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「桜狩」を自宅で / MV撮影裏側

紅葉を鑑賞することを紅葉狩りといいますが、琵琶歌には「桜狩」という詩があります。これは侍が桜を見に行って人の世に思いを馳せるという内容の詩です。

「桜狩」は私もお気に入りの琵琶歌のひとつで、何とかこれを桜の季節までに撮影したい!と思い、年始ごろから準備を進めていました。

世間はコロナコロナ……去年はお花見シーズンに緊急事態宣言が発令されて、お花見を楽しめなかった方も多かったと思います。日本の四季・桜を楽しめない春なんて悲しい。何か少しでも暗い気分を紛らわすものを。という気持ちもありました。

映像×琵琶にしたわけ

なぜ年始から準備を進めたのかというと、琵琶の演奏に「イメージ映像」を重ねたかったからです。イメージ画像の作成に最初の数週間は費やしました。

琵琶歌の敷居が高く感じる理由のひとつは、その日本語の難しさだと個人的には感じています。私は琵琶歌に出てくる言葉の美しさや隠喩などが大好きですが、一方で、普段の使っている口語や現代文とは違うため、初めて聞く人には難しく感じてしまうのではないか、と思います。

そこで、「古典が苦手だった人」「難しい言葉はまだ習っていないお子さま」「日本語がわからない方・勉強中の方」が歌詞の意味を知らなくても楽しめる手段として、イメージ映像を背景に琵琶を弾くという方法を思いつきました。

これだったら、言葉の意味が分からなくても「桜吹雪の場面だなぁ」とか「花びらが散っている感じかな?」とか想像できると思ったのです。琵琶士は詩の意味を思い浮かべながら歌って・弾いていますから、聞き手もイメージがキャッチできれば琵琶の音をより楽しめるはずです。

「言葉が難しいから」と薩摩琵琶を聞いた事がなかった人のハードルが少しでも下がって、「琵琶の音って何かかっこいいかも」と思ってもらえたら、これ以上嬉しいことはありません。

MV「桜狩」

そんな思いからできた動画がこちらです。

英語圏の方にも見ていただけたら嬉しいな~と思い、英語字幕もつけました。漢詩の部分や繊細なニュアンスをすべて伝えるのは難しかったので、翻訳者と相談しながら、意訳にした部分もあります。

本当はカットした部分の歌詞が好きなのですが、すべて入れると20分近くかかるため、気軽に見れるように短くアレンジしています。いつかFullバージョンもアップしたいです。

撮影や編集はまだまだ勉強が必要ですが、良いチャレンジになったと思います!すでに第二弾も動き出していて、夏の公開が目標です。

友人や家族の協力にも助けられました。みんなありがとう!

そして、単純ですがイイネや高評価がとっても励みになります。薩摩琵琶ファン拡大のため、活動を続けていきますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。

(撮影・編集担当)

サポートありがたく使わせていただいております。琵琶のメンテナンスや作品制作に充てています。メッセージ欄にお名前(仮名やペンネーム可)を入れていただいた方は、映像作品のクレジットに掲載いたしますので、よろしければどうぞ!