マガジンのカバー画像

しみこんだhometown

16
水に沈んでしまった故郷が自分に残したかすかなものをただひたすらに掘り返して検証するこころみ
運営しているクリエイター

記事一覧

感じることを制止していた

友人と話をしていて、自分が親に厳しく育てられたエピソードを出した際「親も人間だし色々とあ…

hikobei-bee
3年前
10

泣くために身体を貸すという感覚

最近、用があってショッピングサイトを見ていた時に「あなたへのおすすめ」としてひょっこりあ…

hikobei-bee
3年前
4

そして2020年、呼び出しを受けた不思議な話〔後編〕

※引き続き今回の投稿も、私に起こった真実ではあるけれど、目に見えない類の不思議な話になる…

hikobei-bee
4年前
4

そして2020年、呼び出しを受けた不思議な話〔前編〕

※今回の投稿は、私に起こった真実ではあるけれど、目に見えない類の不思議な話になるので、そ…

hikobei-bee
4年前
3

最後の時間を一緒に過ごしてくれた友人たち

最近自分の部屋を片付けていたら過去のスケジュール帳が出てきた。2005年・2006年のものを開い…

hikobei-bee
4年前
10

生きる(活きる)フィールド

村の春は4月中旬くらいからじわじわと来る。なぜかというと、昔から積雪が多いところで(近年…

hikobei-bee
4年前
8

「今」に生きる生命のエネルギーを前に

短大生の時に写真の授業があり初めて一眼レフカメラを持った。 ファインダー越しに自分の見た世界をガシャリという音と共に切り取ることに夢中になった私は、夏休みなどの帰省時に父に頼んで閉村後の村に連れて行ってもらうようになった。 何度も書いているが、閉村した村が実際に水没するまでにとても長い時間があり、その間はいつでも訪れることができた。 ダム建設計画が実際に動き出した当時から閉村、そしてその後にいたるまでずっと、「最後に村の日々の風景を残したい」と初めて手にしたコンパクトカメラ

当時の私の本当の気持ちと、成長してから気づくこと

「貯水量日本一のダム建設にともなって村がひとつまるごと無くなる」ということで、当時、色々…

hikobei-bee
5年前
9

心の変化/「故郷」=「その場所」ではなかった

前回の投稿を書きながら、村の川との最後のやりとりの中で当時感じた幸福感を追体験していたら…

hikobei-bee
5年前
11

川と身体とのつながり

私の村は川に沿ってあったので、生活の基調音として常に川の流れる音があった。毎日そこにいる…

hikobei-bee
5年前
13

もうとっくに、会うことは叶わない場所だったのだ、と知った

思い出話が続いたので、つい最近あった出来事を忘れないうちに書いておきたい。 このブログを…

hikobei-bee
5年前
13

死の世界との近さ

村での生活では、死というものがごく身近にあった。 山での事故を筆頭に、(生活圏でも)マム…

hikobei-bee
5年前
9

村のお年寄り

村にはお年寄りが多くいた。旦那さんを戦争で亡くして、おばあさんが一人暮らしという世帯も少…

hikobei-bee
5年前
13

人間でないものたちの方が圧倒的に多い

ある時、山で仕事をしていた父が昼間に足から大量の血を流して帰ってきたことがあった。留守番をしていた私と母が驚いていたら父は「カマイタチにやられた!」と痛みに顔を歪めて言った。 父は時々大真面目に家族をからかうことがあったので真相は藪の中なのだが、でもあの山だったらあながち嘘でもない気がするのだから不思議だ。(とはいえ書きながら今調べてみたらカマイタチの場合は出血しないみたいだからやっぱり父特有の冗談だったのだろう…) 村の昔話では、実際に存在する場所名が出てきたり、実際に