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アキレス腱痛(アキレス腱周囲炎、かかと痛)の鍼灸治療

疫学:スポーツなどで過度に足関節運動をすることなどにより、アキレス腱やその周囲に腫脹や圧痛、運動時痛を認める。

原因:過度の足関節運動、下腿三頭筋の異常収縮など。

注意点:炎症が長期にわたると、アキレス腱断裂に至るという症例が報告されている。

一般的な治療法:局所安静、固定術、保存療法など。

当院の治療法:当院では比較的簡単に治せる病態の1つです。下腿三頭筋を中心に刺鍼します。ハムストリングスや長母指屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、足底筋などにも疼痛や圧痛があれば刺鍼します。通常、1~3回の刺鍼で痛みが軽減するか消失します。筋肉のコリがひどい場合は太い特注針(1本50円)で刺鍼します。特注針で刺鍼した場合、施術後1~2週間ほど刺鍼のダメージが残り、一時的に歩きにくくなる可能性があります。しかし、着地やジャンプ動作が出来なかったような患者であっても、この治療を数回繰り返すと、運動できるようになることが多いです。施術後は弾性包帯やレッグウォーマー、保温サポーターなどで下腿三頭筋を温め、血流の循環を良くしておくと、治りが早くなります。また、完治した後も、定期的に刺鍼してコリをためないようにしたり、運動前のウォーミングアップ、運動後のマッサージなどを徹底していれば、再発を予防することが可能です。下腿三頭筋にコリがたまり過ぎた状態で無理に運動した場合、筋肉がクッションの役割を失い、アキレス腱が断裂する可能性がありますから、一度アキレス腱に炎症を起こした経験がある患者は、特に用心しておく必要があります。

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