てんびん座の美しさ 〜ホロスコープを詠む〜.
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【てんびん座の美しさ】
彼のホロスコープから伝わってくるもの。
彼の人生は「唯一無二である」こと。
彼は「溶け込む」人。
そのストーリーを紐解いていきます。
ホロスコープ全体の印象として、
惑星が下半分に集中しています。
これは自分のリズムを
優先する生き方を選ぶ傾向になります。
かつ、左半分へ集中しているので
自分の思考や行動によって成長できるため、
単独で行動できる環境が適しています。
ちなみに、土星、木星、そして月が上半分にあります。
これは彼の内面が
どのような流れで社会へ表現されていくのか、
そこを如実に物語っていることになります。
彼にとってキーとなる惑星は
Ascそばにある土星。
そして、MCのそばにある木星。
ICのそばにある金星。
土星は「制限や限界」を司る惑星。
木星は「拡大と発展」を司る惑星。
金星は「愛と美」や「調和」の象徴。
人生の喜びを表します。
土星はしし座にあり、第12ハウス。
これは自分を
認められないことへの怖れともとれますが、
「溶解のハウス」に位置していることから、
さらに意味が深くなるイメージです。
潜在意識から「限界」というインスピレーションを
受け取りやすくなる可能性もあり、
そこから、人生そのものへの
窮屈さや閉塞感のようなものを、無意識にでも
抱きやすくなることをイメージさせます。
木星はふたご座にあり、第10ハウス。
これは軽快さとコミュニケーション能力の高さこそが
人生を拡大させていくことをイメージさせます。
それが「目標のハウス」に位置していることから、
仕事は社会で認められるものであり、
かつ、自分の世界を広げてくれるものであることが
大前提になることを感じさせます。
金星はさそり座にあり、第3ハウス。
これは愛した対象に対して深い絆、
もしくは強くコミットできることが特徴。
それが「知性のハウス」に入っていることから、
自分が愛するものを魅了する
コミュニケーション能力を授かることになります。
かつ、自分へ深い問いかけを与えてくれる、
鋭く洗練してくれるような
情報を集めることにも長けています。
アングル上の惑星は大きなキーとなりますが、
次にキーとなる基本的なエッセンスが、
太陽、月、AscとMC。
太陽はてんびん座にあり、2ハウス。
月はかに座にあり、11ハウス。
Ascはおとめ座。
おとめ座のルーラーである水星は2ハウス。
MCはおうし座。
おうし座のルーラーである金星は3ハウス。
太陽がてんびん座にあることから、
常に自分と他者のバランスを図りながら、
調整能力を発揮して、
人生を巧みに渡っていけるスタイルを授かります。
2ハウスに位置していることから、
自らが持つ才能や時間という資源を、
お金をはじめとした、
価値あるものへいかに変換していくか、
そこへ意識が向かっていることをイメージさせます。
月がかに座にあることから、
情緒豊かで、周囲の人を
包み込む包容力のようなものを授かります。
月は、もともとかに座の支配星。
かに座に入っているときに
最も威力を発揮することから、この資質が
さらに深くなることをイメージさせます。
11ハウスに位置していることから、
人へ気さくになれるセンスを授かります。
男性であろうが、仲間内では
母親のような役割を演じることができ、
アットホームな雰囲気を
生み出すことができるはずです。
Acsはおとめ座。
おとめ座のルーラーは水星。
水星は2ハウスに入っています。
これは人とのコミュニケーションへ価値をおくこと、
自分の知識を価値あるものへ変換させていく
資質を授かっていることをイメージさせます。
MCはおうし座。
おうし座のルーラーである金星は3ハウス。
金星については
先に説明する流れとなりました。
ここまでは惑星の位置を紐解いてきました。
いわば「点」と「点」をつないだ
「線」の段階までのもの。
惑星同士はその配置において、
特定の角度を形成したとき、
「アスペクトを形成した」とみなします。
アスペクトを形成した惑星は、
お互いに影響を与えあうことになり、
そのエネルギーをブレンドさせてパワーを発揮します。
ここから「個別性」、
つまり「その人らしさ」がさらに如実になります。
それでは、彼にとってキーとなる惑星から、
彼らしさを形成するアスペクトを紐解いていきます。
（土星のアスペクトたち）
土星と海王星のトライン（120度）
「深い悲観、あるいは現実主義」
土星のもつ現実的で、
ものごとの形をはっきりさせようとする力と
海王星のもつ物事を曖昧にして
境界線を溶解させる力がブレンドされます。
高い理想をもつだけ、
幻滅も味わいやすい可能性もありますが、
スピリチュアルな理想を現実化する
エネルギーを授かっているともイメージできます。
土星と冥王星のセクステル（60度）
「抑圧されたものの回帰」
現実的で冷厳な土星と、
物事の根本的な変化を意味する冥王星がブレンド。
何かしらの強力な力によって
自分が抑圧されていると感じたり、
その反動で自身を強く鍛え、
強力な力を発揮することもあります。
（木星のアスペクトたち）
木星と月のセクステル（60度）
「伸びやかに表現されるエモーション」
月の示す無意識的なエネルギーの流れと、
木星の楽観性がブレンドされます。
魂の滋養になることを
素直に求めていくことができる資質を授かります。
木星と金星のオポジション（180度）
「恵みはあるが自制も必要」
愛の惑星である金星と、
幸運と拡大・発展の惑星である木星の結びつき。
スムーズに愛情や気持ちを表現できるので、
運を引きよせやすい社交性を授かります。
（金星のアスペクト）
金星と月のトライン（120度）
「穏やかな美への愛」
月の持つ安定への欲求と
金星の持つ愛と美へのエネルギーがブレンド。
基本的に平和で穏やかな状況を愛します。
（太陽のアスペクトたち）
太陽と月のスクエア（90度）
「意識と無意識の関係性」
これは意識と無意識が常に往復しているイメージ。
他者の視線や立場に対しても繊細なので、
いつも自分をモニタリングしている感覚。
肉体と精神ともに緊張をはらみやすいかもしれません。
ここまでの流れから
彼らしさを表現するものとして
「包容力」と「コミュニケーション」
この2点が最大のキーワードになってきます。
このキーワードそのものが
彼自身の社会そのものへの接し方と
リンクすることを示唆します。
あわせて、2、3ハウスにそれぞれ
グランドコンジャンクションを形成しています。
これはハウスに惑星が3つ以上集中している配置。
そのハウスの意味が強調されます。
2ハウスは「価値のハウス」、
3ハウスは「知性のハウス」。
彼にとって、価値あることとは
人とコミュニケーションを図ることであり、
価値あることを情報交換しながら循環させることへ
重点を置いていることをイメージさせます。
そして、さらに彼を彼たらしめている
最大のポイントがあります。
それが土星です。
土星がどのように絡んでくるか、紐解いていきます。
彼の土星はしし座の12ハウス。
土星のしし座は「自己表現への閉塞感」を、
そして、12ハウスに位置することから
「自分の意識が及びにくい場所からの影響」を
それぞれイメージさせます。
ここから感じるエッセンスが
「自我を忘れるような感覚」。
彼にとってのキーワードは
「包容力」であり、「コミュニケーション」ですが、
普通、これは他者へ向いているもの。
「自分あっての他者」というのが
既存の考え方ですが、
彼にとっては、土星との絡みも考慮してみたとき、
「他者へのベクトル」の程度が意味するものは
「自分の存在を忘れるが如く」のような
ものではないでしょうか。
Ascがおとめ座でもあることから、
自己を犠牲にしてでも、
人へ尽くすスタンスも感じられます。
そもそも、自分の存在を主張したいわけでもない。
そこへ悲壮感のようなものは微塵もなく、
むしろ、清々しいほどのものをイメージさせます。
ここからが彼を語るうえで、とても大切です。
どうして、彼は、
このような内面を抱えようとするのでしょうか。
そう、
彼を突き動かすものがあります。
それは「未既存の創造」。
彼のホロスコープは
人間の発達過程の初期段階である
第2、3ハウスへ惑星が集中。
そして、最終段階である
第11ハウスに月、第12ハウスに
土星と主要な惑星が位置しています。
彼のベクトルは、誰もが多くの時間を過ごすと
感じている現実世界そのものではなく、
むしろ、人の記憶があまり及ばない
「生の直後と死の直前」に
向いているのではないでしょうか。
ひとつの考え方ですが、
その空白のような時間にこそ、
新しい価値観が潜んでいるとも考えられます。
実際、6歳までの思い込みに
人生を左右されるとする理論もありますし、
死という概念は存在しないとする説もあります。
これだけでも、
今の既存の考え方へ充分に一石を投じ得るものです。
彼が土星のしし座を持つ意義は、
誰も知らない事実を
「創造する」ことへあるのではないでしょうか。
もちろん、その創造は前人未到のものであり、
けっしてひとりではなし得ません。
だからこそ、
多くの人とのコミュニケーションを積み重ねる。
形をまだ持てない段階からの情報を循環させて、
現実にふれられる、
体感できる情報にまで具現化させる。
その積み重ねこそが
「価値あるもの」へとつながっていく。
MCおうし座の象徴するものは、
この「具現化、体感」ではないでしょうか。
制限や限界という境界線を溶かしていくかのように、
「永遠の未完成」にも似た、
この創造過程こそが、
彼にとっての祈りなのかもしれません。
彼の人生は、
未既存を創造できる「唯一無二である」こと
彼は、個人の意識を超えていくために「溶け込む」人。
僕が彼のホロスコープから感じる、
てんびん座の美しさです。
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