リアル70年代〜洋楽女子話⑫憂歌団、上田正樹
音楽とは腐れ縁だったかもなぁ、と。
母の私の音楽好きが災いしたのか、子供2人がポップスの作曲家と、クラッシック演奏家を目指すようになったのか?…とちょっと後悔?もなくはく無いけど。
70年代半ばから音楽が生きることを助けてくれたけど、黒歴史(?)もある…。
で、フォークの話を書いてて、
「あ!中学生から好きだった、憂歌団のことを書かなきゃ!」ってなって。
画像はもちろん、『パチンコ』です。笑
その前に、上田正樹の話。
そして、BOROともんたよしのりも。
上田正樹とサウストゥサウス
中学に入ってわりと早い時期に、彼らの演奏を聴いて、「こんなカッコいい人ら、いたんやん!」って。それも関西にって、ビックリした。
当時多分、関西の人はかなり応援してたみたいで、ラジオでも流れてたし、深夜のテレビじゃなくて、夕方とかにちょっと演奏して、上田正樹が喋ってた記憶がある。なんかのイベントの中継だったような感じで。8・8ロックデイ出演は、74年だから、8・8ではなかったかなぁ。
8・8ロックは、アマチュアバンドのコンテストだったけど、何曲も演奏するし、実力と見応えのあるバンドが出てた。私の感覚では、プロに近い人しか出られないイメージ。
万博でロックは、今ウルフルズがやってる。その前は、JAZZのライブアンダーダスカイなんかもやってた。
が、当時は万博と言えば、8・8なイメージで。他の場所でもやったけど。
同じ時期に活動してた山岸潤士の、ウエスト・ロード・ブルース・バンドもあって、競いあってたから、関西でこう言う音楽が、発展したのか?
オープニングからカッコいい
で、私が聴いたブルース、ファンク、ソウルの音楽の最初は、サウストゥサウスやったかも?ぐらいで。
ジェームス・ブラウン聴くより、先に上田正樹の歌を聴いたかも?笑
ライブの定番のオープニングが、これだから。レコードのオープニングにもコレが入ってる。75年とか、まだ日本じゃフォークの時代に。笑うぐらい、他とは違うことやってたな。
オープニングが、カッコ良さでは一番かも?笑
上田正樹は、ほぼ歌ってない。バンドが演奏して、合いの手?入れるだけ。客をあおるだけで。笑
海外のバンドサウンドのコピーって言えば、そうだけど、演奏も上手くないか?ってなって。
ホーンとかの入り方も好き。他の楽器、キーボードとかの感じも大好き。ソウルより、ファンクな感じ。ちょっとアースの風味もあるし、こんなバンドが当時の日本にいたって、知らない人は信じられないかも?の感じ。
で、歌う曲は、むかで?って。
『むかでの錦三』って。
内容は、ヤクザの怖いお兄さんの話なんだけど。今なら、こんな歌詞大丈夫か?ってなる。笑
タトゥーじゃなく、刺青で。ヤクザ、イレズミ、極道って。
音楽は、めちゃくちゃ好みで、アレンジも好き。ベースもいい感じで入ってるし。ノリも良いし。
サビからのメロディーも好き。ヤクザの曲だけど、ハッピーで明るいしね。笑
『あこがれの北新地』も、人気曲だった。中学生の私には、サッパリの世界だったけど、大人の男は働くようになったら、キレイなお姉さんのいる店で、散財するんやなぁ…はわかった。笑
このバンドも男性人気だったなぁ。
新地のクラブに連行
で、ちょうど10年後、行きましたよ。
あこがれの北新地。バブルの初めごろ。
人生で、気まずい時間の長さでは、
No.1だったわ。笑
新地のクラブ(語尾が下がるやつ)。
仕事上、取締役だったり、部長さんたちと、やり取りする機会も多くて。下心なんか全くナシで、色々な方に可愛がっていただいて。
「ご飯食べに行こうや!」も、独身の人と2人だと、後が色々めんどくさくなるのがイヤで断れるけど、部長3人組とかに誘われたら、もう行くしかないし。ま、お酌係として呼ばれた感もあった。笑
その日は、女子の先輩と2人で、おじさん3人。当時は、まだめちゃくちゃ狭い15人ぐらいしか入れなかった、点天へ。餃子が大好きになった。今じゃ、新幹線の駅でも買えるし、地方の物産展でも買えるようになって、感慨深いわ〜。
餃子とビール、キュウリの漬物を食べ(長居は出来ないルールだったから)、お腹を満たすために、もう一軒でお好み焼きを食べ。
皆さんは、多分飲みに行くんだろうなぁ…のタイミングで、先輩と一緒に抜けようとしたら、「大丈夫やって。ママは女の子来ても気にしないから」って、私だけ帰して貰えず、新地に連行された。
今も若い女の子を、キャバクラとかに連れて行く人はいるのかも?だけど、マジで気まずい。笑
既にスナックは、まあまあ行ってた。当時はカラオケするには、スナックの類いに行くしかなかったから。スナックはまあ、全然大丈夫だった。
が、あの時期、あのクラブにホステスさん以外の、若い女の子が来たのは初だった感じ。ちゃんとした、高級なクラブで。歌詞にもあるけど、「若いもんが、来るとこや、おまへんで」で。笑
一応、1人につき1人以上はホステスさんがつく決まりで、私の隣にも若い、多分同じ年頃か、少し上の新人に近い人が座って。
おじさんたちは、ママの顔を見る目的だから、そっちはテーブルの反対側で盛り上がってたけど、こっちは…。笑
テレビのドラマとか観てた感じでは、ちゃんとしたクラブの女性は、会話するんだと思ってた。請求書も処理してたから、馬鹿高い金額なのも知ってたし。笑
隣の女性は、ダンマリ。お酒が飲めない私だから、お酒を作ることもなく、ただ座ってて。私は、私で「あー灰皿、変えなくいいんか?」とか、「ビール注がなくていいんか?」とか、気になって。笑
私が出しゃばって、手を出す訳にもいかず…。何にもしない、話さないホステスさんと、黙りこくって座ってた時間の気まずさったらね。笑
せめて、天気の話ぐらいしたら?って、なった。笑
で、この曲はブルースだけど、明るい。毎日の生活に追われてるような男性。新地に行ってみたら、小馬鹿にされた内容。実在してたら、私が新地行ったって聞いたら、怒りそうなやな、この人。笑
音楽は楽しいし、歌詞のユーモアもある。楽しそうに演奏、歌うのも良いよね。音楽は楽しまないとね。
悲しい色やね
この曲は好きなんです。大好き。
上田正樹の声の良さ、歌の上手さもちゃんと出てるし。大阪が舞台だし。
83年だから、AOR旋風も吹いたし、サウンドなんかが、こうなるのはわかる。ちょっと違うかも?だけど、アレンジが、なんかユーミンとか風味って言うか。
その前に、他の2曲も出てるし。
私が勝手に認定の、大阪・関西の曲トリオ
83年の『悲しい色やね』と
79年の『大阪で生まれた女』と
80年の『ダンシングオールナイト』
『ダンシングオールナイト』は、関西弁も地名も出てこないけど、私はソウルは関西だと勝手に思ってて。笑
前後の時期に、3曲とも作られたけど、それぞれはかなり違うかなぁ。
共通してるのは、3人ともハスキーな声系なんだよなぁ。私はこの系統の声が大好きだし。笑
『大阪で生まれた女』は、今久々に聴いても、超エモい。エモくて、心を揺さぶられる曲。メロディーが良いなぁってなる。歌詞がフューチャーされがちだけど。
大阪だから、推す訳じゃない。
イマドキ、東京なんかに行かない!って女子は、大阪にも殆どいないと思われ…。笑
家族と離れたくないとか、他に理由があって、地元で頑張る人は沢山いるだろうけど。関西に限らず。
男について行くとか行かないとか、女も「自分の人生は、自分で決めろや!」は、個人的にはある。笑
最終的には、ついて行くんだけど、この女の子は。コレも「どっちやねん?吉本新喜劇かい?」ってツッコミたくはなるけど、まあ迷うのが人生だしね。
人生には、折々大きな決断を迫られる時が、必ずやってくる。そんな時に、聴くと何か感じるかも?それまでを振り返って、でも決断は正しかったか?って考える時、力になってくれる歌かなぁ。
カバーでは、ショーケン(萩原健一)バージョンは、昔からあって好き。
が、吉幾三が歌っても、上田正樹が桑名正博と一緒に歌っても、オリジナルには及ばない、何かがある。
『ダンシングオールナイト』も、歌に力がある。これだけ声に特徴があって、歌えて、曲も作れるのに、それでもなかなか売れないってね。つくづく音楽の世界って、大変だなぁってなる。
で、ちゃんと認めたのが、北島三郎ってのも、好き。笑
サブちゃんの音楽を、人を見る目の能力の高さを感じるなぁ。ど演歌の事務所で、このレコードを作るってね。
「もうコレが最後のレコーディングかも?」みたいな話は、色々なアーティストの話に出てくるけど、そう言う必死さとかも、歌に出るのか?
この曲も、たくさんカバーされてて、松崎しげるに天童よしみ、島津亜矢って、今の最強の3人かも?がやっても、私が聴いた感じでは、「やっぱり、もんた」になる。
で、3曲並べて聴いたら、私には『悲しい色やね』が、一番エモさが不足してる感じなんだけど。ソウル風味も一番薄いかも?大の上田正樹ファンなのに。
何せ、中学時代、カッコいい大人の男性って思ってたのは、トノバンこと加藤和彦と、上田正樹。2人ともオシャレ男子だったから。
若くて超カッコいいは、草刈正雄だったけど。笑
歌った年齢とかも関係してるのかも?だけど。若い時しか出ない、熱さとか切なさとか、発する物はあるのかも?
サウストゥサウスも、その後すぐに解散するけど、私の好みは、ソロになった上田正樹より、サウストゥサウスの時代。
名曲のカバーとかは、良いし上手いし好き。洗練して、オシャレになるのは良いんだけど、上田正樹がやらなくてもいいやん?って感じがあるかなぁ。
サウストゥサウスは、ブラック系好きな人を開拓する前に、解散してしまったのか?
現れた時期が、早過ぎたのか?
関西弁丸出しの、ちょっとふざけて聞こえる(関西人には、おちょけてる程度)歌詞が、全国区になるには、受け入れられなかったのか?
解散後も、大阪中心で活動したからか?
私には答えはわからないけど、彼らの演奏が大好きになったら、そら日本の歌謡曲や、フォークには行かなくなるよな?とは思うけど。多分超少数派だったんだろうなぁって。
パチンコ!パチンコ!
憂歌団はラジオで聴いた『パチンコ』が中毒になり。笑
76年リリースだから、中2の時。
しばらくは、頭の中でずっと、「パチンコ!パチンコ!」が鳴り続けた時期があったわ〜。
『らんらんブルース』とのメドレーも好き。
憂歌団の魅力は、ブルースだけど、リズミカルで、ユーモアがあって、何より唯一無二の声と歌。
なんでこんな風に歌えるのか?ってなる歌い方と、聴いたらすぐにわかる声。
『嫌んなった』も聴いてて、好き。
『おそうじオバチャン』が、デビュー曲で、放送禁止をくらったりしたのも、かえって好きになったなぁ。天邪鬼だし私。笑
後にダビングして貰って聴いたけど、別におそうじする人を差別してるような、内容とは思えなくて。女性のパンツの内容がマズかったんか?笑
憂歌団は、働く人の立場から曲を書いてた人たちだと、感じてたし。
憂歌団がやるカバー曲
『スティ・ウィズ・ユー・フォーエバー(君といつまでも)」は、私が幼稚園時代ファンだった加山雄三の曲。
幼稚園時代、本気で結婚したかったけど、彼は結婚してしまった。笑
シンガーソングライターでもあった、彼のヒット曲だけど、元曲より好きなぐらい、いいカバー曲。
憂歌団がこの曲をカバーした理由が知りたいぐらい、意外な曲のチョイスで。
あのメンバーは、もし「女の子にあの間奏のセリフを言いそうにない人選手権」があったら、優勝しそう。笑
彼らにも、そのファンにも似合わない感じだったから。誰かが好きなのか、加山雄三の『お嫁においで』もカバーしたし。
加山雄三は、昔女子のファンに向けてあのセリフを言ってたけど、憂歌団のファンは、ほぼオシャレじゃない(決めつけ)男性だったからね。笑
当時から、圧倒的に男性ファンに支持されてたなぁ。女子には憂歌団は相手にされてなかった。笑
中学生だしなおさらだけど、その後も25歳過ぎて、私自身が色々と開き直るまで、「憂歌団、好き」は、女子にも殆ど言わなかったけど(言うような女子がいない)、男性には特に言わなかったな。
「変なやつ」認定されそうで。笑
その後ソロ活動で、木村さんは「オリジナルとは?」とか色々考えた末に、カバーをたくさん出して、海外・国内問わずに、色んな曲を歌ってくれてるのは、嬉しい。この人が歌うと、曲の違う面が見えたりするかなぁって。
カバーの一つの価値は、亡くなってしまって、ライブで聴くことの出来ない曲を、ライブで生で聴けるってのはあるかも?
『酒と泪と男と女』は名曲だけど、河島英五が歌うのは、もうライブでは聴けないしね。新地に私を連行した部長のオハコでもあったな。笑
同じくブルースで頑張ってきて、
『おどるポンポコリン』で、一般にも知られるようになった、近藤房之助さんと歌ってるのも、いつかは見られるなくなる光景かも?とはなる。
70年代に大好きになったけど、憂歌団も活動が鈍ったりした時期もあって、アルバム全部を聴いてた訳じゃなくて。
アルバムとしては好きな、
『Taste of UKADAN』なんかは、人が書いた曲もかなりあって、憂歌団はオリジナルを書かなくなるのか?とか、ちょっと心配もした。体調悪そうなメンバーの話とかも、聞こえてきたし。
86年には
『大阪ビッグ・リバー・ブルース』が出た。全体に悪くなくて、曲は好き。
が、イントロのストリングスが、タイトルでブルースって言いながら、風味を消してて。いきなりサビが入るのも、メロディーも良いんだけど。
サウンドが『悲しい色やね』風、歌詞の内容は『大阪で生まれた女』を男の立場から歌ってる風、歌のテイストがちょっと『ダンシングオールナイト』寄り、みたいな、あっちこっちから寄せ集めた感じがして。
「らしくなくなったのか?憂歌団は?」って感じたかなぁ。勝手な印象だけど。作詞も曲もメンバー作でもないし。
今でも、時々聴くけど、大阪の三大の曲には、入れられない感はある。(超勝手な、個人認定)笑
胸が痛い
この曲は、憂歌団なんだよね。好きだわ〜。
が、作詩は『大阪ビッグリバーブルース』と『悲しい色やね』と同じ。
音楽は難しい。笑
頭のブルースハープがちょっと長めだけど・ギターと言い、バックとのバランスは木村さんの「天使のダミ声」が、良い感じで聴こえて。
彼はずっと声を張って歌わないから、静かに小さな声で歌うパートは、バックも合わせたほうが、絶対に良いって個人的に思ってて。
凝ったアレンジも吹き飛ばすぐらいの威力のある声と歌い方だから、彼の作りたい音楽に、他の人が寄り添う感じが、ベストにマッチするかなぁって。
憂歌団の曲は、70年代には日活映画とかで使われたりしたけど、あの雰囲気が強すぎるのか?あまり使われないのは残念だった。ゲゲゲの鬼太郎シリーズは使われてるみたいだけど。(観てない)
で、少し前に、たまたま特に期待せずに観た日本映画で、途中で流れて、気持ちを持っていかれた。笑
『軽蔑 』って映画。大好きだった作家の、中上健次原作作品だったらしく。観る前は知らなかったんだけど。確か、お腹を刺されたか、撃たれた後に流れてた。
主題歌も懐かしい『グッバイマイラブ』だったし。アン・ルイスのこの曲も、小学生時代に好きだった。
で、当時憂歌団としてのライブがちょっと減り、何より木村さんの歌を生で聴きたくて、小さいけど老舗のライブハウスで、ギターだけでやるライブを観に行きまして。多分90年前後。
小さい箱で、多分100人前後を詰め込んでやってた。
マイクはあったけど、真ん中の真ん中あたりだと、ギターなんかはそのままの音が聞こえるし、歌声の強弱の幅とかも、めちゃくちゃわかったかなぁ。
その時も、ファンは圧倒的に男性が多かったな。笑
逆ベイシティ・ローラーズ状態まではいかないけど、8割強は男性で、私が30歳前だったけど、ちょっとそれより年齢高めの男性ばっか。笑
曲は、私の大好きな初期の憂歌団の作品が中心。ギターだけだしね。
『嫌になった』は、歌詞も好きで。
フラれた男の歌だけど、暗くないのよ、全く。基本は前向き。笑
「もひとつ、きばって(頑張って)」「神様、仏様」のところも、可愛いし。
『君といつまでも』は、お約束でセリフの間は、観客のダミ声のヤジ?が入って、楽しく、観客と一体化してる感じだった。
毎日、仕事や家事で辛くても、『パチンコ』とか、『嫌になった』『おそうじオバチャン』を聴いたら、私は元気を出そうってなれる。
「今日も働いて二千円!』って叫んで。笑
ブルースって黒人労働者が、労働中に辛さを紛らせたり、宗教的な歌にルーツがある。
憂歌団は、私は仕事に疲れた時に、聴きたくなったなぁ。
そんな意味でも、憂歌団の曲はまさにブルースかも?って、今ごろ気がついた。笑