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【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第14回表参道のアートギャラリーとカフェ(12/17)|社会人勉強コミュニティ

皆様、こんにちは!

美術鑑賞サークルのちーです。

12月17日(日)にサークル14回目の活動として「表参道のアートギャラリーとカフェ」と題して活動を行いました。

今回の活動のメイン、太田記念美術館にて開催中の「深掘り!浮世絵の見方」展を鑑賞した後、表参道ヒルズに隣接するギャラリー同潤会にて写真の個展を見てから、WITH HARAJUKUの「EATARY」で軽食をとりながら歓談しました。


1.サークルの概要

月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。

西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。

鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。

普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。

またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!

2.イベントの様子

今回は当初浮世絵のみの鑑賞予定としていたため、3人と少ない人数での活動となりましたが、ご参加頂いた皆様ありがとうございました!

まずは今回のメイン、太田記念美術館の「深掘り!浮世絵の見方」展から。

太田記念美術館は浮世絵専門の私立美術館です。

表参道という立地から外国人観光客の姿も見受けられますが、こじんまりとした館内は土日でも混みあいすぎるまではいかず、1時間ほどで鑑賞することができました。

実は初訪問でしたので、展示室内に枯山水のお庭があることにびっくりでした!

特徴として、各作品ごとにすべてキャプション(解説)があり、浮世絵に詳しくなくても楽しめる作りになっていました!

また、キャプションと同じ解説と作品が「オンライン展覧会」としてnoteで見られるようです。

https://otakinen-museum.note.jp/n/nc6e13b3c43f1

(展覧会公式サイトはhttp://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/fukabori)

美術館に行かずとも、チケット代と同じお値段でずっと楽しめるなんてお得だと思いました。ご興味のある方はぜひ!

さて、今回は「深掘り!浮世絵の見方」展ということで、期待通り初心者にわかりやすい展示となっていました!

第一章は誰もが知っている葛飾北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の波の迫力がどのような構成から生まれているか、他の浮世絵に見られる波の表現との比較とともに検証するという内容になっていました。

開国の少し前1830~31年に描かれたこの作品はヨーロッパからもたらされたベロ藍(ベルリンで発明されたことからベルリン藍)がふんだんに使われています。

このベロ藍だけでも水色から濃紺までを使い分け、波間に揺れる3隻の船の動きが波の動きを補強することで、この作品が名作に仕立て上げられている秘密を知ることができました。

第二章以降は、《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の復元した版木が展示されていたり、下絵となる「版下絵」(筆書き)を描き、「校合摺(きょうごうずり)」(モノクロの版画)で色指定を行い、彫師がその技巧をもって線を彫り出し、摺師が刷る、という工程が複数の作品で紹介されていました。

色指定と聞いてすぐに思い浮かんだのが、アニメの色指定です。

描くアニメーターごとにキャラの色が違っては困りますから、原画に影や色の指定がなされています。

浮世絵も現代のアニメと同じく複数の人間がチームとなって作成する分業制ということで、アニメ文化の下地はやはり浮世絵であったか…と思わずにいられませんでした。

版下絵は通常、板にのり付けして一緒に彫られるものですから現存しないはずなのですが、現代に伝わっているものも稀に存在し、おそらく何らかの理由で制作中止となり破棄されたのではと解説にありました。

浮世絵は版元(現代の出版社)がプロデューサーとして絵師を集め、どのような作品を作るかまで指示を出していましたから、大人の事情があったのだろうな…と想像してしまいます。

また、1841~1843年に行われた、水野忠邦による質素倹約・物価の高騰防止策としての「天保の改革」で浮世絵にも厳しい規制の手が及びました。

当時人気だった役者絵が禁止され、幕府による検閲を経なければ浮世絵は出版できなかったのです。

今でいうと、アイドル動画を見ることは一切禁止みたいな感じでしょうか…

例として先に掲載した、歌川国芳《有王丸と亀王丸(校合摺)》(1843~47年)が展示されおり、この期間に描かれたため、二人の人物の顔が出版後の《有王丸と亀王丸》(1850年)とは異なっています。

完成後は有王丸の顔が歌舞伎役者の六代目松本幸四郎と言われているそうです。

浮世絵を通して、当時の人々の現代とさほど変わらぬ声が聞こえてくるようで、浮世絵を身近に感じることができた良い展覧会でした。

続いて、表参道ヒルズに隣接する「ギャラリー同潤会」へと向かいます。

ギャラリー同潤会は、大正時代に作られた日本最初期の鉄筋コンクリート造の同潤会アパートを安藤忠雄が再設計し、現代アートのギャラリーとして生まれ変わった建物です。

この日は、写真家・ミュージシャンのSakai De Junさんの個展『MAKE AIR NOT WAR』が行われていました。

エアギターの世界選手権にたずさわる人々の写真が展示され、エアギターの少し滑稽なパワフルさと人々の温かさを感じることができました。

またSakai De Junさんご本人も会場で訪れた人とお話ししており、ギャラリーならではの良い雰囲気を体感しました。

表参道は道中、歩くのもやっとなくらいのすごい人混みで、肝心の同潤会アパートの表からの写真を撮り損ねてしまいました…

そこで、せっかくなので表参道ヒルズ内のクリスマスツリー前で活動写真を撮影しました。

写真からも伝わるとよいのですが、表参道ヒルズ内は緩い傾斜がついており「今ここ何階だっけ?」となる不思議なつくりとなっています。

調べたところ、表参道の勾配と同じ傾斜で造られているそうです。

安藤忠雄設計だけあって、粋なつくりですね。

最後は、原宿駅前のWITH HARAJUKUの「EATARY」で軽く食事をしながらお喋りしました。

当初は別のお店の予定だったのですが、人混みがすごかったりで色々ごたついてしまい、こちらのテラスとなりました。

おまけにクリスマスのイタリアのお菓子パネトーネを少し頂けるなどサービスして頂き、寒い中で参加者の皆様には申し訳なかったのですが、イタリアの美味しいお食事を味わうことができました。

3.感想

「EATARY」で歓談した際、参加者二人から浮世絵の比較展示が珍しく、見ごたえがあったという感想が出ました。

人気作の場合、時には最大で約7000枚も刷られたそうですが、木版であるため、枚数を重ねるうちにだんだん輪郭線が太くなってしまいます。

ですから、初版に近いものはシャープな線です。

展示では、二枚並べた作品が複数展示されていましたので、どちらの方が版が早いか、私でも見分けられるようになった気がします!

ちなみに版が早い方が色数も多く、遅くなるにつれ色や模様も省略されていき…といった具合できっとよりお安くお買い求めできたのだろうなと想像しました。

4.今後の活動予定

  • 1月 山種美術館 癒やしの日本美術―ほのぼの若冲・なごみの土牛―

  • 2月 東京都美術館 印象派展

1月は予定を変更して、続けて日本美術に触れようと思います。

お正月にぴったりの七福神や長沢芦雪が描くコロコロした子犬、美しい色彩の近代日本画に癒されましょう。

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