした。
「素晴らしい眺めですね」とCEOが言った。
「ありがとうございます」とぼくは言った。
「それにこちらも住まわれているみなさんも素晴らしい…。私はもう何度もテレビに出ています。それもいつも今着ているGAFAのトレーナーを着て。一目見て、私がGAFAのCEOだと気づかない人はいないでしょう。しかし、このタワーマンションの住人の皆さんは、誰一人として私に声をかけることをしなかった。十二分にわかってらっしゃるんですよね、このマンションが、この街が、どういう場所かということを…」
「ありがとうございます。こちらへ…」
ぼくはコーヒーをすすめた。
「うん。うまい。これはブルーボトルコーヒーの豆ですね。シアトルで飲んだのと同じ味がします。懐かしいですねぇ…」
「ありがとうございます。」
少しの間、沈黙が訪れた。
若い男の顔つきにはこれと言って特徴はなかった。ただ、その顔からはまったくと言っていいほど感情を読み取ることができなかった。
沈黙を破ったのは、CEOの一言だった。
ここから先は
¥ 1,000
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?