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車椅子×VR〜普通の理学療法士による挑戦〜

初めましての方は初めまして。
いつもお世話になっている方はこんにちは。

僕は広島県で老人ホームに勤務する理学療法士(以下、PT)です。
高校は偏差値50程度の公立学校、大学は県立大学を落ちて、私立大学の養成校を出ました。なんら、変哲もない26歳のPTです。

就職は田舎の場所にしました。
1年目はデイケア(通所リハビリ)
2年目はデイサービス(通所介護)
3年目は病院(一般・療養)
転職して
4年目が老人ホーム ← 今ここです。

普通にPTとして業務をこなしています。
しかし、田舎という地域特性もあって地域というフィールドに興味を持つようになってきました。そういったこともあり、地域にどんな人がいるのかどんな職業があるのか。自然といろんな人に触れ、学ぶことが日課となりました。

今年は広島で豪雨災害がありました。
その中で、自分の中で大切にしていることは何なのだろうかともう一度考えるきっかけにもなりました。

今では、僕は好奇心旺盛なのでいろんなことに手を出しています。
しかし、僕の中で大切にしていきたいことは2つで変わってはいません。

**「誰でも(障害・年齢・性別関係なく)暮らしやすい環境作り」

「人とのつながりを無理なく・楽しく作る」**


この思いを「車椅子×VR」という一つの手段で少しでも叶えることができるのではないかと思っています。
まだまだ、コンテンツとして完成していません。
今度、どう形になっているか一緒に見届けてくれると嬉しいです。
資金の応援や拡散など協力してくださると本当に嬉しいです。


<目次>
▶︎ VRって何だ?
▶︎ なぜ、リハビリテーションとVRなのか
▶︎ VRとの出会い
▶︎ 車椅子VRとは?
▶︎ 車椅子VRで何をしたいのか
▶︎ 浮城塾(市の経営塾)へ 
▶︎ とあるデンマーク人に言われた言葉


▶︎ VRって何だ?

VR(バーチャル・リアリティ)は、仮想現実とも呼ばれています。
現物や実物ではないが、それを仮想で体感できるような環境をユーザーの五感を刺激することで作り出す技術のことです。

Oculus Goと言うゴーグルを使ってVRコンテンツを楽しむことが主流になっています。
ゲームや娯楽といったエンターテイメント以外にも医療や教育といった幅広い分野でVRは使われています。

・医療分野での活用
医師の手術練習や学習
四肢切断後の幻肢痛
認知症当事者体験

・エンターテイメント分野での活用
旅行体験
ゲーム
映画鑑賞

他にも様々な分野での応用事例があり可能性が無限大です。

最近ではアミューズメントパークにも導入されていますね。
広島県にも体験できる場が作られました。

その体験記事がこちらです。

やばい!めっちゃ面白そうですね!!!

ぼくも体験したことがあるのですが、かなり面白いです。
うわ〜〜ってなります(かなり抽象的・・・)。
言葉ではなかなか、伝えられないです・・・。
すみません。


▶︎ なぜ、リハビリテーションとVRなのか

一見、リハビリテーションとVRに何の関係性があるの?と思いますよね。
リハビリという言葉は運動というイメージがあります。
しかし、それだけではありません。
対象者の〇〇したいを応援したり、その人が暮らし易くなるように環境を整えることも立派なリハビリになります。

障害の自立に向けて、筋力強化や歩行練習をして個人の身体機能などの能力を上げる方法とバリアフリーやサービスを用いて環境を変える方法の大きく分けて2つがあるとぼくは考えています。

どれだけ、リハビリ(個人の訓練)を頑張っても重い障害の人や高齢者の人では元の生活に戻ることが難しい人も多々います。
そうなった時に環境面を工夫することで暮らしやすくなるのではないでしょうか。
もっと言えば、障害に対する社会の考え方・視点が変われば例え、身体的・精神的に障害が残ったとしても少しは暮らしやすさが変わってくるのではないかと思っています。 

VRという技術は社会へアプローチする一つの手段だと認識しています。
つまり、リハビリテーションの方法の一つなのです!!


▶︎ VRとの出会い

普通にPTをしていてどうしてVRと出会うことになったのか少しお話します。 

半年ほど前に地元の地域づくりの勉強会に勇気を持って飛び込みました。
リハビリとは全く関係ない地域で生業を作るための勉強会です。
そうすると、勉強会を主催していた団体に良かったらミーティングをみにきませんか?と声をかけていただきました。
そして、ミーティングに参加し団体に自分も所属することになりました。
そうやって何回か活動に参加しているとある日、他の団体の情報をもらいました。

「VR使っておもしろいことしようとしているところがあるんよ〜。企画も募集しているらしいよ。」という耳寄り情報でした。

ぼく自身も何かに挑戦してみたいと考えていたので、ぜひプレゼンさせて欲しいとお願いさせてもらいました。

出会いというものは何があるかわからないものですね。
今回も勉強会に勇気を持って飛び込んだことでVRまでつながりました。
一歩踏み出すことで様々なところへ繋がっていきますね!
ぼくみたいに何も特別なスキルがない人は飛び込むことはオススメです。笑

そして、車椅子VRのプレゼンをして、やってみようということになりミーティングを開始しています。


▶︎ 車椅子VRとは?

さて、ここまで前置きの説明をしてきましたが本題の車椅子VRについてです。
VRという技術は現実に存在しない環境をあたかも体験していると感じることができる技術です。
1人称目線で物事を捉えることができるという点がストロングポイントと感じていました。
教育の分野ではアクティブラーニングが脚光を浴びています。
VRで当事者目線で体験してもらうことで、アクティブラーニングを行いやすいのではないかと考えています。

車椅子ユーザーがどのような場面で困って障害を感じるのか。
車椅子の目線からみる世界とはどのようなものなのか。

などなど。普段は体験することができないことを1人称で体験してもらえるのは本当に強みだと感じています。

また当事者目線での体験を提供するVRに「VR認知症」というものがあり大変参考にさせて頂いています。

認知症VRのように大きなプロジェクトまでいかなくとも、一人でも多くの人に影響を与えていきたいと思っています。

**

▶︎ 車椅子VRで何をしたいのか**

一言で表すと、「omoiyariのアップデート」
「お・も・て・な・し」ではなく「お・も・い・や・り」です。

現在、所属している団体で車椅子VRのコンテンツ(動画撮影等)を作ります。
VRコンテンツ+ワークショップを行うことで、よりomoiyariへアプローチしていきます。
具体的に何をするかはまだ秘密です。

このコンテンツとワークショップを実践して、アップデートを行います。

ハード的環境(バリアフリー)を整えるのも結局はヒトです。
ヒトの考え方が変わらなければハードも変わりません。
ハードを変えるためにはハートを変えないといけないのです。

・商業施設・企業へのアプローチ

ぼくは学生時代にスーパーマーケットで働いていた経験があります。
同じ地域の他店舗ととにかく競合していました。
何で争うかというと、商品の値段です。
正直、取り扱っている商品はどこも似たようなものばかりでした。
流通ルートを変えることでコストに差をつけているのですが、いっぱいいっぱいに働きながら感じていました。 

そこで提案したいのが、スタッフで差をつけるのはどうか?ということです。
また、「このお店来たい!」と個人的に感じるのはスタッフや店舗から感じる居心地の良い空間です。
車椅子VRで車椅子ユーザーへの対応の仕方は理解できます。
その先に、例え車椅子ユーザーではなかったとしても
「ここに困っているかな?」
「何か迷っているかな?」
「何か言いたそうだな?」

などとお客さんを思いやる感度が高まると期待しています。
そうすれば、きっとお客さんも
「あっこのスーパー感じが良いのよ」と口コミでリピーターが増えます。
オバチャマやママ友のコミュニティをなめてはいけません!!


・行政機関へのアプローチ

特に都市開発などに携わる課をターゲットにしたいです。
私の住む三原市は人口10万人程度の街です。
全国の課題と同じように商店街は廃れ、街の勢いは低下してきています。
そんな中、ぼくが提案していのは「宿街」としてブランディングすることです。

隣町には尾道というお洒落な観光地があります。
瀬戸内はロードバイクで観光に来る人も多くいます。

そのような方々が三原市に宿泊してくれるような機能をもたせたいです。
「思いやりあふれる街」三原へどうぞお泊まりください。


・観光へのアプローチ

行政機関へのアプローチとも重なる点はあります。
純粋に障害を持った方々を観光や宿泊地として安心・安全に受け入れることができればそれだけマーケットが広がります。
身体障害を持つ人だけでも366万人(内閣府)です。
潜在的にはもっと居るはず。

その皮切りに車椅子VRを用いて、車椅子ユーザーが観光・宿泊に来やすい街へしていきたいです。


・教育へのアプローチ

若い頃から障害を持った人と触れ合ったり、障害のことを知ることは重要です。
ぼくだって障害はあります。(色盲やアトピーなど)
しかし、目に見えにくいだけです。何かしらどこかでみんな生きにくさを感じています。
そんなことに早いうちから気づくことができると人生は豊かになると思います。
そして、何より「障害」という言葉でくくる必要もなくなります。
そんな価値観を持った子供たちが大人になった時に街はきっと豊かになっているはずです。
「omoiyari」は相手の困っていることを感じる感度をあげます。
相手の困りごとが自分ごとになります。
そのような人はきっとどんな仕事をしたって気の利く素晴らしい仕事になります。
子供たちへのアプローチは未来への投資です!!!

▶︎ いざ浮城塾(市の経営塾)へ

 そんなこんなで車椅子VRの企画は進んでいます。

ぼくの地元である三原市では浮城塾という市と県立広島大学が連携して経営塾を開講しています。
そこの授業の一つに「イノベーション創発」というものがあります。
もともと、その授業を所属団体が委託されていたようなのですが、ネタに困っていたようでした。
「車椅子(福祉)とVR」全く畑違いと思われる分野の掛け合わせで社会課題を解決する。
つまり、イノーべションだろう!ということで選ばれて、その準備に取り掛かっています。
委託料金もなかなかの値段なので気合いが入ります。

実際の車椅子ユーザーさんから撮影許可も頂けたので、ここから加速していきます。


▶︎ とあるデンマーク人に言われた言葉

昨年、静岡で開催されたデンマークキャンプというものに参加していました。
デンマークから障害を持った方々や学校の先生が来日。
一緒に海へ入ったり山を登ったり素晴らしい経験をさせてもらいました。 

ぼくが車椅子を運んでいると・・・

「You need help?」とさらっと声をかけてもらいました。
「おはよう!」「何してるの?」と同じテンションで
「手伝おうか?」と言われました。

こんな気軽に「大丈夫?手伝おうか?」と一言、声をかけれる社会になることを信じてアクションを起こし続けていきます。

そのために「omoiyari」が必要なのです。


普通の理学療法士による挑戦!
読んでいただきありがとうございました。

それではみなさん、また!

橋本康太

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