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「そやなぁ」をコンプリートする関西人の魅力

タイトル通り、「そやなぁ」「せやなぁ」をコンプリートする関西人は、同時に憎らしいほど私のハートを鷲掴みにする。

「友達が多いね」と言われてきた。否定はしないが肯定もしない。
日常を埋め尽くすほど、私を取り囲むのは関西出身の人が多い。言いたいことが言えて、ノリが良く、そして情に熱い。海外の友達と一緒にいると気が楽な私は、関西人といても、同じように気楽で私らしくいられる。感情を抑えたり、隠したり、嘘を付くことが私にはできないから。本音で付き合いすぎて、私はある意味少し不器用な人間なのかもしれない。

関西人の最大の魅力は関西弁だが、その中でも「そやんなぁ」という言葉がダントツで私のお気に入り。この言葉に何度救われてきたかわからない。同調の響きの中に優しさを秘めている、たまらなく私の好きなフレーズだ。しかしこの言葉は関西人が使うから成立するのであって、私が言ったところで誰かに感動を与えることはできない。そう考えると、関西人はズルい。
私の会社にも多くの関西人が勤めているが、私にとって関西人の株は非常に高い。ストレートな表現は、聞いていてとても気持ちが良いし、何よりあの関西人同士の会話はリズミカルでイントネーションも目が覚める心地良さ。

思い返してみると幼少期、高畑勲監督作品のジブリ映画“火垂るの墓”を観た日、これが私にとって初めて関西弁に触れた機会ではないだろうか。清太と節子はともあれ、あの意地悪なおばさんの関西弁は今も尚鮮明に覚えている。
昔仲の良かった上司で、関西弁で毒を吐く上司がいた。その上司が毒を吐く度に、あの意地悪なおばさんを思い返していたのはここだけの話。今思えば、それはそれで面白かったし、横目で毒を吐く上司が可愛かった。

前置きが長くなったが、本題に入ろう。
今日はSNSで出会った関西出身のとある女性と私についてのお話。

SNSの出会いについて、いけすかない人も多いであろう。
私にはかれこれ5年ほど前から繋がりを持つ、ある女性がいる。彼女との出会いはSNS。何という名前のSNSだったかは全く覚えていないが、決して怪しいものではない。記憶に残っているのは、料理好きの女性が多く集まるSNSで、そこでレシピや情報交流をしていたことだけ。
そんなこんなで私と彼女はそのSNSで出会った訳で、それから長いこと関係が続いている。彼女は関西在住のため、私たちは年一くらいのペースで東京で会っているが、それ以外の時間も何となくLINEや電話を通じて、長期的に連絡を取り合っている。
私は小さなことでもハプニングが起きるとドタバタしてしまいがちだが、彼女は私と違って常に至って冷静、私の斜め上をいく大人な女性だ。だから事あるごとについつい相談してしまう存在なのが彼女。そのため、私がどんどん新たなトピックスを持ちかけ、彼女とは常に何らかの話をしているのが日常。そして彼女が私に適切かつ親切なアドバイスをしてくれるのがお決まりの流れだ。
相談を持ちかけながら返事を忘れ、別なことに夢中になっている自由奔放な私に、全く怒りを示さない彼女。忘れた数日後に『元気〜?』と声を掛けてくれる、優しさを兼ね備えた女神のような存在なのだ。
もし私が彼女の立場で友人から返事が来なくなったら、間違いなく友達をやめているだろう。そんなのムカつきますからね(なんて自分勝手)。
彼女とは、世に溢れるくだらない男どもの話や、嫌いな上司をねじ伏せる攻略法、アラサー必須美容話、夢だった留学の話、How to 貯金法、生理前のどうしようもない感情と食欲の正攻法など、ありとあらゆる話題がいつも溢れている。
昔から付き合いの続いている大切な友達ももちろんいるが、出会って間もなかった彼女に、周りには相談しづらいデリケートな話が自然とできるのは何とも不思議で、私の人生において必要な出会いだったのかもしれない。

そう考えると、SNSを通じた出会いってある意味特別なもので、可能性を秘めた出会いなのではないかとポジティブに捉えていると同時に、「そやんなぁ」を頼りに、今日も私は東京から遠く離れた彼女に寄りかかっている。

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