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客観訴訟について(首里城全焼の管理責任追及訴訟)

首里城全焼の管理責任追及訴訟は同法242条の2第3号及び同第4号に基づく客観訴訟です。客観訴訟は当事者の権利を実現する主観訴訟ではなく、司法権の要件である事件性を備えていません。
すなわち、司法権ではなく、法律が裁判所に付与した権限だと理解されています。 

このあたりは専門の領域に入るところなので、刑法や民法や憲法といった実体法と違い、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政事件訴訟法といった訴訟形態や訴訟手続きに関する手続法の領域なので、一般の方々には理解できなくて当然の世界です。

憲法の内容を争う憲法訴訟については憲法事件訴訟法があるわけではなく、その多くは行政事件訴訟法をもって争う事になります。但し、行政事件訴訟法は、いくつか特殊な概念(処分性等、不真正不作為)の修得ができればほとんど民事訴訟法が準用されていますので、それほどハードルが高いわけではありません。

若い弁護士にはそういって行政事件訴訟法のマスターを講義する機会があるのですが、なかなかこの領域を扱える弁護士はいないのが現状のようです。
行政法と行政事件訴訟法の心得の有る弁護士かどうかは、端的に行政事件訴訟法を勉強したことがあるかを聞けば、すぐわかります。 
しかし、訴訟での争い方、裁判の構成の仕方に関する専門知識なので、これがマスターできていないと、どう訴訟を組んで有利な土俵を設定するのかという戦略を立てることができません。 

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