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【発掘日記】2009年09月29日の日記『奥チーノ。(漫画付き日記)』

当時熱心に更新してたブログより、9年前に書いた日記のサルベージ記事です。

明日からまたこの旧友と旅行に出かけるので久しぶりに読み返したのですが、今のエッセイ漫画『死期のエッセイ』の源流になった記事だと思います。

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古い友人、S.V.が車を買った。

S.V.「おー、車買ったぞ、車w今度の週末ドライブ行こうぜ。どっか行きたいとこある?」

わし「え~と、じゃあ、奥多摩!!」

なぜ奥多摩をリクエストしたのかは、今となってはよく覚えていない。ただ単に「ここが都内かよ!」という台詞を呟きたかっただけかもしれない。

とにもかくにも、野郎二人の奥多摩ドライブが決まった。

目指すは奥多摩湖、小河内ダム界隈。適当に走りつつ、帰りしな適当に温泉にでも浸かろうという計画。この漠然さが堪らない。

この時点でもはや言う必要も無いかもしれないけど、二人とも彼女とかいません。

『初秋の奥多摩にカプチーノを添えて。~恐怖!残念な野郎共の挽歌!!~』

スズキ・カプチーノ (Cappuccino)

1991年から発売されたスズキの軽自動車。ルーフが取り外し可能で、その気になればおオープンカーにもなるご機嫌な仕様が特徴的。

可愛い外観と可愛い名前にグッと来る、女の子受けも非常に良さそうな車種なのだが、乗っているのは30手前のおっさん2匹であるのがまたもや残念な話だ。

S.V.とは高校以来、かれこれ10年来の付き合いになるが、誰がこんな未来を想像しただろうか。

「週末」+「ドライブ」ときたら「彼女」でしょうが!

新車を買ったらまず彼女と海辺りを目指すのが筋でしょうが!

なぜ君は薄ら笑いを浮かべた髭を乗せて山に向かうを良しとする?!

車を持ってて、浮いた話のひとつも無いというのか?!

因にS.V.君はこういう人だったりする。

(※1)

(※2)

(※1)『ゼーガペイン』セレブラムの自作ステッカー

(※2)『らき☆すた』聖地巡礼

福生市を過ぎる頃には、窓の外の景色はすっかり郊外の様相を呈しており、青梅市を過ぎると山道に差し掛かった。

山道に入ると、気合の入ったバイク乗り達が現れる。
結構なスピードでコーナーを回る彼らに対し、カプチーノも小回りのきく利点をフルに生かして食らいつく。S.V.の運転スキルも中々のものだと感心した。

端から見たらバイクと車の激しい走り合い、それこそ男らしい硬派な駆け引きに見えるかもしれないが、車内に流れるBGMがずっとアニソンなのが如何ともし難い。

てか、自分のiPodの選曲と被りまくるんだが、これはどうしたものか。


奥多摩湖。

正式名称を小河内貯水池というらしく、多摩川をせき止められて作られたこの湖は、この大きさにして人造湖なんだそうな。

小河内ダムというように、この下には小河内村という集落が沈んでいる。
今の生活は数多くの人々の犠牲の上に成り立っている事を忘れてはいけない。

程良くくたびれてるところが素敵なコンクリ。

高い。

ここにいます。

ダムボーイ。

熱狂的ダムファンの少年、もしくは第●興商の関係者。
ダムの歴史を知ると、可愛い絵が逆に狂気に思えてくる不思議。てかウサギの目が地味に恐ろしいんだが…。

記念。

改めて高いと思った。ミニチュアみたい。

逆光で若干神々しくなってるA定食。
本当は清流定食が食いたかったんだが、やつは地味に高かった。

小河内神社。

神社を見つけたら取り敢えず、寄る。

浮橋。

人が移動すると激しく揺れる浮遊体。

浮橋より。

橋の先に「山のふるさと村」という牧歌的な名前の施設があるらしい突入を敢行するも、行く先の山道で何組かのハイカーに遭遇。
「…こりゃ先は長いぞ」という話になり、おめおめと引き返す。

日が傾きかけてきたのでここで本格的に撤収。
その途中、予め調べておいた温泉施設で汗を流そうとするが、ビックリするぐらい混んでたので違う温泉施設を探す。全く持って、都会人は緑に癒しを求め過ぎだと思う。

当初予定してた帰り道とは少し離れた辺りの温泉施設に向かうが、その影響だろう、帰り道で軽い迷子を味わう事になった。

この車はオーナーの強い意向でカーナビというメカを積んでいない。

さて、今回の散策も全く持って男臭い無骨な物になった訳だが、そんな帰りしな、疲れた脳がお互いを干渉したのだろう、普段あまりしない恋愛の話題になった。

S.V.「…最近どう?」

わし「何が?」

S.V.「恋愛的な方面。気になってる娘とかいる?」

わし「あぁ、いるよ。『化物語』の八九寺真…」

S.V.「三次元だ。三次元方向で頼む。」

わし「……。」

S.V.「いないの?」

わし「…いるよ、一人。気になってる娘…。」

S.V.「…誰?」

■ EDテーマ タテタカコ『宝石』

~ 終 ~

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高校一年生の頃から付き合ってるS.V.君との友情もボチボチ20年。
当時の友人で今でもコンスタントに連絡を取ったり、会ったりしてる人はこのS.V.君だけだ。

一番親しい友人なはずなのに、僕は出会ってからずっと彼のことは苗字に君付で呼んでいる。何だかこの呼び方が一番しっくりくるんだ。

この日記から9年。世の中の状況も僕らの状況も色々変わった。

S.V.君はもうカプチーノには乗ってないし、僕はもう漫画家アシスタントではなくなった。

二人とも住んでる街も変わったし、「まいんちゃん」も「まいんさん」に成長してプリキュアの声優にもなった。

時の流れと共に順調にオッサンになってる僕らだけど、確実に変わってないことが一つだけある。

それは

二人とも未婚という残念な事実。



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