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スペイン人の価値観

先日引っ越しをした。キャンパス近くの山奥に住んでいて、それはそれでよかったのだが、残り半年をどう過ごすか考えた時に、バルセロナ生活を満喫したいと思い立ったから。

今は前と真逆の海の近くに住んでいる。大家さんは超パワフルで陽気なスペイン人のおばちゃまで、唯一の同居人。

そのおばちゃまがとってもお喋りで、英語も上手なので、ついつい長話となる。スペイン人の考え方は、日本人と似ているところ…はあんまり無くて、聞けば聞くほど面白い。

スペイン人は他人が何をしていようと気にしないんだそうだ。その人が幸せであればOKだと。そしてその価値観は、他人を思いやるカソリック文化、オープンマインドの地中海文化に基づいているんだって。

カソリックというと、原理主義的イメージなんだけど、と話したら、あれはアメリカ人の頭がおかしいだけだと言っていた。スペイン人は教会には行かないし、神は信じない、けど100%カソリック。全員洗礼を受けている。

大事なことはルールを守ることではなく価値観で、隣人の幸せを思いやる、悪いことをした時は反省する、そんなことなんだそうだ。

彼女曰く、だからこそLGBTQ+が社会にも受け入られていて、それは本人が幸せな形が一番だと皆が考えているからだと。実際彼女の姉がレズビアンで、家族は普通に接しているらしい。

娘が6歳の時に学校で生殖について学んだ時、男と女じゃないと子供が持てないなんておかしいって先生に言ったそうだ。当時、おばさんがパートナーと子供を作ろうとしていることを知っていたから。

とはいえ、家父長制などの保守的な考え方からの脱却は、この30年で急激に行ったことらしい。フランコ政権の反動が大きかったようだ。

日本はどうなの?って聞かれた時にどう伝えようか困ってしまった。

最近は特にいちいち他人のビジネスに鼻を突っ込む人が増えているし、あまり他人が幸せかどうかというよりも、自分が不幸せかどうかを基準にしてる人が多いように感じているから。

でも、なんかそれだけ伝えると、日本人ってすごい意地悪で悲しい人達みたいになってしまって、それも真実ではないと思う。次の世代は次の世代で考えていることも全く違うんだろうし。

いずれにせよ、相手が幸せかどうかを基準とするって素晴らしいことだ。相手そのものを受け入れる大人になりたいな、と思った。

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