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那覇市孔子廟違憲住民訴訟 最高裁大法廷で審理へ(1)

全国紙でも報道がありましたので、ご存じの方もあるかと思いますが、私が担当している那覇市孔子廟違憲住民訴訟事件の上告審が第三小法廷から大法廷に回付されました。一昨日、最高裁の書記官から電話で説明がありました。 

事件は、那覇市の市民公園に設置された孔子廟は宗教施設であり、通常の公園使用料(年間約600万円)を免除されているのは宗教団体に対する便宜供与であり、政教分離を規定する憲法に違反するというものであり、一審の那覇地裁、二審の福岡高裁那覇支部のいずれも違憲判決を出しています。  

大法廷回付は、通常、①判例変更を伴う場合、②違憲判断を行う場合とされており、判例変更を行うとすれば、空知太神社訴訟事件判決に基づき政教分離原則違反とした控訴審判決をひっくり返すことになるやもしれません。これは逆転敗訴の読み筋です。もう一つの読み筋は、②違憲判断をすることですが、これは当方・住民側の勝ち筋となります。  

控訴審判決は、違憲判断をした点で全体としては勝訴でしたが、一部敗訴の判決でした。「那覇市が賃料200万円を請求しないことが違法となることを確認する」という判決主文でしたが、控訴審判決の主文は、「那覇市が賃料を請求しないことが違法となることを確認する」と若干ですが一審を変更しました。

控訴審の判決理由に拠れば、賃料を全額徴収しなくても政教分離に違反しないが、一円も請求しないことは便宜供与に該当し、憲法違反となる、としたのでした。この判断については、事後審査を旨とする司法裁判所の則を超えたものであるという理由をもって上告受理申立てを行いました。 

今回の大法廷回付は、補助参加人である久米崇聖会の上告と住民側の上告受理申立の受理に基づくものです。おそらく、当方の上告受理申立てに理由ありとし、原判決を破棄し、一審判決を復活させる判断だと思いますが、その場合、判決はやはり違憲判決なので大法廷に回付されたという読みです。 

これでこの事件も、沖縄那覇市のローカルな事件から、全国区の著明事件の仲間入りを果たせたのではないかと、浮き立つ思いです。表の政教分離原則違反の問題とは別にその裏の問題は、孔子廟の設置は、龍柱の建立とセットでなされたものであり、当時那覇市長であった翁長と中国との談合癒着の象徴でもあるのです。孔子廟は沖縄の孔子学院でもあります。この判決を機会に沖縄の憂うべき状況が広く全国で認識されることを望みます。

 (R2/07/31) 

■各紙の報道です。URLを張り付けておきますのでご参照ください。  

https://mainichi.jp/articles/20200729/k00/00m/040/310000c

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200730/k10012539851000.html

https://digital.asahi.com/articles/ASN7Y73FNN7YUTIL03N.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62049060Z20C20A7CR8000/

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/608567

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1165276.html

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072901212&g=soc

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