#003 2024年 はじめてのIBIZA レポ 3 -クラブ編 Hï Ibiza -
DC10に続き、Hï Ibizaのレポート。
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風土と食文化が呼応するように、「その街の音」というのがあるような気がする。
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<前回までのレポはこちら>
#001 はじめてのIBIZA レポ 1 -島だ、島なんだよ-
#002 2024年 はじめてのIBIZA レポ 2 -クラブ編 DC10 -
Hï Ibiza
Hï Ibizaはイギリスのダンスミュージック誌、DJ MAG が発表するユーザー投票で決定する世界の人気クラブランキング『Top 100 Clubs』で2024年も1位を獲得し、3年連続ナンバー1の快挙を遂げた。閉店してしまった、かの有名なSPACE IBIZAの跡地にできたクラブである。
IBIZAは街中の看板やバス、Partyの屋外広告がこれでもかと設置されている。犬の脇腹あたりにDJの顔がデカデカと貼られる日も遠くない。ちょうどThe Martinez BrothersとPaco OsunaのPartyが火曜日に開催されていたので向かう。
IBIZAのクラブは23時オープン、5-6時クローズのVenueが多い。どのクラブもピーク時間帯前に入るとDiscountがある。入場料は65ユーロ(10400円)。ここは見栄を張らずに早い時間の入場だ。0時頃に最寄りのバス停で降りると、USHUAïAをはじめとする豪華絢爛なホテルなどが立ち並び、ここがIBIZAだということを忘れていたことを思い出す。
待ち時間はほとんどなく入場。THEATRE、CLUB ROOM、WILD CORNERという3つのフロア構成。屋外にはMagic GardenとSecret Gardenという大きなChill outスペースがあり、オープンエアなので非常に心地が良い。私のような典型的、平均的な中年アジア人男性にはいささか縁遠いが、随所に設置されるインスタ映えする装飾が設置されている。DC10との違いは、装飾が休憩場所としてのうまく機能しているところだ。
フロアに繰り出すとさっそくHï Ibizaの洗礼。水とレッドブルで30ユーロ(4800円)。こちらができることはといえば、IBIZAの水道水について調べることぐらいだった。飲めないようなので、レッドブルを景気良く飲み干し、水は舐めるように飲む。
さて気を取り直して踊りに入る。10秒間の間に、スペイン人、インド人、フランス人、韓国人とすれ違う。フェスでもないのに、The Martinez BrothersとPaco Osuna同じ時間帯にクラブで回しているという贅沢な状況をしばし味わう。どちらのアーティストも当然のように高純度のGrooveをキープし続ける。IBIZA系のTechnoはIBIZAのクラブで聴くのがやっぱりいいんだと感心する。なぜかはわからない。ただ、いい意味でBerlinでコッチ系のサウンドを聴く時とはまったく違う感触があった。風土と食文化が呼応するように、「その街の音」というのがあるような気がする。どちらのアーティストも客層が問題になるようなレベルではもちろんない。多くのDJにとっては悲報ともなりえるが、とにかくDJさえよければ良いPartyが創れるというのは、残念ながら9割は真実だ。もちろん、一流のサウンドシステムや心地良いということは前提条件だが、何よりもDJ。何度でも言うけどDJ。装飾やライティングで、良いものをさらに良くすることはできるけど、元の素材がよくなければ何にもならない。価値のない商品をいくらマーケティングで売ろうとしても売れない。それと同じだ。Paco Osunaのセットの終盤で、気づくと私は、私の思い描いていたIBIZAにようやく辿り着いた。
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Paco Osuna @ Hï Ibiza Club Room
価格と体験の関係を考えると、Hï Ibizaは金額分の価値があると思えた。シームレスに回遊できるフロア、心地良い休憩スペース、1流のDJ、1流のサウンドシステム。そして、この65ユーロには島の入場料みたいなものも含まれているという考えにすらさせれる。なぜなら、帰ってホテルで寝たら、またすぐに海で遊んで自然を満喫できる。こんな環境なかなかない。前レポートでも記載した通り、島全体のポテンシャルがクラブの体験をより一層素晴らしいものにしている。
DJ magのクラブランキングを指標にすることの是非は置いておくとしても、自分にとってはBerghainが世界一のクラブだとしても、Hï Ibizaが世界一のクラブと世間で言われることに不思議はなかった。
ということで、IBIZAって実際どんな感じだろう?と思っている方は是非行ってみて欲しいなということでした。