見出し画像

詩|生花の展覧会

高校生の
気持ちのまんまの生花が
私は好きだ

かれらに大家のものは
生けられないけれど
生けなくていい

何を守るために
だれの目のために生けたか

作品の向きは
それによって変化する
形が変わり、定まってゆく

わたしは
ありのままのその人が
草木のうえから
浮かんで、透けて、見えるものが
そうしてそこが面白いものが
味わっていて
味があるから
やっぱり好きだ

直に会うのが面白いひとが
直に現れる作品にこそ
作品としての
いちばん深くて広い
誰かを照らすものがある

大家の示す格式は、
凛としていて美しい
そんな場に並ぶ事のない
自然との戯れのかたち

心の整った誰かの
しずかでやさしく
肌の温かさのような
ありのまんまも

今すぐ、横に並べたとして
大家に何も遜色もせず
誰かを楽しませることにおいて
なに不足ない

和やかで楽しい
腹に優しい力に満ちている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?