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ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 22

第四章 22 未確認飛行物体ツアー

ハワイ在住で、UFOを呼べるという男性、高木が居た。本を自費出版していた。以前、その方を囲んで、お話会がクリスの教会で何回かあった。私も出席したことがあった。その頃は、私も不思議現象に飛びついていった。

クリスが親しくしている人たちの紹介だったが、今思えば、私は最後までその人達とは馴染まなかった。

クリスの教会でワークショップを開いた物理学者のご一行様と、UFOを見に行くことになった。場所は、ワイキキから車で20分くらいの、サンディビーチ。このビーチは、常に波が巻いていて、ボディボーダーのメッカだ。夜8時頃からダウンタウンの教会で集合し、車で連なって出かけて行った。私とクリスは同じ車で行った。

夜のサンディービーチは、ひっそりとしていて大きな公衆トイレがあり、電灯もあり割と明るい。そこが全員のミーティングポイントだ。治安は良いとは言えなく、パトカーも巡回している。何回も事件が発生する場所だ。

今回は、15人くらいの人数だから、安心だった。UFOを呼べる高木さんは、すでに海の近くの岩場へ行って、集中して交信しているらしい。東京からの特別ゲストが来ているから、必ず呼びたいところである。

皆が口々に言った。

「綺麗な星よね、波の音しか聞こえないわね」

すると、以前も見に来たことがある、クリスが言った。

「UFOの経路は、海の向こう側、左の方からこちらに向かってきて、後ろの山へ行くことが多いらしいよ」

しばらく経って、海に向かって左奥のカネオヘの方から、それらしい飛行物体が飛んできた。何体かそれらしき物は見た。

ただ、夜空で高い高い光の物体が、飛行機なのか、そうでないのか、確証は持てなかった。

教授は本格的な双眼鏡を持っていた。アメリカ本土の、ネバダ州南部の町、エリア55に行ってUFOを見てきた教授である。さすがに本物かどうかの見分けは付くらしい。その教授が最後まで沈黙を通していた。

私は、やはり違うのか、と残念に思った。

それらの光の一つに、海の左奥方面から来た物体が、我々の頭より手前のところで停まって、ピーっと機体から下に光を放った時があった。それこそは、本物のUFOに違いないと、ほとんどの参加者は思った。

後に教授が本を出したとき、紛れもなくUFOが次々と現れたと書いていたらしい。本当はそう思っていなかったのに。

スピリチュアルと言うだけで、怪しく思われる分野なのに、話を盛ってしまったら、本当のことも、全て疑わしく思われてしまうではないか。

私はこの教授は信用できるのかな?と感じた。実はこれだけでは無くて、その他にも、この方は、人としてどうなのか、と思われる要因が出てきた。

教授の姪の時子さんは、最後の方でクリスと少し話していた。私には内容が全く聞こえなかった。

私とクリスは、夜の営みはなくなったとは言え、その事は二人にしか知らないことなので、二人の話し方のカジュアルさから、誰が見てもカップルだった。

そのビーチを離れる寸前に、4つの光を機体の下から放ち、悠々と海側に抜ける飛行物体がいた。飛行機やヘリコプターではないと思ったのは、音がしなかったから。その夜は皆、ある程度興奮して帰途についた。


サンディビーチ

家に着いてからも、私はクリスに言った。「時子さん、良い感じね。四駆のレンタカーを運転するなんて、ボーイッシュで素敵ね」と

日本からのグループは、教授と時子、千佐子と息子は、時子が運転する四駆のレンタカ―で、ワイキキのホテルから来ていたのだ。

ずいぶん経ってから気がついたことは、やはり最後の飛行物体は飛行機だとわかった。音がしなかったのは、波の音が予想以上に大きかったから、飛行機の騒音が聞こえ無かったのだった。

さて、他の光はどちらだったのだろうか。


サンディビーチのホノルルより
ライフガードの小屋が左に見える場所

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