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『ぼくは強迫性障害』で採用されなかった部分の原稿(その2)
※ ひとつ前の話→1 こだわり君の登場以前 気違い踊りをやっていた頃
『ぼくは強迫性障害』という本を出版した時、編集の関係で出版された本から削られた部分があるので、それを公開しています。
確かに致命的に重要な部分ではなく、なければないで本として成立すると思うのですが、あったらあったで面白いと思う読者もいそうなので、そこはなかなか難しいところだったと思います。
下記の原稿です。
第2章 私
ヒステリックな女教師の思い出⑬
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑫
次の日は土曜日で学校は休みだった。
目を覚ますと9時だった。
居間に行くと、幸子ちゃんは新聞を読んでいる。
「パパ、昨日は深夜に泣きそうな声で電話していたけど大丈夫」
「起きていたのか」
「起きちゃっ
ヒステリックな女教師の思い出⑫
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑪
家に帰る途中、ぼくは道を歩きながら、歌っていた。
「どなってどなってどなありー、叫んで叫んで叫び―まくる。ホントにィ、ホントにィ、怖かったァ」
と、指揮をするように両手を振りつつご機嫌で歌っていた。
ヒステリックな女教師の思い出⑪
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑩
気が付くと、客席や舞台のある薄暗い場所にいた。
それは、結構広めの公民館のような場所である。
客席はほぼ満員。熱気にあふれている。
『日本全国から選りすぐりのヒステリックな女教師たちが登場』という
ヒステリックな女教師の思い出⑩
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑨
店に入るといつものように、「うっちっち、今日も大登場」と言って、手をぶらぶらさせる「気違いのポーズ」をやった。どうも、酔っぱらってなくてもこの店に入るだけでうれしくなり、はしゃぎたくなる。心が疲れているの
ヒステリックな女教師の思い出⑨
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑧
こんなふうに自分の心の中で変なこんにゃく問答をしているうちに、8年くらい前の田上ティーチャーとのやり取りを二・三思い出した。
あれは、3月のある日、職員会議の始まる前の出来事だった。
ぼくと田上ティ
ヒステリックな女教師の思い出⑧
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑦
帰りの電車の中で本日のやりとりを思い出していた。
「田上さんはこの手紙を見てパニックを起こしそうになっている」軽部校長はそう言っていた。
あの手紙は実に単純素朴な内容だった。あれを読んでパニックを起しそ
ヒステリックな女教師の思い出⑦
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑥
薄暗い階段を下りて行き、1階から外に出ようとしたら、警備員さんにいきなり襟首をつかまれ、「おい」と呼び止められた。
ついてない日だったのだと思う。
「おい、お前、今までどうしていたんだ。トイレを貸してほ
ヒステリックな女教師の思い出⑥
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出⑤
「まともな対話が成立しそうになると怒鳴りあげてぶち壊すところが田上ティーチャーと似ている」と思った。
「…田上さんのどういうところが不満だったか聞いているんだ」
「うーん、本当はどんどん別の話に移っていか
ヒステリックな女教師の思い出⑤
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出④
あんまりなんにも言わないで「はいはい」ばっかり言っているのもかえって失礼だと思いこちらからも話すことにした。
「ストーカーということでしたが、年に1回年賀状に何か書いて送るだけでストーカーになるんですか。
ヒステリックな女教師の思い出③
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出②
当日、会議等も入らなかったので年休(公務員なので時間休が取れる)をとって4時半頃学校を出ることができた。
校門を出るとJRの駅まで歩いて7~8分くらいである。P高校の時はバス停に行くまでに山道を下って1
ヒステリックな女教師の思い出④
※ 作者の自己紹介等:自己紹介とnoteの主な記事
※ 最初から読みたい方は、ヒステリックな女教師の思い出①から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→ヒステリックな女教師の思い出③
教職員研修センターにつくと、トイレに行きたくなったので入口のところにいる警備員さんに場所を聞いた。その警備員さんは、黒っぽい制服を着た小柄で少し神経質そうな雰囲気の人で、指で指してトイレのある方向を教えて
ヒステリックな女教師の思い出②
※ ひとつ前の話:ヒステリックな女教師の思い出①
その2日後、職員室に電話がかかってきた。
「もしもし、軽部です」
懐かしい九州訛りの口調である。
「お久しぶりです。筒美です」
「うん、本当に久しぶりだね。ところで非常に重要なことを話したいので、時間のとれる時に私が今いる教職員研修センターに来て欲しいんだ」
「そうですか。それで話というのはどんな話ですか」
「それは電話では言えない」
「どう
ヒステリックな女教師の思い出①
※ 高校に勤めていた頃のことを思い出して書いております。
私がいたX自治体の高校では、各校で「校長面接」というものをやることになっていた。
これは、3年前からその自治体の教育委員会が号令をかけて始めたことである。普通学期に1回ずつ年間3回行っていて、3学期の場合は、それぞれの教員が書いた「自己申告書」という年間の目標や成果などが記された書類をもとに、校長室で校長と教員があれこれ話をする。