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“○○ちゃんママ”ではなく、1人の女性としての時間を楽しんでほしい


病気や障害がある子どもの母親の気持ちって?

数年前と比較して、医療や福祉のサービスが充実して、少しずつ、病気や障害のあるお子さんや大人、ご家族の選択肢は増えてきたように思います。

でも、改めて、本当に必要とされていることは何なのか?

東京おでかけプロジェクトでは、「東京おでかけ作戦会議」と称し、多くの病児や障害児を育てる母親や専門職の方々との対話を重ねてきましたが、子どものケアに追われていると

「自分を労わる時間がない」

「綺麗にしてちゃダメなんじゃないかという後ろめたさがある」

という声が聞こえてきました。

「レスパイト」というと、介護者の休養を目的とした入院などを意味することが多いのですが、本当の意味での「レスパイト」とは何か。

もっともっと気軽に週末アクセスできるような、「リフレッシュ」の機会が必要とされているんじゃないか?

そんな想いから、2023年3月26日、銀座にあるROSEGALLERY資生堂パーラーをお借りして、東京おでかけプロジェクトの新たな取り組みとなる「銀座へおでかけプロジェクト~ママが”わたし”に戻る週末~」を開催しました。

「“○○ちゃんママ”ではなく、1人の女性として楽しんでほしい」

この日の唯一のルールは

「ママさん」「お母さん」「〇〇ちゃんママ」と呼び合わないこと。

お名前で呼び合うこと。

とにかく自分にわがままに、自分本位に時間を過ごしてほしい。

イベントは食用のバラでつくられた、ノンアルコールカクテルの乾杯、ROSE GALLERYを運営する(株)ジャパン・フラワー・コーポレーション松村社長のWelcome Talkからはじまりました。

食用のバラでつくられた、ノンアルコールカクテルで乾杯
美しいバラの花びらと香りにうっとり

プロのメイクとカメラマンの力で魔法にかかっていく参加者たち

世界中から選び抜かれた高級なバラの香りに包まれながら、プロのメイクアップアーティストやカメラマンの手によって表情まで変わっていく参加者の皆さん。

憧れのヘアアレンジに挑戦
メイクを終えて、緊張しながらポージング
それぞれ好きな色の薔薇を持って

会場では「かわいい」「綺麗」「似合っている」の声が飛び交い、写真を撮り合ったり、この日のために新調した洋服や靴の話をしたり、忙しい店内。

「バラがきれいだねとか、メイクや髪型がかわいいとか、子どもとは関係のない会話が楽しい」

そんな声が聞こえてきました。

また、ブラッドバッグのサブスクサービスを展開するLaxusの協力も得た今回の企画。はじめてブラッドバッグを持つという参加者の方は、レンタルした可愛いバッグを見せてくれました。

春らしい色合いのバッグに気分があがります

そしてROSE GALLERY GINZAでのメイクと撮影を終え、小田原で生産された市場には出ない規格外の、でも香り高いバラのお土産を受け取ると参加者たちは雨の中、足早に次の会場へ。

サプライズに笑みがこぼれます
雨の中、はしゃぐ参加者の皆さん
足取りはどんどん軽くなって…
銀座でジャンプ!

新しい出逢いと交流を楽しむ

移動した先は資生堂パーラー銀座本店。

参加者がイベントに参加する間、自宅で待っている子ども達のベビーシッターをしてくれていた学生スタッフも合流し、資生堂パーラー銀座でしか味わえないドリンクや焼き菓子をいただきました。

文明開化の時代に生まれたアイスクリームソーダ

資生堂パーラー銀座、ROSE GALLERYの皆さんから参加者へ素敵なメッセージが贈られると、参加者からも色んな想いが溢れ出てきました。

普段お話することのない方たちとの交流にわくわく

「てんかん発作が起こりがちの子どもがいると、せっかくイベントに誘ってもらってもドタキャンも多くて、あたりまえのことができなくて。でも、どんどんもっと外に出たいと思いました」

「病気の子どもがいると、普段は夜逃げかと思うほどの量の荷物なんです。でも、今日は小さなバッグを持って、ヒールを履いて。いつもだったら絶対に駆け上がれない駅の階段を軽やかにのぼれて、すごくうれしかった

「いつも子どもを預けるとそわそわしちゃうんだけど、今日はみんな同じだから、みんなもできてるから大丈夫、って。そわそわしなかったんです。”自分を大切にしてね”って言ってもらえて、自分を大切にすることって大切だなって感じました」

「花を愛でること」「自分を愛すること」

病児や障害児を育てていると、どれだけ1人で外出するのが時間的にも精神的にもハードルの高いことなのか、皆さんとお話して、今回改めて感じました。

そんな中、お子さんの体調を心配しながらも、今日を楽しみに洋服や靴を新調したり、美容院に行ったり、自分のもやもやと向き合いながら来てくださったことが、とても嬉しかったです。

「自分を大切にする」って、とっても大切で、とっても難しい。

でも忙しい毎日の中に少しでも「花を愛でる」「ご自愛する」、そんな時間やときめきを持ってもらえるきっかけに今回のイベントがなったなら、嬉しく思います。

チューリップでつくられたアップサイクルのインクを使って、参加者が自分ヘ宛てた手紙


人ってたぶん、何かがんばるには「リセットする時間」「ご褒美の時間」が必要です。

明日からまた家族とめいっぱい向き合うために。

「お花を買ってみようかな」と街の彩りに気づく余裕を持つために。

「あのバッグがほしいから、働いてみようかな」って思ってみるきっかけに。

これからも、東京おでかけプロジェクトでは、「親が"自分"に戻る週末」を企画していきます。

笑顔で集合写真

さいごに

今回の取り組みは、NHKにも取材いただき、早速多くの方から「また企画してほしい!」という声をいただいております。

参加者の方も素敵なレポートを作成してくださいました。


今後も継続的に活動を運営するため、東京おでかけプロジェクトでは、年間を通して寄付を募集しております。

活動には会場利用料や、医師/看護師/ヘルパーと いった専門的なケアにあたってくれるスタッフ、 物品などの費用が必要です。

ご寄付いただける方は、いずれかの方法でぜひお願い致します。

◆振込み口座
三井住友銀行 中野支店 普通4994025

◆クレジットカード決済・グッズ購入による寄付

◆「WeWard」アプリで歩いて寄付する
※紹介コード「YUM+-iygPQ」をぜひご利用ください


Special Thanks

銀座へおでかけプロジェクト SUPPOTERS

撮影:吉澤 健太
ヘアメイク:山本麻未
ROSE GALLERY GINZA:松村吉章、武田桃子、大槻佐和子
資生堂:横山 加津子&関わってくださった方全て
Laxus:田中ゆみ
学生ボランティア:田羅理美
取材:NHK石川由季

ご寄付・ご協力いただいた皆様

武山絵里子/大久保夏樹/大槻佐和子/松村吉章/中野富美子/高木萌子/滑川伶奈/村林瑠美/朝比奈志津子/福井篤/小島希美/中島 明/小原聖子/田羅理美/丸山美智子/葉恵理子/小柴優子/高尾洋之/サクちゃん/MONA MUSICの皆様

企画にご協力いただいた皆様

小林かおり/嵯峨麻衣子/峯尾志穂/滑川伶奈/運上佳江/近藤 綾子

(順不同・敬称略)


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