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「世界初の快挙はあくまでも副産物」成田童夢さんが語る、目標を達成するためのステップ

「子どもたちに雪を残したい」キラキラした瞳でそう語るのは、トリノ五輪スノーボード日本代表・成田童夢さん

現在は、実業家・タレントなどさまざまな顔を持ち、幅広く活躍している。その活動の全てに感じるのは「面白いと思うことに全力で取り組みたい!人を喜ばせたい!」という強いパワーだ。

成田さんは、2022年に“夢企画”と題したプロジェクトを始動した。世界最高峰の7つの山に登頂し、スノーボードで滑降するというチャレンジ。成功すれば世界初の快挙となる。

多くの人にとって、想いを行動に移すことは、その言葉の響き以上に難しいもの。

成田さんはどのようなマインドで目標に向かって歩き出すのか。「行動に移すために大切なこと」を聞いてみた。

◆世界7大最高峰制覇の先に見据えるもの

達成したい目標が見つかっても、具体的な行動に至らず頓挫してしまう人は多い。行動するためのコツを教えて欲しい——

その問いに対して、成田さんは最終目標の重要性について話してくれた。

成田さん自身も、現在大きな目標に向かって進む挑戦者だ。

2022年に始動したプロジェクト”夢企画”は、世界7大陸最高峰と北極点・南極点を全制覇する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を達成し、さらにそれらの山々をスノーボードで滑るという前代未聞のチャレンジである。

しかし、この壮大なプロジェクトにおいて、世界初の快挙自体は最終目標ではないという。

「最終目標は『子どもたちに雪を残したい』ということ。これが何よりも大切です。

気候変動による雪不足やスキー場地域の過疎化によって、子どもたちが雪で遊べる場所がどんどん減っています。

自分が”夢企画”にチャレンジすることで、多くの人がウィンタースポーツに興味を持つきっかけを作りたいんです。」

この挑戦を通して、雪山の現状を伝え環境を守る輪を広げたい。これも、自分だからこそできると成田さんは意気込んでいる。

「世界初の快挙を成し遂げたとしても、それはあくまでも副産物です。人に与えて初めて、自分にも返ってくるものがあるんです。大切なのは最終目標が何なのかということ。」

成田さんの言葉には常に、誰かのために何かをしたいという想いが詰まっている。

◆一歩踏み出すコツは最終目標を明確にすること

「先日は富士山に登ってきました!登山自体初めての経験なんです。」

大きな挑戦に向かって一歩ずつ着実に行動していく成田さん。世界最高峰を制する足がかりとして、まずは国内最高峰に挑む。

「最終目標から逆算すれば、自ずと今何をすべきかがわかりますよね。これが最終目標を何よりも大切にする理由です。」

夢を叶える一歩を踏み出すにはリミットを設けることも大切である。期限があると人は行動しやすくなると成田さんは語る。

「”夢企画”は50歳までに成し遂げたいと思っています。そこから逆算するといつまでにどの山にトライすれば間に合うな、と今すべき行動が期限つきで見えてきます。」

想いを行動に移すにはまず具体的なプランが必要ということだ。

◆偶然の出会いから仲間になる

”夢企画”について語る成田さんの姿はイキイキしていて、もっと聞きたいとつい前のめりになってしまう。

成田さんは、アスリート時代からその魅力で人々を惹きつけてきた。”人を巻き込む力=仲間集めの力”も目標達成のためのキーなのでは?とふと思った。

ところが”仲間集め”というワードに、成田さんは違和感を感じたようだ。

「仲間集めをしよう!と思って行動しているわけではないですね。周りにいる方々とは、最終目標に向かう道中で偶然出会ったにすぎません。」

偶然出会うとはどういうことだろう。
成田さんらしいユニークな例え話で説明してくれた。

「たとえば桃太郎。彼の最終目標は鬼退治です。犬・猿・キジとは鬼退治に向かう道中で偶然出会いました。

『鬼退治のために犬に声をかけよう!』と最初から思っていたわけではないですよね。これと同じです。

目標に向かう姿に共感した人たちが仲間となってくれるのです。」

◆軸をぶらさず夢を語る姿に賛同が集まる

ここで大切なのは軸をぶらさないこと。

「昔話の桃太郎の中には彼を批判する人は出てきません。しかし残念ながら現実社会に批判はつきもの。

鬼退治に向かう桃太郎には、おじいさんとおばあさんという理解者がいました。このように、まずは身近な理解者を見つけることが大切です。

そのために「これがやりたいんだ!」と軸をぶらさずに夢を語り続けるのです。」

今回のインタビューで、壮大な目標に向かうステップを真摯に語る姿にも、揺るぎない想いを感じた。

最終目標は何かという軸がしっかりしていれば、その言葉には自ずと熱がこもり人を惹きつけるのだろう。

◆子どもたちに見せたい挑戦し続ける姿

成田さんが紡ぎ出してくれた目標達成のためのステップは3つだ。

ゴールを明確にすること。
今すべきことにコツコツと取り組むこと。
ぶれない軸で夢を語り、理解者を見つけること。

一つ一つの質問に真剣に耳を傾ける姿や、桃太郎の例でわかりやすく紐解いてくれる親しみやすさに「人を喜ばせてこそ」という生き方が表れていたように思う。

(写真を撮り忘れた筆者のために、もう一度zoomをつないで何枚も撮影に協力してくれた…!感謝です。)

プライベートでは、4歳と1歳の男の子の父として、子育てにも奮闘する成田さん。SNSで発信される家族と過ごす姿も、やはりイキイキしている。

「子どもたちには挑戦し続ける大切さを知って欲しいです。『お父さんは元オリンピック選手なんだよ!』ではなく『お父さんは今こんなことをしているんだ!』と言ってほしいですね。」

今はそのための地盤作りの時期だ。新しいことを始めるのに年齢は関係ないと話す成田さんは、現在37歳。(2023年8月取材当時)”夢企画”を達成した成田さんの姿を見る日が今から待ち遠しい。

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