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05_歪んだ男性像を修正する、そんなリハビリ。

 元夫がどんな人だったかをすごく簡単に言うと、「嫁は、俺が今何をして欲しいと思っているかを読み取って、言われなくてもやって欲しい」という人だった。この課題をクリアする際の厄介ポイントは、2つある。「何をして欲しいかは明示的に示されない」ということと、「何をして欲しいかはその時々で違う」ということだ。

 まず、「何をして欲しいかは明示的に示されない」点。明示的に示されないのでこちらは、相手の表情やほのめかし、シチュエイションや過去の経験など、常にモニタリングして備え、予想し推測し、答えを出さなければならない。「気づかなかった」はNGだ。なぜなら、「言わなくても読み取る、察する」ことを求められているからだ。わたしが元夫の希望に応えられなかった結果、「何をして欲しいのか」が明らかにされないまま、走る車の助手席で2時間、責められ続けたこともある。「しなかったこと」ではなくて、「するべきことに気づけなかったこと」「気づいて行動できない能力の低さ」が詰られるのだ。

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