ところが檸檬炭酸水

主に小説を書きます。

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マガジン

  • fromTECH.C.札幌

    • 99本

    TECH.C.札幌 ライトノベル&シナリオライターコースのマガジンです。学生作品やコンテスト情報、地元札幌のイベント情報などを発信していきます!【毎週月曜日更新】

  • 学園祭『One day 1 story』ノベルリレー小説

    • 26本

    札幌デザイン&テクノロジー専門学校・ノベルコースによる学園祭用マガジンです。6月10日、11日にリレー小説を投稿する予定です!

  • 謎解けぬ〜mock turtle school〜

    • 8本

    we areの水平思考ゲーム用答え掲載マガジンです

最近の記事

二年B組 高校生物語 《出席番号23番 西野木 苺》

 高校生二年生の春に私は初恋というものを忘れた。  彼氏がいない訳ではない。私が生まれ記憶が構築されてきた時から、彼氏みたいな人がいた。その相手は家が隣同士で、親同士が仲良く、赤ん坊の頃から会う機会が多かった異性が今の彼氏の荒金 明司(あらがね あかし)だ。  だからか、私は初恋というのは遠い過去のものであり、化石のようなものだ。いつの間にか私とアカシと付き合う関係になっていた。あれは幼稚園の頃だっただろうか。アカシに告白されて、幼い私は恋というもの知らずに中で首を縦に振

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    • 水平思考ゲーム問題「高校デビュー」

      とある生徒が自己紹介を始めると、次々に生徒達が泣き始めた。そして、最後には先生まで泣き始めてしまい、先生に「いい加減にしろ」と言われてしまうが、その生徒はとても満足した様子だった。一体どうして? 答え↓ 《こたえ》 その生徒は、喋りがとてもうまく、その生徒が自己紹介の余興で喋り始めると生徒が次々と笑い泣き始めた。最後には先生まで笑い泣かせたことで、先生が「いい加減にしろ」とツッコミを入れてオチをつけた。生徒は教室を笑いで盛り上げれたことに満足した。

      • 青春学園小説 学校の『何でも屋』さん 少年ジャンプ応募作品 あらすじ

        中高一貫九十九学校には、依頼の為なら窃盗、詐欺、殺人なんでもやる『何でも屋』があるという噂が流れている。 九十九高等学校に通う楠田凛は、正義感が強く、可愛いより美しいという言葉が似合う短髪の女の子である。ある日『何でも屋』の噂を聞き、正義感の強い彼女は親友のお弁当袋を盗んだ『何でも屋』を捕まえることを決意する。柔道と喧嘩が得意な彼女は簡単に捕まえられると思っていたが…… 親友の母親がつくったハンドメイド商品が高価転売する犯人探し? 不良グループvs風紀委員vs楠田凛の猫探

        • 学校の『何でも屋』さん 第三話

           目の前には空が広がっていた。  なぜ、楠田凛は空を眺めているのか、すぐに思い出した。体を起こし腕時計を見た。あれからおよそ三〇分ほど経っていた。  完全に二人に嵌められた。  楠田の顔を隠し、視界を奪ってからのスタンガンでの攻撃。視界を奪われなければ、楠田であれば対応できたことだ。しかし、相手の方が一枚上手であった。 『やっと起きましたか……』  片耳につけていたイヤホンから『何でも屋』の声が聞こえてきた。 「ずっと見ていたの?」 『はい、カメラ付きドローンで、あなた

        二年B組 高校生物語 《出席番号23番 西野木 苺》

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        • 学園祭『One day 1 story』ノベルリレー小説
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        記事

          学校の『何でも屋』さん 第一話

          「嘘つくなよ」 「そうだ、兄貴に逆らう気か」 「す、すみません。で、でもお金は本当に……」 「おい‼︎」  首元を掴まれた少年の踵が浮ぶ。身長140cmほどの小さく軽い体だ。相手との身長差は20cm以上はあり、小さい彼の抵抗も虚しく体が浮いてしまう。同時に首がしまり、苦しくなってくる。そして、彼の呼吸が乱れてきた瞬間に奴がきた。  正義の味方にしては荒々しく、大胆すぎる。しかし、困っている者には手を差し出す。そんな奴の足が、少年の首元を掴む不良の手を弾いた。 「痛って──

          学校の『何でも屋』さん 第一話

          学校の『何でも屋』さん 第二話

           私立九十九学校には沢山の噂が流れている。地下の実験施設、新型兵器の開発。国の実権を握る次期官僚の選別がこの学校で既に始まっている。『何でも屋』の秘密基地が地下に存在している等。そんな数ある噂の一つが、本当だったりすることもあるのである。  ここは普通科棟の地下にあたる場所。 「なんで私が、こんなところにいなきゃいけないのよ‼︎」  元気よく叫ぶのは、ショートカットが特徴的な可愛いよりも美人という言葉が、口を開かなければ似合いそうな見た目の女子高生。楠田凛だった。社長が座

          学校の『何でも屋』さん 第二話

          シナリオ形式物語 『店の中央、私服女性が二人にて』

          ○ハロウィン当日。店の比較的中心にあるテーブルにて 女A「右手側のテーブルの席」 女B「そうね、ヴァンパイア姿のメイクがとても良いわ。だけど、衣装がとても残念だわ。ただ、スーツを来ているだけだなんて。見ているとこっちまで、見苦しくなってしまいまうわ。50点」 女A「その隣のテーブルは?」 女B「狼の被り物だけで、あとは私服だけ。気に入らないわ30点」 女A「あら、厳しいこと。私はもう少しお手柔らかにしてもいいと思うわよ……ほら、ヴァンパイア姿の男性の膝下に熱々のコー

          シナリオ形式物語 『店の中央、私服女性が二人にて』

           「鈴木社長さんへの質問です。私はあなたに捨てられました。今も、あなたにあげた沢山の初めてを覚えています。あなたはどうですか?」    赤いドレスを身に纏った凛と美しさを感じる女性の言葉を合図に、株主総会の会場内が一斉に響めきたった。  突然の意味不明な質問に鈴木駿は唖然とし、女性の美しさに慄き、そして、目を見開いて驚いた。  彼女だ。    鈴木はスーツのネクタイを整え、もう一度彼女を見た。  今や一部上場企業の若手社長になった鈴木にも過去の女がいたことがあった。それは鈴

          三題噺 「夏至」「スニーカー」「高校生」

          たとえ、今、僕が死んだとしても、この呪いから解放されることはないのだろうか。魂もあの世とこの世を彷徨い続けてしまいそうだ。    高校生の健介は家の日の当たる縁側で、体を伸ばして横になっていた。その心地よさだけが、母方の祖父母の家での楽しみだった。    「ゲームしたい」  太陽の眩しさに目を細めながら、家の快適さに想いを馳せていた。祖父母の家にはエアコンもなければ、パソコンもない、ネット環境もないという健介にとっては最悪であろう環境に置かれていた。  古い携帯ゲーム機でも

          三題噺 「夏至」「スニーカー」「高校生」

          酒の夢

             冷たい。とても冷たい風が皮膚に刺さる。波の音が耳を叩く。白い光が瞼をこじ開けた。  目が覚めた。    日本最北端の地    どういうことだ?俺の住む場所は網走だ。  石階段から体を離し、起き上がる。顔を上げて周りを見渡すも見覚えのない土地だった。目の前には三角状の石でできたオブジェと、先が見えない水平線が広がっている。  これは現実ではない夢だ。  これより前の記憶が、思い出せない。  俺の体は飲みすぎてまた、どこかで寝ているのだろう。だから、視界が少しぼやけているだ

          布団の中の天国

           遠くから頭を叩くような電子音がだんだんと強くなってきた。  カーテンの縫い目の間を抜けて光が肌に差し込んでくる。  外部の刺激が警告を鳴らすも、頭と体がそれを無視して温もりに逃げ込んだ。  俺はこの心地の良い温もりから脱出しないといけない。  頭ではわかっている。  わかっているも、外の爽やかな空気は地獄のように感じた。 「う、うっ……」  頭が冴えきるのを否定するかのように声を漏らした。  まだここにいたい。   頭の睡魔もまるで天使かのように俺を布団の温もりに誘った

          少女と木

          ただ広い平原があった。 周りには何も見当たらない、ポツンと立つ一本の木を除いて。 木の根元には齢16歳ぐらいの少女が、ただ木を見上げていた。 少女の目には、目の前の木が広がっているが木を見ているが瞳には輝きはない。 風が吹いた。 広い平原が波打ち、大きく木が揺れ、長い髪が靡いた。 今の少女には昔ほど、木を見ても心が動かない。 昔の少女なら木下で本を読んだり、木登りをしていた。さらにはこの木の枝を使っておままごともしたし、木に話かけることもあった。ただ無心に木に近づいた

          『薔薇の香水』

             私には勉強しか残っていない。誰かと話す為の日本語も、汗水流すための運動も全て捨ててきた。いや、私が望まなかっただけなのかもしれない。    自らが書いた日記を白石菫は目を通していた。  自分の日記を読み直すのは少し気恥ずかしさを感じながらも、一年前に書いた自分の日記にはこれからの生き方を表しているようで、菫はたまに振り返ってしまう。  自分には勉強しかない。  そう思うと自室の本棚に並んでいる参考書は、重く誇らしく感じるものだ。  今、菫が会話をする人といえば、母と

          初雪

           初雪が嫌いだ。  花菱鞠は初雪が嫌いだった。衣替えもしないといけないこと。気温が安定しないこと。突然の雨にも見舞われることもある。そのせいで花菱鞠はあの初雪が降り始める時期はとても嫌いだった。さらに初雪が降れば地面がぬれ足元が安定しなくなる。やがて、寒さが酷くなり雪が積もり滑って転ぶ。  そこまでを考えてしまうきっかけの初めとなる初雪が花菱鞠にとって一番嫌なのだ。  初雪が降ったことを知ると先ほどまでの行程を全て思い出してしまう。もちろん自分が転ぶ姿まで。  それでは、花

          二重人格

           気が付くと会社帰りだった。物凄く疲れていたらしい。会社に出勤して業務をこなしていたところまでは覚えていたが、空が焼けていることは気づけず、烏の鳴き声が時間を教えてくれた。流石にこの疲労を抱えたままでの料理は無理だと思い、スーパーの冷凍食品コーナーに重い足を運ぶ。 「ナポリタン」  疲れからか目に入った文字を口から零した。独り言を喋っていた自分に気がついたが気に留めるほどの余裕はない。口から零れたナポリタンを棚から取り出した。レジに向かう足が疲れから足早になっていく。そう

          タコ注意報

          今日もやってきた。この日。 花火がなっている。 周りには親子連れの人や、いちゃいちゃしているカップル、他には会社の集まりや、学校の行事の一環として来ている学生などがいた。 それぞれが手にしているのは、たこ。 小さなものは片手で持てるものから、大きなものは大人が複数人ではないと持てないものまである。 そう、あげるのだ。 空に。