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好きな野菜を好きなだけ作る 阿波市に移住した小川さん夫妻【my life-私はこの道を見つけた-】

 徳島県阿波市阿波町の小川愛さん(45)、直樹さん(48)夫妻は、生まれ育った東京から一家で移住して就農し、2022年7月に独立した。家族で営む「こひめ農園」は、「自分たちが食べたいものを作る」をモットーに、現在は50アールの畑で年間50種類以上の野菜を栽培する。「何をどれくらい作るのかを計画しないまま育てて、予想以上に多く収穫できて逆に頭を抱えることもあります。『どうやってロスを減らそうか?』と」。愛さんは土地や自然の恵みに感謝し、うれしい悩みを口にする。

 「会社を辞めて農業をしたい」。薬品開発の臨床試験をサポートする仕事をしていた愛さんは、ある日そう直感的に思い至った。理由を聞くと「ぐうたらしたい」と笑う。夫婦と子ども3人の5人家族で、東京の大学で講師をしていた直樹さんに相談すれば「いいんじゃない」と快諾。2人で移住先を探し、阿波市で農業体験を行っている農家を見つけた。四国にすら馴染みがなかったが、その農家と連絡を取る中で「徳島に来るのなら畑を貸すよ」と言ってもらえ、20年3月に移住した。

ニンニクの収穫作業をする直樹さん(左)と愛さん

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