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金融リテラシー 経済学

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金融リテラシーを高められます。経済学、経営学、金融論、知識の四分野に分けています。これは経済学のパートです。
金融リテラシーについて、更新を行っています。記事は一つで100円ですが、マガジンであれば100記事…
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#学生の金融教育

EC117/FX17[金融リテラシー/経済学]国際金融にトリレンマがありますか(2024/7/25updated)

EC117/FX17[金融リテラシー/経済学]国際金融にトリレンマがありますか(2024/7/25updated)

◎要約
国際金融のトリレンマとは、一国が対外的な通貨政策を取る時に、為替相場の安定、金融政策の独立性、自由な資本移動の三つのうち、必ずどれか一つを管理することを諦めざるを得ないことを言います。マンデルフレミングモデルで考えると、理解しやすくなります。

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EC116/FX16[金融リテラシー/経済学]外貨準備をどう運用しますか(2024/7/25updated)

EC116/FX16[金融リテラシー/経済学]外貨準備をどう運用しますか(2024/7/25updated)

◎要約
外貨準備は、各国の通貨当局の管理下にあり、為替相場の安定のために直ちに利用可能できる対外資産です。日本ではそれをドルで保有し、その中でも流動性の高い米国債を選んでいます。しかしそれでは、リスクがあまりに高いと言えます。他国と同様に、資産分散を行い、ポートフォリオを組むことが望まれます。

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EC115/FX15[金融リテラシー/経済学]通貨スワップ協定はどう作用しますか(2024/7/25updated)

EC115/FX15[金融リテラシー/経済学]通貨スワップ協定はどう作用しますか(2024/7/25updated)

◎要約
通貨スワップ協定は、二国間で通貨の融通を行う契約です。取引に制限のあるソフトカレンシー国にメリットがあります。それらの国は、輸出を伸ばすために自国通貨安を望んでいるものの、それが進み過ぎて外貨建て負債が拡大することを避けたいと思っています。通貨スワップ協定は、それを防ぐ手段になります。その一方、取引に制限の無いハードカレンシー国にメリットがありません。自国の輸出企業の競争力を相対的に不利に

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EC114/FX14[金融リテラシー/経済学]政府の為替介入に効果がありますか(2024/7/25updated)

EC114/FX14[金融リテラシー/経済学]政府の為替介入に効果がありますか(2024/7/25updated)

◎要約
為替レートは、その水準と変化率において、その国の経済に大きな影響を与えます。政府は、それが自国の経済が不利にならないように、為替介入を行います。それでトレンドを作ることができれば、それなりの効果があります。基本的に、投機家は、為替のトレンドに従うことでリターンを上げようとするためです。

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EC113/FX13[金融リテラシー/経済学]政府は通貨価値をどう防衛しますか(2024/7/25updated)

EC113/FX13[金融リテラシー/経済学]政府は通貨価値をどう防衛しますか(2024/7/25updated)

◎要約
通貨の投機は、歴史的によくあることです。投機家は、ある国の通貨が割高と思えば、売り仕掛けを行います。その対象になった国では、自国通貨の価値を守ることに迫られます。為替レートは、基本的に経済のファンダメンタルズから決まります。本当に割高であれば、売り崩されます。

◎本文
為替市場では、歴史的に、投機家とその為替投機の対象になった国の間で、為替レートを巡る戦いが起きます。為替レートは、基本的

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EC112/FX12[金融リテラシー/経済学]政府は為替レートをどう管理しますか(2024/7/24updated)

EC112/FX12[金融リテラシー/経済学]政府は為替レートをどう管理しますか(2024/7/24updated)

◎要約
為替政策は、国ごとに異なります。通貨の通用性を重視している国では、為替レートを基本的に金融市場に任せます。輸出主導による経済成長を目指す国では、通貨安にコントロールします。外資の受け入れを促進している国では、基軸通貨のドルに為替レートを連動させます。自国経済が脆弱な国では、為替レートを管理することを諦めます。

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EC111/FX11[金融リテラシー/経済学]為替レートは生産能力にどう影響を与えますか(2024/7/24updated)

EC111/FX11[金融リテラシー/経済学]為替レートは生産能力にどう影響を与えますか(2024/7/24updated)

◎要約
企業はあらゆる要素を考慮して、手掛けるモノやサービスの生産拠点を決めます。生産能力を得るには、大きな投資が必要になり、一度、構築すると容易に変更ができません。為替レートは、その要素の中で、相対的に大きなウェイトを占めます。企業は、基本的に、通貨高の国で生産能力を抑える一方、通貨安の国で生産能力を高めることを考えます。通貨安であると輸出条件が有利になるためです。

◎本文
企業は手掛けるモノ

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EC110/FX10[金融リテラシー/経済学]為替レートは総合物価にどう影響しますか(2024/7/24updated)

EC110/FX10[金融リテラシー/経済学]為替レートは総合物価にどう影響しますか(2024/7/24updated)

◎要約
為替レートの変動は、輸入物価を通じて、総合物価に影響を与えます。通貨高であると総合物価を抑える一方、通貨安であるとそれを高めます。国内の自給率が高く、輸入のウェイトが低いとその影響を受け難い一方、それが低いとその影響を受け易くなります。また需給ギャップについてインフレギャップであると、総合物価を高め易くなる一方、デフレギャップであるとそれを抑制します。

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EC109/FX9[金融リテラシー/経済学]通貨安による交易条件の悪化をどう考えますか(2024/7/24updated)

EC109/FX9[金融リテラシー/経済学]通貨安による交易条件の悪化をどう考えますか(2024/7/24updated)

◎要約
自国通貨安となると、輸入物価が高まり、輸出物価が下がります。そのため、輸出輸入マージンである交易条件が悪化します。その一方、輸出向けに価格競争力が高まることで販売数量が増加し、稼働率が上昇します。それらが引っ張り合う結果、自国通貨安では収益性が高まります。その一方、自国通貨高ではその逆のことが起き、収益性が低下します。

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EC108/FX8[金融リテラシー/経済学]人民元は基軸通貨になれますか(2024/7/24updated)

EC108/FX8[金融リテラシー/経済学]人民元は基軸通貨になれますか(2024/7/24updated)

◎要約
中国は、人民元がドルに代わり基軸通貨またはハードカレンシーになることを望んでいると思われます。しかし、そのためには金融の自由化が必要になります。ただし、それを行うと、中国共産党の支配を揺るがす要因が増えます。敢えてその選択をしないと考えられます。

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EC107/FX7[金融リテラシー/経済学]ドルは基軸通貨であり続けられますか(2024/7/24updated)

EC107/FX7[金融リテラシー/経済学]ドルは基軸通貨であり続けられますか(2024/7/24updated)

◎要約
ドルが基軸通貨で無くなることは、考え難いと言えます。ドルの利用には、他の人が使うから自分も使う自己循環論法のループが強く働いています。また、それに代わる通貨や手段も見当たりません。

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EC106/FX6[金融リテラシー/経済学]自国経済を自国通貨建てとドル建てのどちらで評価しますか(2024/7/24updated)

EC106/FX6[金融リテラシー/経済学]自国経済を自国通貨建てとドル建てのどちらで評価しますか(2024/7/24updated)

◎要約
自国経済について、自国通貨建てまたはドル建てでの比較が行われます。暮らしの豊かさはその国で稼ぎ、その国に資産を保有し、生活をしていれば、自国通貨により、経済的価値を評価することが妥当です。確かに自国通貨安となると、ドル建てで計算した国内の所得や資産の価値が下がります。しかし米国で暮らしていないため、直接的にそれほど経済的な意味を持ちません。

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EC104/FX4[金融リテラシー/経済学]通貨安は国力低下を意味しますか(2024/7/23updated)

EC104/FX4[金融リテラシー/経済学]通貨安は国力低下を意味しますか(2024/7/23updated)

◎要約
為替レートについて、通貨安はその国の衰退と見なす仮説があります。しかし米国ドル、中国元、日本円の推移を見ても、国力と為替レートに何らかの相関を見出すことができません。為替レートは、買い手の立場と売り手の立場で、有利さが異なります。買い手の立場で考えることが妥当とは言えません。

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