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#003 小説家とYoutuber

医療に限らず、学問だって仕事だって、セカンド・オピニオンが必要です。たった一つの言説に固執すると、誤った方向に導かれてしまうことがあるからです。

昨日は、「小説」という単語を、Wikipediaで調べましたが、今日は、セカンド・オピニオンとして、語源由来辞典という別サイトで「小説」について調べてみました。すると、こんな説明が載っていました。

英語「novel」の訳語に「小説」を当てたのは、坪内逍遥が『小説神髄』に用いたことからと言われるが、それ以前から訳語として用いられており、中国でも坪内逍遥が使う以前から「novel」の訳語に用いられている。ただし、逍遥以前に訳語として「小説」が用いられたのは、「novel」だけでなく「story」や「fiction」「romance」など関連する複数の語であった。坪内逍遥が「novel」に当てたといわれるようになったのは、これら複数の語に当てられていた「小説」を「novel」に限定し、他の文学形態と明確に区別させたことからである。http://gogen-allguide.com/si/syousetsu.html

どうやら、小説とイコールなのは、novelだけ!としたことに、坪内逍遥の業績があるようなのです。

この「小説=novelだけ」問題も、なんだかイヤな予感がしますね…

なぜなら、坪内逍遥が「小説=novelだけ」にしたことが、ある種の業績であるならば、「小説=novelだけじゃない」という前段部分に、何か引っかかるものがあったに違いないからです。

肉を売るのは肉屋で、魚を売るのは魚屋で、小説を書いているのは小説家……肉屋と魚屋が違うとわかるのは、「陸の生き物のお肉」と「海の生き物のお肉」を分けて、「獣肉」と「魚肉」という言葉で区別するから成り立つわけです。

では、「海の生き物のお肉」に「魚肉」という単語がつけられていなかったら、魚屋さんは、自分の職業をどのように説明すればいいのでしょうね…

そもそも「魚屋」という商売が存在しなかったんじゃないの?
いやいや、「肉屋」は存在するのだから、「肉屋で売られていない肉屋」として存在するんじゃないの?

非常にくだらない問いかけかもしれませんが、では、Youtuberならどうでしょう?

Youtuberといえば、自分で制作した動画をYoutubeという動画プラットフォームに投稿して、広告収益によって生計を立てている人として、今や「子供の人気職業No.1」の存在ですが、10年前にはYoutuberという単語すらなかったのです。その時、一体、Youtubeの動画投稿で生計を立てている人は、自分の職業をなんて言っていたんでしょうね。職名がないのなら、問われるたびに、いちいち仕事内容を説明していたのでしょうか。「Youtuber」という命名と職業内容の定義は、当事者にとっては、非常にありがたいことだったに違いないのです。

未知のものや、似ているけど違うものが怒涛の如く西洋から流れ込んできた明治時代には、これらの作業は、くだらないどころか、身近で喫緊の課題ではなかったのでしょうか。そんな気がするのです。

そのあたりを解明するためにも、いよいよ疑問の無限遡求の世界へ飛びこむことになりそうです…

まずは、「小説」という単語の故郷である「中国の小説」を、Wikipediaで調べるところから始めますか!

では、また明日、近代でお会いしましょう!



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